伝えてみた

今日は正社員になって13日目だ。

そして私のボスにとっても施設の長の13日目。

いつも指導者が皆無の状態からスタートしている人生な気がしているが・・・気のせいじゃない。でも、それは多分いつも新しいことを始めているからだろう。

正確に言うとこれまで学んで来たことを全く別の場所で展開しているというだけなのだけど、これがなかなかどうして。
以前も地盤を作るのが大変だったと思い出す。

その条件は施設長である彼女にとっても同じで、誰も指導してくれる人はおらず、長く務めている諸先輩たちは見るからに間違ったことをしているので手本にできない。孤独な13日間だったと思う。

主任になったら、まずは医務課を立て直そうと思っていた。中身もそうだが、物理的にもだ。長年の怠惰でゴミの山になっているから。

ところが、ちっともそれが進まなかった。他のナースが受診対応や新入所に行こうとするとボスである彼女が『どうして、Ohzaさんが来ないの?』と電話をかけて来るので自分が下りることになる。
委員会も振り分けようとするが他のナースが出るのはよくないらしい。目に見えて機嫌が悪くなる。
彼女もいっぱいいっぱいだからだろう。

あと、私は他の相談員の不理解に頭にくる出来事があった。分かっていないなー!と思ったが、顧客の前なのでそこは飲み込んだ。
その相談員があとからボスに私のことでクレームをつけているのが見えた。

本当に目まぐるしく色々なことがあり多少落ち込み、自分に腹を立てたりと感情が激しく動いたが、昨日休日出勤した時にボスが『ちょっと話もあるので後で寄って。』と言って来た。

相談員からのクレームの話をするのか?と思いきや、他の話を色々してくれた。べたに施設の問題点についてだった。

なので私の方から切り出した。『この10日間、こういうことがありました。ああいうことがありました。あの時、あなたは怒っていましたよね?でも、全部私がやらなければなりませんか?もしそうならそのつもりでまたエンジンかけ直しますので、そう言って下さい。他のナースじゃダメですか?』と。

ボスは週に一度岩盤浴やらヘッドスパで一週間を振り返る習慣があると聞いてはいたが。
「ごめん。丁度、昨日そのことについて考えてたの。頼り過ぎた。ごめん。私も必死で。ナースが皆Ohzaさんだと良いのに!という我儘が出て、ついつい他の人が降りて来ると『Ohzaさんは?』って言っちゃっていた。」と話してくれた。『語調が強くなってごめん。私にはOhzaさんが居るけど、いつかOhzaさんにも、私にとってのOhzaさんみたいな職員が出来れば良いなと思う。頼り過ぎて申し訳ない。』

そうやって聴くと、何だかその気持ちを受容できない自分が悔しいような気もして来たが・・・やっぱり無理だ。分身の術は使えないのだ。

ボスはあたりが柔らかくて女性らしい人だが、根っこは女王気質で、長く務めている男性職員にはオラオラ系で行く。
それを私にやったというだけのことなのだが、私は案外そういうのは無理なのだ。
どんどんエスカレートして行くのがわかるので、この話し合いのように『ちょっと待って。その扱いや期待のかけ方は嫌よ。人は自分の思い通りにはならないよ。』という旨のことを訴えてストップをかける。何故なら、相手がエスカレートした暁に私の方が大爆発して叩きのめしてしまうのを知っているから。彼女を敬愛しているのでそれだけは避けたい。

いじめの図式にも似ているけれど、相手だって止めて欲しい場合がある。
だから互いにイライラするのは止めようと謝り合うという話し合いだった。

話し合ってみてほっとしたが、まだ分からない。これで良かったのかどうか。

ただ一つ分かったのは、私の方も彼女の心労を理解していなかったなということ。

何がどう変わるというわけでもないのだが、第三者や噂や愚痴を挟まずに直接話すことが出来て良かったと、まずはそれだけを思う。


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