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だったかも知れない

昨日、施設の職員がコロナワクチンを接種する日だったのだが、まあ、驚いた。ちょっと、ちょっと?一気に打つの?この施設!ということに。

ワクチン後は、多くの人が高熱を出してしまう。
そのため、シフトに穴が空かないようにスケジュールを組んで少人数のグループに分けて接種していたのが、以前の施設。
そのスケジュールを組んでいたのが自分なので、まあ大変だった。

でも、一気に打って一気に終了なら、計画する方としては楽だよね。良いね、それ!と思って見守っていたのだが。

今朝、正社員二人が休み。派遣が一人休み。残ったのは、派遣のHさんと私のみ。
・・・・・・・・。そーー--なりますわな!

看護だけでもこんなありさまだから、介護も大変なことになっていることだろう。

しかも、今日も訪問診療があって先生が来ると来たもんだ。
ここの施設に来てから医師の往診に着いたこともないし、ここでのやり方も教わってないのに、どーすんの?これ。
色々と凄いことが起こるよねえ、この施設。

が、何とかなった。

パニックな状態のまま通常業務に走り回っていたところ、事務所から「先生が到着しました。」という連絡が来た。
え?なんで私に言うの?
どーすんの?

「とにかく来て下さい!」と切羽詰まった声で言われ、先生を一階へ走って迎えに行く途中で、施設長に遭遇。

施設長は「Tさんが熱出してお休みだから、先生に謝って今日は中止にして貰って!」と通りすがりに仰った。

往診を中止?
しかも、私が詫びるの?
色々とおかしな話だが、何せここでは派遣なので「承知!」と答えてエレベーターに乗った。←承知しましたではなくて、承知!と時代劇のような返事をしても誰一人不自然に思わないほどカオスな現場。

果たして、一階のエレベーターのドアが開くと、知り合いの土建屋の社長さんにそっくりな恰幅の良いお爺さんが立っている。いや、ファッションまで似ている。

誰?

そのカーキーのジャンバーを着たお爺さんは、降りようとする私を押し戻すようにしてエレベーターに乗り込んで来た。
「聞いた、聞いた。いいよ、いいよ。さっさと診察しよう。」と言う。
うん、確かに往診バッグを持っている。医師なのだろう。

そして5人の患者さんを診察。
と言っても、主に話を聴いては「カッカッカッ!」と笑っているだけだったような。

施設の真ん前にベンツが路駐してある。ろ、ろ、路駐?!こんなところに?!
地元の名士なのか?それで切符も切られないのか?
あるいは時間になると誰かが駐車場から出して来るのか?
とにかく、それに乗って去って行った。

と思ったら、サー!と窓があいて、「あぶねーあぶねー!次の約束してなかった!」と大声で言う。
「次は2週間後!クリスマスイヴだな!どうせ俺は一人なんだよ!カッカッカッ!」

知らんわ。

ドアがしまり、ベンツらしからぬエンジン音がブオン!と鳴って走り去った。

施設長が「大丈夫だった?」と現れる。

どこから出て来られたの?今までどこに居たの?
まあ、よく分からないけど大丈夫でさぁー。

***

2階に戻ると介護職員の若い男性二人がマジ喧嘩をして怒鳴り合っていた。
嫌でも声が聞こえるので、喧嘩の原因も分かる。
仕事のことである。真面目だなあ。

しばらく無視して雑務をこなしていたが、片方が身体をドン!と押し、片方が拳を握った。
それが目に入った瞬間「いい加減にしろ!」と、今度は私が怒鳴ってしまった。「男の怒鳴り声は怖いんだよ!婆ちゃんたちが不穏になるだろ!」

と言っている私の声の方がデカいし、ご利用者様のことを公衆の面前で婆ちゃん呼ばわりしているし、もう、あとから考えると突っ込みどころ満載。しかも、ポットのお湯を入れ替える途中だったので、こちとら熱湯を手にしているおばさんである。
二人は、パッ!と離れて、驚くべき速さで「すみません!」と謝って持ち場に戻った。早すぎる。止めて欲しかったのかも知れない。あるいは全身大焼けどを避けてか。

今日は何を書きたかったのだろう。
そうだ。企業のワクチン接種は計画的に行って下さい。生き残りが地獄を見ます。

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