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納涼祭 国境も時代も超えて

今日は某高齢者施設でプチ納涼祭が行われた。

こんなご時世になる前は、全てのフロアの人々が、一同に会して様々なイベントを催したものだけど、昨年も今年もフロア別に分かれて、それぞれの場所でこじんまり開催。

それでも、各フロア、とても素敵だった。

特筆したいのは、インドネシア出身の介護職員さんたちの歌と演奏。

そう言えば、このnoteを始めた最初の記事にも書いたことを思い出した。

彼ら&彼女らは筋金入りの音楽好きだ。誰もがギターを抱えていたり、鍵盤を叩いていたり、そして美声の子たちが多い。しかも、日本の歌が大好きらしい。

高齢のご利用者さんたちは知らないであろう歌も多かったが、普段は全く反応しないほどの認知症の方まで手を叩いて喜んでくれた。泣いている人もいた。音楽って凄いなとつくづく思う。

インドネシアと言えば、レイニッチさんという女の子が、音楽に疎い私の耳にすら入って来るほどの有名人。

TikTok上のダンス動画をきっかけにバイラルヒット中だったDoja Catの「Say So」の歌詞を日本語に訳し、80年代シティーポップを思わすスタイルでカバーした動画を公開すると、1800万再生も射程内の世界規模でのヒットに。

日本語で歌っちゃうというところが凄い。でも、日本が大好きなんだって。

1979年に発表された松原みきさんの「真夜中のドア/STAY WITH ME」のカバーもアップしているけれど、これも全然古い歌という感じがしなかった。

世界に認められるレイニッチさんは、もちろん素晴らしい。

でも、私には、自施設の、普段は汗水垂らして働いている、失敗しないかドキドキビクビクしながら、この異国で成長して来た彼ら彼女らの歌声が何万倍も心に響いていた。

それは他の日本人職員にとっても、ご利用者様たちにとっても同様だったらしく、皆、次々に過ぎていく瞬間を壊れ物のように大切に大切に、その耳と胸に収めている様子が見てとれた。

曲目は、海の声、ひまわりの約束、未来へ、その他諸々。

今日、日本のお祭りの法被を着て、熱唱してくれた彼ら・彼女らは、もはや、私たちの宝物なのだと思う。

世間の情勢は、厳しい。

でも、良い納涼祭だった。

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