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福岡で 現代アート&メディアアートを めぐる旅。

先日、福岡(福岡市周辺)を訪問し、美術館の企画展とは別に、さまざまな現代アート・メディアアートに出会えました。今回巡った中から行って良かった場所 & 今回は訪問しそびれて次回は巡りたい場所を、個人の旅行記録と、覚え書きも含めてまとめました。

常設で、長い期間観ることができる作品を中心にご紹介します。


▍福岡市

・ナムジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》(キャナルシティ博多)

今回、友人に教えてもらって訪問したこちらの作品は、福岡訪問の中でも特に印象的な作品でした。

ナムジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》

福岡の有名なショッピングセンター、キャナルシティにあるこの作品は、ビデオアートの先駆者、ナムジュン・パイクの手掛けたもの。合計180台のブラウン管モニターが配置され、時折異なる映像を、またある時は一つの大画面のように映像を映し出します。その映像は、高尚なイメージから世俗的なイメージまで。

ナムジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》
目線の高さのフロアからも、下から見上げて鑑賞することもできます。

パイクの作品としては日本最大級の作品だそう。ブラウン管モニターの故障が増え、2019年に一度停止。2021年10月に修復・公開されました。

ナムジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》
消灯していてもこれだけモニターが並ぶのは迫力がありますね。

これまでナムジュン・パイクの作品は、私は小さなモニターや、動作しない状態でしか見たことがなく、巨大な作品が動いた状態でみられる貴重な機会でした。放映は1日3回されておりますので、ぜひ時間を合わせて訪れてみてください。なお、キャナルシティは噴水ショーもとても素敵でした。
(放映時間:12:00~13:00、15:00~16:00、18:00~19:00)

・ヤノベケンジ 《SHIP’S CAT》(WeBase博多)

「博多座」や「福岡アジア美術館」などのある中洲川端駅の近くにあるホステル「WeBase博多」のエントランスには、現代美術作家・ヤノベケンジさんによる、巨大な猫のオブジェ《SHIP’S CAT》が展示されています。身体の半分は屋外にあるので、通りから観ることもできて、インパクトが強いですね。

ヤノベケンジ 《SHIP’S CAT》

《SHIP’S CAT》は昔から船旅などで人間と共に世界中を旅してきた「旅の守り神」でもある猫をモチーフとした作品。大阪の中之島美術館をはじめ、その巨大なオブジェは国内外に設置されています。建物の丸窓も、船のようで作品とあっていますね。

ヤノベケンジ 《SHIP’S CAT》

なお、こちらでは館内にもヤノベケンジさん直筆のイラストが所々に描かれているそう。残念ながら今回は宿泊できませんでしたが、次回は宿泊して中の作品も観てみたいと思います。

・チームラボフォレスト 福岡 (BOSS E・ZO FUKUOKA 5F)

チームラボフォレスト 福岡 「捕まえて集める森」ゾーン

福岡PayPayドームのすぐ隣にある、アートコレクティブ「チームラボ」の魅力を存分に体験できる施設です。

チームラボフォレスト 福岡 「捕まえて集める森」ゾーン

スマートフォンで映像の動物たちをキャッチできる「捕まえて集める森」と、アスレチック的な要素と映像が融合した「運動の森」の2つのゾーンから成り立っています。ゾーン間は自由に移動できるので、お気に入りの作品を何度でも体験できますよ。

チームラボフォレスト 福岡 「運動の森」ゾーン

訪れる時間帯によっても楽しみ方が変わるのも面白いところ。人が少ない時間は、映像の美しさをじっくり楽しめます。一方、インタラクティブな作品なので、人が多い時間に、ダイナミックに変化する映像を体験するのも楽しいです。

チームラボフォレスト 福岡 「運動の森」ゾーン

▍大宰府市

・大宰府天満宮 仮殿  (デザイン・設計:藤本壮介建築設計事務所)

博多から少し足を伸ばして、大宰府天満宮へ。こちらの重要文化財である「御本殿」は、約3年をかけ、124年ぶりの大改修を行っています。

大宰府天満宮 仮殿  (デザイン・設計:藤本壮介建築設計事務所)

その大改修の間に設置されているのが、こちらの特別な「仮殿」。デザイン・設計を担当したのは、国内外で活躍する建築家であり、SHIROIYA(白井屋ホテル)再生計画やユニクロ パーク横浜ベイサイド店のデザイン監修などでも有名な藤本壮介さんの率いる藤本壮介建築設計事務所。

大宰府天満宮 仮殿
遠くから観てもインパクトがありますが、一方で周囲の森にも溶け込むようです。

屋根の上に多くの植物が植樹され、建築そのものは黒を基調とし、美しい曲線で構成されつつも、モダンでシンプルなつくりとなっています。遠くから観ても印象的な建物でありつつも、周囲の森の延長線上にあるように環境に溶け込んだ建物です。

大宰府天満宮 仮殿
お賽銭箱などもこの屋根のカーブと合っていてとてもモダンな印象です

ご本殿の改修工事は2026年頃に完了予定のことなので、それまでの期間限定のよう。今回、わたしは福岡の友人におすすめしてもらって伺いましたが、ぜひ、ちょっと足を伸ばして観たい建築です。

・太宰府天満宮 境内美術館

太宰府天満宮の宝物殿では、道真公由来の宝物のほか、現代アートの企画展を実施しています。

《ひとつの中心のその中心》/ ローレンス・ウィナー
境内に設置された作品のひとつ。3箇所の地面に描かれています。

さらに、「歴史と未来が出会う「広場」としての神社の役割と、文化の守り手として、100年、1000年先の未来を見据えた太宰府天満宮の姿勢を、世界に向けて具体的に示すもの」としたアートプログラムを展開。2006年からは、アーティストが太宰府での取材・滞在を経て制作した作品を発表する「太宰府天満宮アートプログラム」を実施しています。

大宰府天満宮の境内

このアートプログラムで発表された作品の中には、恒久設置されたものもあり、「境内美術館」として、境内のさまざまな場所に展示されています。

わたしは当日、ローレンス・ウィナーの作品しか見つけられなかったのですが、ほかにも、ライアン・ガンダーや、ピエール・ユイグ、サイモン・フジワラらの作品が常設されているようで、下記のページに地図でまとめられていました。次回はぜひすべて巡って観たいです。

・スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店 (隈研吾建築都市設計事務所)

こちらも建築ですが。大宰府天満宮の表参道には、隈研吾さん率いる隈研吾建築都市設計事務所の手掛けたスターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店も。約2,000本の檜材が、釘を使わずに組み上げられているそう。落ち着いた雰囲気のぬくもりのある空間ですね。

ちなみに、朝9時頃に伺ってもすでに混んでいたので中には入れませんでした。web上でみると、内装や什器も建物にあった雰囲気に設えられているようです。

▍もちろん美術館も

企画展によって展示内容は異なりますが、福岡市内には美術館も多数ありますね。

今回わたしが訪問したのは「福岡アジア美術館」。アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する世界に唯一の美術館で、天神ちかくのビルの7,8階という立地にあり、行きやすかったです。

今回、福岡アジア美術館には、企画展で岩井俊雄さんの《映像装置としてのピアノ》(1995年作品の再制作)を観に伺いました。

私は未訪問ですが、草間彌生さんの南瓜のオブジェのある福岡市美術館や、福岡県立美術館など。

福岡市美術館では、2023年9月9日(土)〜11月12日(日)には、「日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」を開催。こちらも面白そうです。

また、今回訪問した大宰府天満宮近くの「九州国立博物館」は建物が菊竹清訓建築で、広大な博物館でありつつ、周囲の山の景色に溶け込むようなようすが印象的でした。

九州国立博物館 (総括:菊竹清訓 設計:菊竹・久米設計共同体(菊竹清訓建築設計事務所 久米設計)) 今回は外観と無料ゾーンのみ観覧しました。

わたし自身、まだ訪問してみたい場所が多数。気になる場所があれば是非、訪問してみてくださいね。

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