正社員として海外フルタイムリモートワークを始めましたPart2/3 〜雇用契約関連〜
この度、海外に滞在をしながらリモートワークをすることになりました。
詳細は「正社員として海外フルタイムリモートワークを始めましたPart1/3 〜海外リモートワークを始めるまで〜」をご覧ください。
今回は、渡航が決まってから実際に現地に行くまで、社内外で準備したことについて紹介できればと思います。
何処の国に、どのくらい滞在するのか
諸々の手続きを始めるにあたって、一番重要なのが何処の国に、どのくらいの期間滞在するかでした。
それにより、日本の「居住者」なのか「非居住者」なのかで、日本に税金を納めるのか、滞在国に税金を納めるのかが変わってきます。
私の場合は以下の前提で話を進めました
・滞在国:カナダ
・滞在期間:1年以上、日本の非居住者
・収入は日本からのみ
税金について
まず、源泉所得税と住民税についてです。
2021年の所得に対する住民税は、毎年1月1日時点で住んでいる場所に納税義務があるため、2022年の途中で海外渡航をしている場合、2023年5月まで支払い義務があります。
ただ、2022年の所得に対する住民税は2023年1月1日時点で国内には非居住となるため支払いがありません。
源泉所得税については、渡航前の最後の給与で年末調整をし、日本での精算を終わらせました。それ以降の給与から源泉徴収はされません。
1年以上渡航する場合、日本の「非居住者」に該当します。海外に居住し仕事する場合、日本から給与が発生していても、支払うのは滞在している国になります。(滞在国が日本と租税条約を締結している場合)
参考リンク:業務の都合により1年未満で帰国したり、海外勤務が1年以上となった場合の居住者・非居住者の判定|国税庁 (nta.go.jp)
カナダと日本は租税条約を締結しているため、私の場合は来年カナダで税務申告(タックスリターン)をする必要があります。
社会保険について
社会保険(健康保険・厚生年金)については、非居住者でも、会社の勤務条件・雇用契約によって加入の有無が変わるとのことでした。弊社の場合は、社会保険は継続のままとなりました。
健康保険
海外で暮らすにあたり、医療費や保険制度は日本とは大きく変わります。
私は、社会保険に加入したまま渡航するため、日本の健康保険も継続したままです。健康保険料は海外在中でも国内勤務でも同様に標準報酬月額によって決定されるので、健康保険料は変わりません。
日本の健康保険に入っている場合、海外で病院にかかった時でも、一旦は全額自己負担になりますが、後に医療費の給付を受けることができます。ただ、上記の場合でも給付されるのは日本基準の医療費のみです。
なので、長期滞在する場合は現地の保険か、日本の海外旅行保険に合わせて入るのが必須になってきます。
また、日本で受けることができる給付金(療養費、傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金など)も国内在住者と同様に申請すると給付が可能だそうです。
厚生年金
厚生年金も継続したままになります。
会社と折半で、年金を払うことができるのは、メリットかと思います。
労働保険について
労災保険・雇用保険については、勤務地が国内であろうと海外であろうと変わりは無く、国内同様に労災の適用は事案ごとに判断されます。失業時の雇用保険の給付を受けるにはハローワークへ来所して求職活動の手続き等が必要になるそうです。
終わりに
自己都合による海外への引っ越しは、まだまだ珍しいケースであり、諸々の監督官庁での見解にもばらつきがありました。そのため、実際に何か起きた場合、その都度、監督官庁に相談になるかと思います。
今回、こちらの記事を掲載するにあたり、弊社の顧問の先生方、総務の方に多大なご協力をいただきました。ここに感謝の意を述べさせていただきます。
次回は、渡航が決まってからの会社内での準備について、詳しく掘り下げられればと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?