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クリエイティブな彼女たち&彼ら

施設には難聴の方が多い、かつ補聴器を着けるのを嫌がる人が多い。きっと、喋りたいけど聴きたくない!という人が多いのだろう。(悪口をいうと何故だかそこだけは聞こえるんだけどね。)

それで、よく筆談をするわけだが、マグネット形式になっているボードを持っている人もいる。そのマグネットの仕組みのやつは古すぎて、もはや書いても何が書かれているのか分からない。

スケッチブックや小さなホワイトボードを所持している人もいるのだが、もう書くところが無くなっていたり、ボロボロになっていたりもする。

そこで私はipadのノートアプリを使って書いた文字を見せる。文字の太さや色も好きなものに変えられるので便利。

その難聴の方の一人に、猫が大好きなお婆ちゃんが居て、毎日「今日は何日?何月?何年?」と訊いて来られるので、よく皆さん日付をホワイトボードに書いていたようだが、忙しいのだろうなあ、介護さん。なかなか日付が変わらなくて放置していたらまだ3月くらいだという始末。

そこで今年はその人に猫めくりをプレゼントしたのだ。毎日猫ちゃんの写真が出て来る日めくりカレンダー。まあ、それすらめくってくれない人が多いのでよく私がめくっている。
めくった猫の写真は捨てないでくれと言われるので壁に貼ったり、たまにはアート的に並べて額に入れたりもしている。

一方、毎日日記を書きたいというお婆ちゃんも居る。もう書く紙が無くなって手拭き用のタオルに文字を書いているのを発見したので、大学ノートを持って来て差し上げた。
この方は、もう、とにかく書きたいのだ。

しかしある日、その大学ノートを紛失したと嘆いておられた。どこに行ったんだろうか?

新しい大学ノートを事務所に無心に行ったところ、「施設の備品を個人に与えるってのはダメじゃない?」と。言われると思った。ごもっとも。でも、家族居ないんだから誰にも頼めないじゃん。

それであきらめるのも何だから、ネット上で無料で印刷できる可愛いノートの付箋を発見。

これを印刷して可愛いノートを作ってあげたら大喜びされていた。いや、施設のA4の用紙使うなよ!とばれたら怒られるかもしれないけど。

その他、絵をかくのが好きな人、貼り絵なんて嫌いで吐き気がするけど塗り絵なら好きという人。色んな人がいるのだが。

それぞれに楽しく過ごして貰えたら嬉しいなと思う。あんなちゃちい夏祭りで感涙してくれた人のことを思い出す。

好きなことをして過ごして欲しい。
また何か考えるから。

(今構想しているのは、人間モグラたたき。安全第一のメットに”もぐら”と書いて、段ボールから頭を出してあげようと思う。ピコピコハンマーでもストレス溜まっている人にやられるとクビが折れるかも。)

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