スルーはさせない

休日の夜も深まった頃、施設長から電話が来た。

『聴いた？』が第一声だった。

『何を？』と返す私に『うわああ！Ohzaさんに報告すらしてないの？！』と、そこが彼女の激怒のポイントだったが。

とある人が大きな事故を起こした。例のケアマネだ。

私的には報告云々については、施設長か私のどちらかに報告してくれれば良いと普段から言っている。どちらかに報告すれば必ず片方にも数分で伝わるからだ。

しかし、事故の内容が酷すぎた。いったい全体どうしてそういうこと出来るの？と言う内容だったのだが、ずっと以前から注意していることが一つも改善していないので起こるべくして起こったとも言える。

『介護職員としてもダメだけどケアマネとしても問題なので、もう新しく募集かけて下さいよ。』とまで言ったのがつい先日のことだった。

私が施設長の立場ならすぐにそこを何とかすると思うのだけど、いかんせん、ここは彼女の施設。そう簡単にはいかないのだろう、何故かはわからんけど。

そこに来て起こった今回の事故。

週が明けたら普通に聞き取りをしなければならないので、やることはやるのだが、意味がないかも知れない。何せ軽くサイコパスだから。

さらに凄いのは、私や施設長に報告する前に家族に電話をして丸め込んでいるところ。
恐ろしい。

サイコパスのヒューマンエラーは治らない。成長もしないし、どうにかして自分を守り切り抜けることしか考えないだろう。

色んな人間が居る。色んな危険がある。現実とはドラマのようにいかない。だから、そこを心してかからなければならない。二度と利用者さんに迷惑がかからないように。

いつもの悪い私の本音が呟く。『面倒！』と。でも、やらねばならない。それが仕事だ。