見出し画像

4万5千円でレコードを買った Cynic Focus プログレッシヴロックの名盤

アホである。
ついに来るとこまで来たな、という感覚も無きにしも非ず。4万5千円か〜。それでも世の中にはさらに高額で取引されているレコードもあるのでまだまだですね。金銭感覚が壊れてきたので5千円くらいのレコードなら安く感じてきました。

さて今回はDiscogsで購入したのですが、もっと安く入手できるチャンスをみすみす逃してのこの価格です。アホである。やっぱりタイミングは大事ですね。レコード屋でも見つけた時に買っておかないと、いつまたお会いできるかわかりませんから。う〜〜〜〜〜ん今回はまぁいいか、なんて思ってスルーしたらもう二度と...。買える時に買いましょう。

画像1

Cynic 『Focus』 1993 Roadrunner Records オリジナル盤 Netherlands Original

NM/NMコンディションでしたが少し盤が反っていたのが残念。セラーに軽く文句を言ったら輸送中に反った可能性が大だと。ちょっと落ち込みましたが許容範囲です。

この作品、プログレッシヴデスメタルのマスターピース・伝説の名盤として今なお語り継がれていますが、私個人としてはプログレデスの範疇を超えた本当の意味でプログレッシヴな「プログレッシヴロック」として認識してます。確かにグロウル(いわゆるデスボイス)のパートが多くデスメタルの聖地フロリダの出身、レコーディングはモリサウンド、プロデューサーはスコットバーンズ、Focus発表以前のメンバーの「課外活動」も他デスメタルバンドへの参加、デビュー前のデモ音源は完全にテクニカルデスメタルの音、など環境やルーツがフロリダ・デスメタルであったためデスメタル扱いされてしまうかも知れないですが、この『Focus』はジャンルを超越した先鋭的なプログレッシヴロックの名盤としてKing Crimson『Red』やPink Floyd『Wish You Were Here』、Yes『Close to the Edge』などに匹敵するものになってます。音の方はテクニカルデスメタルにジャズ・フュージョンを混ぜヴォコーダーとフレットレスベースを使って浮遊感漂う「宇宙」的表現がなされてるプログレッシヴロック。小生の拙い文章では伝えられないアヴァンギャルドなサウンド。未聴の方はサブスクにもあるはずなので聴いた方が早いです。百聞は一聴に如かずデス。

画像2

主なメンバーは
Paul Masvidal – vocals, guitar, guitar synth (右上)
Jason Gobel – guitar, guitar synth (左上)
Sean Malone – bass, chapman stick (右下)
Sean Reinert – drums, keyboards (左下)
Tony Teegarden - death growls 

残念なことにSean ReinertとSean Maloneは2020年に相次いで亡くなってしまいました。『Focus』のメンバーでCynicの新作を聴けることはもうない...。そうした意味でもこのアルバムは孤高の存在として永遠に輝き続けるはずです。ちなみにJasonは音楽業界からは離れていて、アジアを旅したり自由に生きているみたいです。Paulの影に隠れて存在感の薄いJasonもかなりいい仕事してますね。最終曲How Could Iでのギターソロは圧巻です。

先述したメンバーのFocus以前の「課外活動」、PaulとSean ReinertがDeath『Human』(91)に参加していることは有名ですが、そのほかにもPaulがMasterの名作『On the Seventh Day God Created』(91)に、JasonはMonstrosity『Imperial Doom』(92)、Focusには参加しなかったものの89〜93年に在籍していたベーシストTony Choyも同郷フロリダのAtheist『Unquestionable Presence』(91)『Elements』(93)(ElementsはFocusの一ヶ月前のリリース)、オランダのデスメタルレジェンドPestilence『Testimony of the Ancients』(91)に参加していることからCynicはデビュー前から多くのデスメタルファンから大いに期待されていたに違いない。それがいざデビューしてみたら今まで聴いたことのないようなプログレッシヴなサウンドだったのでリスナーに受け入れられずに、解散後の再評価を待つことになったのも致し方なかったのかもしれない。甲子園で名を馳せた豪腕投手がドラフト一位でプロに入ってから突然変化球主体の技巧派になったみたいな、そんな感じ??

画像3

ちなみに「課外活動」のうちMonstrosity以外はオリジナル盤LP持ってます。ワハハ。Monstrosity欲しい...。

実はCynicのレコード買ったのはこの駄文を書くよりもはるか前。最近Cynic中毒になっているのでその勢いに任せてnote書きました。書ける時に書け、ということで。
P.S.キンクリは宮殿よりレッド、フロイドは狂気より炎、イエスはこわれものより危機派です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?