理解者
少数派なので、自分と同じことに怒っている人を目にするとホッとする。
何でもかんでも「はい、入院。」というのが多数派。病院に入院すれば安心と思っているから。高齢者はそうではないというのに。かと言って、私が入院を拒否するわけではない。ご家族や本人のご意向を丁寧に聞いていると「施設で過ごしたい。」という答えが返って来るのでそれに従って来ただけ。でも、勿論、病名や重症度による。
イレウスだの心不全などと言われた暁にはどんなに哀願されても「ごめん!無理!入院して下さい!」と言うしかない。せいぜい施設で抗生剤の点滴するとか、脱水の治療するとか、範囲は極めて狭い。だって施設ですもの。
そてでもだ。
以前勤めていた施設でも起こった現象だが、ただご家族や本人の「ここで出来ることだけやってよ。入院したくないよ。」というご意向の従っただけで、一年後に驚愕する結果が出る。
一年で亡くなったという人の数が前年の半分以下に減少するのだ。
施設は手足を縛ったりしないし面会も極力自由にして貰う。例え家族がいない方でも職員との関係がある。普段と変わらない人間関係、自分の持ち物、その他諸々のその人らしくある所以が保たれるというのが大きいのだろう。
それなのに未だ病院信仰が強いのがよのなかであり、特に病院に従事し信じている人たちなのだろう。
家族の意向に沿っているだけでも魔女狩りのような目に遭うのが私のような人間だ。ご逝去をどうやって減らしてるのだ?!とか、経営難の病院からは諸悪の根源だと呪われる。
魔法じゃない。ただちゃんと人の話を聴いているというだけだ。そして、目に見えるものをきちんと見ているというだけだ。
少数派と書いたが前の職場でも今の施設でも、それを理解してくれたり、尊厳うを奪われて廃用症候群にされている人がいることに怒ってくれるボスがいる。
分かって貰えるのは嬉しい。
なので、私は廃用には傾かずに済んでいる。感謝。
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