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不協和音

高齢者施設。ここは極めて近いところに提携病院がある。

かと言って、死ぬほど受診が多いのも困る。施設内の人々を看れないからだ。

以前居た施設ではご利用者さんたちをなるべく健康に保つ努力や工夫をしていたのでこういった事態を避けることが出来た。

が、ここはそういった風習がないので現時点では仕方ない。連れて行きまくるしないのだった。

それは良いのだけど、常勤のナースが退職するにあたって、私くらい年配の方が主任業務の後を継いだばかりなのだが、どうしたものか?と思う。

まさか先輩がやっている仕事のチェックなどしようという頭がなかったが、それもやるべきだと知らしめられる出来事が起こった。

病院の外来から電話がかかって来て、先輩ナースのことを『もうあのナースをよこさないでくれ。』と言われた。『Aさんの受診はあなたが連れて来て。Cさんもあなたが迎えに来て。もう、あの人、全然意思の疎通ができないから。』という指示。

どう表現したら良いのだろう。知らないことを学ばない上に自分の話ばかりして人の話が聴けないので、外来でも医師や外来ナースとのやり取りがちっとも進まないのだろう。

しかし、それをそのままこの先輩ナースに言えないよなと思う。施設内も外も一人で何とかしなければならない日に、事実を言えばかなりのパニックになる。

これ、外来の人が意地悪なわけではない。繋がりのない仕事に先方も本当に困っているのだ。後日、この先輩の上の人に相談することにして、とにかく一日中走り回った。

ストレッチャーに乗っている人と車椅子の人二人を、一人で連れて帰って来てゼーゼー言いつつ医務課に帰って来たところ、その先輩ナースと新しい派遣さんが雑談していた。恋愛についてとか。
なんでや。

この日は、病院側のナース陣が加勢してくれた。『あなた、新しい人でしょ?大変よね。』と口々に言いつつ。

仕事が統合されていないのである。でも、とても雑談をしたがる。

そんなんで終わるのか?と思いきや、定刻になると「これは今日も帰れないわ。」と言っている。中には、それを見て「大変ねえ。」と思う人もいるのだろうなあ。外側からは分からないもんな。

極めつけ、帰り際に何を言うのか?と思いきや、『選挙では○○さんに投票してね!あの人にすると電気代が安くなるんだって。』。

もう支離滅裂で気が狂いそうになるので、深く考えるのはよそう。

どうやら今は無になってやるべきことをやるという修業をさせられているらしいのだが、毎日顔を合わせるとどうしても調律が狂う。影響を受ける。
そんなわけで心頭滅却するばかりでなく、やはりたまにガツンと言わなければならないらしい。嘘でしょ。派遣だってば。

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