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東京都の新型コロナウィルス(COVID-19)死亡者データの分析

新型コロナウィルス騒ぎの中、東京都に住んでいる身としては、やはり東京で起きていることを正確に知りたいと思っていました。私は専門家でもなんでも無いのですが「知りたい」という思いでデータを探していました。

はじめに、日本の(および世界の)対策の基本は、大規模なPCR検査を行って陽性患者をあぶり出すような形ではなく、感染疑いのある人に絞って検査し、陽性であれば然るべき隔離と治療をするという方針です。つまり、陽性患者はPCR検査をすればするだけ増えるわけで、陽性患者を分析することは全体の中の一部を抽出して分析することになってしまい、正確さに欠けます。

そこで、東京都の状態を把握するためには「死亡者」の情報を分析することが重要なのだと考えました。先日の安倍総理の会見でも、死亡後でも新型コロナウィルス感染の可能性があった場合は検査している、と明言していました。
そういった経緯で、東京都のWebサイトを検索しながらいくつかのデータが見つかったので、この投稿にまとめます。

なぜか公式には存在しない死亡者のオープンデータ

東京都では「新型コロナウィルス感染症対策サイト」というWebサイトを立ち上げ、情報発信をしています。行政の割にはしっかりとしたWebサイトで直感的にデータを見ることができます。
このようなサイトです。

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リンクはこちら。

このWebサイトには「検査陽性者の状況」に、陽性者数、入院中、軽症・中等症、重症、死亡、退院、に分けて人数が書いてあり、東京都の状況が一目瞭然です。

また、その他、陽性患者数、陽性患者の属性、陽性患者数(区市町村別)、検査実施状況、検査実施人数、検査実施件数、新型コロナコールセンター相談件数などなど、様々な視点からグラフで状態を確認することができます。

また、さらに「東京都_新型コロナウイルス陽性患者発表詳細」というWebページでは、陽性患者の属性をオープンデータで公開しています。ダウンロードもできるのでデータを使って独自の解析もできますし、見たい視点でグラフを書くこともできます。

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リンクはこちら。

ですが、探しても探しても死亡者のオープンデータが無いのです。もっと言えば詳細を表にまとめたWebページすら出てこないのです。
(ここまで強く書いて、実はあったら恥ずかしいわけですが、そっとコメントにURLください。)

死亡者の情報が公開されている公式ページは存在する

では死亡者の詳細情報はどこにあるのか。それは「東京都防災ホームページ」の「東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報」のページに存在しました。

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リンクはこちら。

ここには、「(第○報)新型コロナウイルスに関連した患者の死亡について」という見出しで日々死亡者の情報が更新されています。やっと見つけた!と思ったのもつかの間、中身を見てみると、、、

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なんと中身はPDFではないですか。非常にお役所的な資料です。そしてこの画像は4/16の死亡者の情報ですが、分かる通り「診断日」や「死亡日」が書かれていない、、、これは「人権尊重・個人情報保護」ということなのでしょうか。

ついに死亡者まとめオープンデータが見つかる

この付近の情報を漁っていたところ、ついに私が求める死亡者データが見つかりました。なんと、個人の方がまとめているGoogleスプレッドシートでした。

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リンクはこちら。

内容は、下記の4シートがあります。
・データ(2020/04/16更新)
・属性GT表・グラフ
・死亡者グラフ
・データの基本情報(必ずご確認ください)

■データの閲覧、利用に関する注意点
・本資料は、一個人が作成しているため、間違いが含まれる場合があります。

「データの基本情報(必ずご確認ください)」このような内容も書かれており、100%正しいとは限りませんが「データ」シートを見ると、前述の「東京都防災ホームページ」の「東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報」の情報を参照しているようで信頼感があります。

満を辞して死亡者のオープンデータを見てみる

まず、年代ですが報道されている通り、死亡者のほとんどは高齢者です。40代以下の死亡者はおらず、50代が4.1%、60代が18.4%その他の77.5%は70代以上です。

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次に性別ですが、男性が8割が男性です。女性は2割しか死亡していません。

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この他にもデータの興味深いポイントはいくつかあるのですが、それは次回に書かせていただきます。

死亡した後に診断された事例も

「データ」シートを見ていてやっぱりこんなこともあるんだなあと思ったデータがあったので、ソースのPDFを載せておきます。

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死亡日の次の日に診断されているデータです。安倍総理の発言を裏付けるデータでもあると同時に、新型コロナ感染だと知らずに亡くなっていっている方がいると無念な気持ちが湧いてきます。
このPDFのリンクはこちらです。

なぜこの死亡者データを東京都がまとめて公開しないのか

最後になりますが、なぜこの死亡者データを公開しないのか不思議でなりません。また、データの中身も未公開が多く、正確な情報を国民およびメディアに公開しないのは何か意図があるのでしょうか、と勘ぐりたくなるような状態です。

データの詳細な分析解説はまた後日してみます。

※Googleスプレッドシート「東京都の新型コロナウィルス(COVID-19)死亡者データ」を公開されている方がどなたかわかりませんが、公開・更新ありがとうございます。(謝辞)

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