求められて応えてスキルは伸びるもの
特養に入所中の方のご家族様がCV(中心静脈栄養)をご希望されたことがあった。
この施設には、何十年もこの施設にしか勤めたことがない人が居て、かと言って何か勉強して来たわけでもない人たちが少数居る。
その方々は特に肩書きがついていなくとも、自分を凄く偉い人だと思い込んでいる。そして、他所から来て勤めて始めた人をゼロ年生と思い込んでいる。
その勘違いな人々が「動脈に針を刺すなんて恐ろしい!何て馬鹿な事を!」と騒いでおられて閉口。
動脈じゃねーし。
あと、ご家族のニーズだっちゅうの。
「話し合いをしましょう!会議をしましょう!絶対、反対!」とすぐ集いたがるのもこのひとたちなのだが、仕方なく付き合えば、井戸端会議に等しいくだらない内容だ。
「人は自然の枯れて亡くなるべきだ!それなのに!きえええええ!」と騒いでいらっしゃる人に「あなたが本人、もしくはご家族だったら言いなされ。」と冷静に言う。
そんな騒ぎはあったものの、月日は少し流れ、色んな段階のお看取りの人がいる。
CVが入っている人も今や2人居る。
皆さん健やかだ。
先述した「自分が知らないことやるなあああ!きえええい!」の人々は大人しくなった。
さほど恐ろしいことではないと分かったからだろう。ましてや、介護や栄養士なので実際にその作業に関わることもない。
下手すると「お願いを聞いて下さってありがとうございます」と言っているご家族に、あたかも自分がCVを導入したかのように「いえいえ。どういたしまして。」などと言っているくらいだ。
いずれにせよ、頑なに学ぼうとしない人の所業は見苦しい。
私も大概怠け者だけど、スキルだの知識だのと言うものは、求められ、それに応えてこそ培われていくものだ。