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『Platform』Vol.1での撮影 ~リアルフォト編~

 バーチャルフォトグラファーのみくにきです。「バーチャル」と付くということは、「リアル」では撮らないのでしょうか。いえ、リアルでもちょいちょい撮ったりします。と言っても、カメラを買ったのは去年の秋に入ってから(具体的には、9月頃だったと思います)なので、それまではスマホでの撮影しか手段がありませんでした。そう、つまり8月に発行された本誌の表紙も……。
 VRChat編Cluster編NeosVR編と、バーチャルフォトの話を立て続けにしてきましたが、今回は「リアルフォト」編ということで、カメラを持たないカメラマンが「表紙」という重大な責任に立ち向かったドキュメンタリーです。嘘ですそんな大それたモンじゃないです。持ちうる手札で出来るだけのことを尽くした話なので、緩く見ていってください。

表紙|メタバース旅行雑誌『Platform』Vol.1

 語り始める前に、↓の写真を見てください。

かき氷ミニ

 かき氷です。宇治抹茶の練乳と小倉あんトッピングにしました。おいしかったです。
 ふざけてる訳ではなくて、今回のスタジオです。大盛りで人気の某喫茶店で撮ってきました。勿論ピークタイムは外して、地元の学生やらサラリーマンやらが、パソコンとにらめっこをしながら居座ってる中に紛れて、隅っこのほうでコソコソ撮ってきた訳ですが。
 順を追って話すと、まず「テーマに合った表紙用の写真を用意する必要がある」という話題が会議の中で出てきて、詳細は省きますが、案出しなどをしていく中で「素人が撮るよりカメラマンに任せたほうが良いのでは?」となり、(わたしもプロになったつもりは毛頭無いのですが)それとなく良さげな写真を撮ってくることになったのが事の発端。
 話の中で「バーチャルとリアルの掛け合わせで、テーマの象徴である“本”と、2つを繋ぐ役割である“HMD”を写した写真など良いのではないか」という案は出ていたので、HMDについては、自分が使っている「Quest2」がある(ちょうど壊れた部品を交換して、見た目も綺麗になったタイミングだった)。本については、装丁が綺麗な物を図書館で探してこよう。ということで、後書きにも書いた通り、十数年ぶりに図書館へ行くことになりました。

ボツ写真1

 この時点では「撮影をどこでするか?」はまだ考えておらず、あわよくば図書館の中で撮影させてもらえれば、背景に困らないなーなどと考えていたのですが、受付のおねえさん(社交辞令)に確認を取ったところ、残念ながら館内の撮影はNG。それはまぁしょうがないということで、他に撮影に使えそうな場所がないか考えつつ、目的の本を探すことに。
 とはいえ、何千、何万冊とある本の中から、どの本を採用するかを考えるのは、まず探し当てるだけでも何日かかるか分からない。生憎、そう毎日毎日と通い詰められるほど、図書館は近所という訳でもなく、時間も無いため、まずは目星を付けることにした。
 そこで頭に浮かんだのは、バーチャル世界に図書館のワールドを作成しているフレンドの一人。氏が「不思議の国のアリス」を愛読していることは以前から承知しており、そのことは本誌の作成に携わっている間も、頻繁に脳裏をよぎっていた。検索機に本のタイトルを入力すると、出てくる出てくる、同じ作品でも10冊くらい。いろんな出版社から、いろんな人が翻訳した「不思議の国のアリス」の書籍が、児童書コーナーやら洋書コーナーやらに散在したので、それらをひとつずつ確認して回る。
 そして見つけた一冊。図書館に置かれている物は、物自体がかなり古いのもあるが(1987年に発行されたものみたいです)、多くの人に読まれたことによる使用感があり、識別シールが貼られていることからも撮影には不向きと判断し、ネット通販で出版社名を入れて検索すると、美品が見つかったのでそちらを購入。撮影をどこでするか……については、結局良い方法が見つからなかったので、最終手段と思っていた、某喫茶店で決行することになった。

看板スイーツ(ミニ)とアイスレモンティー

 という訳で撮影2日目です。初日は窓際の席に座ったのですが、背景がうるさくなってしまうのと、逆光で見せたいものが見えなくなってしまうのが嫌だったので、2日目は窓のない席に座りました。そして看板メニューのドリンクセットを注文。諸般の事情で正式名称が思い出せないという「てい」ですが、たぶんモノクロームとかそんな感じの名前だったと思います。おいしかったです。

ボツ写真2

 それなりに時間をかけて選んだ本ですが、背表紙の装丁が綺麗でお気に入りなので、なるべく背表紙を見せたいと思いながら撮っていました。

ボツ写真3

 HMDではなく、コントローラーを見せようかと思って撮った写真。コントローラー単体だと役者不足だったのと、あまりに「本」が主役過ぎたのでボツになりました。

ボツ写真4

 バーチャルの「手」で本を読み進めるイメージで。本の中身を見せてるのはあんまり宜しくないかもしれないな、と思ったのでボツになりました。

ボツ写真5

 HMDをチラ見せしつつ、「手」でこれから本を開こうか、という写真。割と正統派ですが、「見せたかった背表紙が写ってないじゃん!」と気づいたのでボツです。

採用した写真

 初日はあまり良い写真が撮れなかったのですが、2日目はああでもない、こうでもない、と色々試しながら十数パターンを撮影して、最終的に決定したのがこちらの写真でした。撮って出しだとQuest2の白が暗い感じに写っているので、レタッチで色味を調整したもの(一番最初の画像)が実際の表紙になっています。

レタッチのパターン違い

 最後にフォルダの中に「なぜか」入っていた別バージョンを置いておきます。全く雰囲気が変わっているという訳でもなく、なんだかノイジーでレタッチに失敗したみたいなやつですが、折角なので供養しておきましょう。
 ということで、以上がわたしが『Platform』Vol.1で担当した範囲と、それにまつわるお話でした。楽しんで頂けたならこれ幸いです。
 本誌Vol.2以降もバーチャルフォトを担当していますので、そちらのお話もまた近いうちに出来ればと思います。
 それでは、また次回。

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