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『Platform』Vol.1での撮影 ~Cluster編~

 バーチャルフォトグラファーのみくにきです。「分かりやすい肩書きがあったほうが良いだろう」ということでこう名乗っていますが、時たま「メタバース写真家」だとか「電脳カメラマン」だとか、はたまた「バチャグラファー」だとか、違った呼び方をすることがあります。けれどやっていることには変わりないので、つまるところ「VRで写真を撮って、それを投稿している人」です。
 前回に引き続き、今回は「Cluster」で撮った写真の中から、本誌のVol.1にて掲載された物の裏話や、掲載されなかった写真の紹介等をしていきたいと思います。ゆっくりしていってね。

図書Bar『Puella』|Cluster

 まずClusterというプラットフォームに関してですが、わたしとしては、本誌の企画で初めてログインさせて頂きました。存在自体は以前から伺っていましたし、周りに「Clusterで〇〇しました!」と報告しているユーザーの方も確認はしていたのですが、「自身が体験する」というもう一歩を踏み込むためには、あとひとつキッカケが足りなかったのです。
 そんな中、本誌に撮影担当として参加することになり、説明の中で「VRChatだけでなく、ClusterやNeosVR、リアルワールドさえもひとつのプラットフォームという解釈をして、それぞれを共通のテーマで紹介する」というコンセプトを聞き、これも良い機会だと思い、最後の一歩を踏み出すことが出来た。というのが事の経緯だったりします。

本の置かれたテーブル

 Clusterでの撮影ですが、個人的にはとても難しかったです。プラットフォーム毎にカメラの取り回しが違ってくる、というのは勿論ですが、一番大きな差は「アスペクト比」でした。わたしはこのnote以外にも、個人としてFANBOXに、写真撮影の技術面に関する記事を書いているのですが(無料公開中。よかったら探してみてください)、そちらで最初の記事が「アスペクト比の話」だったくらいに、撮影において写真の印象を大きく左右する要素だと思っているので。
 結論から言うと、(今はアプデされてるらしいので、仕様変更が入ってるかもしれませんが。少なくとも撮影当時は)Clusterの写真は4:3で撮影されます。十数年前に世間が「地デジ化」などと騒いでいた頃、ブラウン管テレビの画面上端に「アナログ」と片仮名4文字が表示されていた頃の画面比率と同じです。他だとプレステ2のゲーム画面とかでしょうか。今でもプレステ2やってる人って居ますか? うちでは去年まで現役でした。
 閑話休題。他のプラットフォームであるVRChatやNeosVRでは、撮った写真のアスペクト比は16:9になっています。読者の皆さんも、スマホで写真を撮る時など、多くの人はこの比率なのではないでしょうか。パソコンのモニターなんかもそうですよね。他にも色んな比率がありますが、ここでの説明は割愛させて頂くとして、わたし自身も16:9という比率に慣れてしまっている部分があり、Clusterではこの仕様が違っている、という事実が、「操作に慣れない」とか「フォーカスが弄れない」とか、他の不満が些末に感じられるほど、大きな課題になっていました。

テーブルを上から見た図

 それでもやはり、まずは挑戦してみること。ということで、エッセイに書かれていたワールド、図書Bar『Puella』に向かうことに(またまた余談ですが、いまだに「Puella」の正しい読み方が分かっていません。誰か教えてください)。本文を読んで頂いた方には伝わるかなと思うのですが、文中にて「囲む」といった表現がよく使われており、実際にワールドに行ってみても、曲線がかった配置が目立つ場所だなと感じました。そのため撮影する際にも「円」を意識するように心がけて、丸い形状、カーブなどを見つけたら撮る、という感じでふらふらと歩いて回り、気づけば上に書いた「アスペクト比が違う」といった問題も忘れて、夢中になって撮影に没頭していました。やっぱり撮影って楽しいんですよ、うん。

入口横のオブジェから覗いた世界

 中でもメンバーに人気だったのは、入口横にある、輪っかが連なったような形状のオブジェから覗き込んだ風景の写真。本誌では写真自体を丸く切り抜いた状態で掲載してもらい、より撮影のコンセプトが伝わりやすいようにしてもらえたのではないかと思っています。

隠し部屋……?

 諸般の事情でClusterのほうには全くログインできていないのですが、また機会を見つけて遊びに行きたいと思っています。VRChatには無い面白そうなワールドとかもあるんですよね。ただ、あまりに情報が不足しているので、Cluster関係に詳しい方は情報を下さい。(たぶん)メンバー一同、お待ちしています。
 次回、NeosVR編に続く。

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