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世界の文字をたずねて(2)東南アジア編

ハンドメイド作家のPlava Stabloこと、青木弘之です。

世界のいろいろな文字を、私が訪ねた国の写真からご紹介するシリーズの第二回は東南アジア編です。

※第一回は以下をご参照ください。

1.タイ文字(タイ)

私にとってタイは良く訪れる国の一つなので、個人的には見慣れている文字の一つです。今は日本国内でも、タイ料理店などで見かける機会が多いかと思います。

もちろんタイ文字は、れっきとした現役の文字なのですが、似たような形があったり、同じ音でも複数の文字があったり、母音や声調記号などがいろいろ文字にくっついたりするので、私には、なかなか覚えるのが難しく感じられます。

ただ、韓国のハングル同様、タイ旅行ではタイ文字が読めた方が何かと便利なことは自覚していて、特に地名は読めた方が明らかにいいです。

バスのチケットを取る際でも、チェンマイ(北部の中心都市)とチェンライ(北部でもミャンマーとの国境に近い街)ぐらいの違いなら、間違えたとしても、まあ何とかなりますが、ナコンパトム(バンコク近郊の街で、巨大仏塔で有名)とナコンパノム(イサーン地方のメコン川沿いにある街で、対岸がラオス)など、間違えたら目も当てられません…

タイ文字は、くるんと丸が入っている文字が多いのが特徴で、同じように見えても、この丸が内にあるか外にあるかだけで文字が異なり、発音がガラリと変わるので、本当に要注意です。特に、デザイン化された文字は丸が入っていないので、ラテン文字のようにも見えたりして、文字を判別するのには慣れが必要です。

上の写真で、3行目に書いてある太い文字は、ラテン文字の「WS」のように見えるのですが、実は英語の「free」と発音が同じ「フリー」で、意味も英語と同じく「無料」です。タイを旅行していると、結構良く見かける単語なので、覚えておくと便利です。

2.ラオ文字(ラオス)

ラオスで話されているラオス語の表記には、ラオ文字が使われています。見た目はタイ文字と似ています。タイ語とラオス語も似ていますし、タイ文字が読めれば、ラオ文字を覚えるのは楽だと思います。

3.クメール文字(カンボジア)

カンボジアのクメール語で使われているのがクメール文字です。タイ文字に似ているように見えますが、これはお手本になっている文字が同じためです。言葉自体は、タイ語とクメール語ではかなり異なります。

4.ビルマ文字(ミャンマー)

ミャンマーで使われているビルマ語では、ビルマ文字が使われています。よく、視力検査表のランドルト環に似ていると言われる、丸っこい文字ですが、実は、お手本となっている文字はタイ文字やクメール文字と同じです。従って、文字の仕組みも似たような形になっています。

5.タミル文字(シンガポール)

シンガポールは多民族国家で、公用語として英語・中国語・マレー語・タミル語が使われています。

例えば、公共交通機関での案内や注意書きなどは、この四か国語で表記されていますが、それぞれの民族が多く住む地域では、その民族が使用する言語の文字で表記されていることが多いです。

中でもリトルインディアでは、タミル人が多いので、自然とタミル語を表すタミル文字がよく目に入ります。

6.ジャワ文字(インドネシア)

インドネシアも多民族国家で、国語としてインドネシア語が使用されていますが、日常会話レベルでは、地域ごとに多くの民族語が話されています。

ジャワ島で話されているジャワ語もその一つで、現在はインドネシア語同様にラテン文字で記述されていますが、以前はジャワ文字という独自の文字を使用していました。

ただ、私が2010年にインドネシアを旅行した際、街中でジャワ文字を目にする機会があったので、何かしらの形で、現在もジャワ文字を残そうとしているのでしょう。

スラカルタ(ソロ)という街で見かけた、ジャワ文字の看板です。

ジョグジャカルタの街中で見かけた通りの看板にも、ジャワ文字が併記されたものがありました。

次回は、南アジア諸言語の文字についてご紹介したいと思います。

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