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ふかふか雪ベッドのふかうら雪人参。行ったその日は・・・。<収穫編とインタビュー①>

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はい晴天でした。しかも積雪もなし。

吹雪の中の人参堀り現場に行くのだと予定していたのに、諸事情により3月に。予想を裏切るまさかの晴れ間が続く穏やかな日々。当日の朝も良い天気。2時間半の運転には好都合だがやはり「雪人参」に雪がないのは不都合な真実だった。

でも。
結論から言うと、大きな趣旨に対しては都合がよかった。「旅ノ芽」が生えました。もちろん「雪人参」をきちんと伝えるには失格であり先にお詫び申し上げます。

そこで読んで頂いている方へはぜひ妄想力を発揮して欲しいのです。旅ノ芽生えについては<その2>以降でお伝えします。

まず「ふかうら雪人参」のことは知っていますか?

初めて聞いた、という方は、ぜひ先にこちらをチャチャっと見てください。そうしないと今回の風景と本来のその姿には、文字通り雲泥の差が。

ふだんスーパーで買うにんじんとの違い、そして「雪」にんじんにも色々あることを知ったのは私も最近です。

次は本来取材すべきシーン、こちらを脳裏に焼き付けてください。

※写真提供:深浦町食産業振興公社

収穫風景3

土に抱かれ雪のベッドで眠る「雪人参」は極寒の中、12月〜3月のあいだに人力で掘り上げられます。この時に行くべきなのです。はい。

今回伺ったのは2021年3月9日。例年この時期は収穫ギリギリ最終段階。にしても全く雪がなかった。土と(少し強めの)爽やかな風と太陽。

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おかげで収穫されてる方と会話ができた(吹雪だとままならない)し「土」の良さを見てとれた。とても静かな収穫の様子と風の風景。土の香りがしそうです。

青天の舮作(へなし)

ふかうら雪人参はいかにして世に出されるか?
「“ちがい”をぜひ知ってほしい」深浦町食産業振興公社の小林 一之さんにインタビュー①

(一財)深浦町食産業振興公社
深浦町と連携した地域6次産業化の拠点。添加物を使わず雪人参のほか地域農水産物を活用した加工品の製造・販売を行う。

舮作興農組合の農場へも自らアテンドする小林 一之さん(販売管理主任)にお話しを伺いました。今回もお忙しいなか、ご対応いただきました。

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ふかうら雪人参、他の人参との違いはどこにあるのか。

-----------雪人参、すぐに完売するほど大人気と聞きました。状況はいかがですか?

小林さん
有難いのですが、まだまだごく一部からです。他の地域ではそれほど知られていない状況ですね。
「深浦」自体もですが、「雪人参」は新潟県の「雪下にんじん」や山形県、北海道にも色々あって、混同されてしまうんです。 栽培方法も全て違うですけどね。

-----------確かにそれぞれの情報を読んでも気候と環境以外は、同じように感じてしまいました。決定的な違いを教えてもらえますか?

小林さん
通常の人参は秋に収穫しますよね。ふかうら雪人参は、雪が降り積もるまで放置しておくんです。土の中で眠らせて、積雪が十分になった後に掘り上げるんです。他のところは、秋に一度収穫した人参を改めて雪の下に埋める。この方法が多いと思います。雪室ですね。

-----------他はいったん掘り上げるんですね。人参に限らず「雪室」ってそうですもんね。

小林さん
そうなんです。それですと一度掘り上げるために、生育が一度ストップしてしまい、そのあとに雪の下に埋めると糖度だけが上げると言う点が大きな違いですね。

-----------それは、先ほどお聞きした山形や新潟もですか?

小林さん
収穫方法の細かい点までは分かりませんが、雪の下の土から掘り上げるのは数少ないです。新潟県の津南地方の人参も同じような方法なんですけれども、栄養価を比較してみたら深浦の人参の方が栄養価が高かった。ビタミンAは、他と比べて1.2倍から1.5倍ぐらいあるんです。

土からの栄養を吸い上げた状態で、なおかつ寒さに負けないように糖度を上げる。栄養価も糖度も高いのが「ふかうら雪人参」ですね。

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-----------それはすごい!やっぱり土なんですね。でも、そうしたことが分かっていながら他の所がやらないのは、やっぱり大変だからですか?

小林さん
それもありますが、傷み始めるのが早いんです。

----------長持ちしないと。。。 それは、糖度が高いとそうなるんですか?

小林さん
そうなんですよ。 「雪室」の場合は糖度が高いだけですけど、雪の下、土の中で眠らせておく場合は栄養価も上がり、その分とても傷みやすいんです。

----------なるほど!果物で言うとジュクジュクの完熟状態ってことですね。

小林さん
そうですね(笑)今だと熟しすぎ。3月に収穫している人参は、1月のと比べると素人目にみても全然違う。最初は普通の人参に近いような、表面に少し粉が吹いている状態だけれど、今のはミカンが熟したような色になります。

----------確かにすごい鮮やかなオレンジ色でした。 集荷場の中も見せてもらったんですが 色が濃かったです。

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小林さん
そうですね。今の時期はもうかなり日持ちがしなくなってきています。

----------先ほど某メーカーさんのトラックが来てましたが、すぐジュースにするからその場合は適してるって事ですね。スープにするのもそういうことなんですね。理解が深まりました。 単に規格外を加工品にしてるって事ではないんですね。

あぁ、1月に来た時に撮影しておくんだった! 比較できましたね。帰りも買ったのに考えが足りない私・・。

小林さん
(笑)そう、全然違いますよ。皮も 1月のはさらっとしていて触った感じも違って。今の時期のは、こするとキュッキュとなるような艶が出てくる状態です。

----------- お話しを聞いて、他との違いがよくわかりました。1月にも来るべしというのも・・・。
<インタビュー②へ続く>

まとめ

普通の人参は長持ちして使いやすい。逆に日持ちはあまりしないけど栄養価・甘さがすごいのが「ふかうら雪人参」。

生の人参は年間通して、季節を感じるように使い分けをすると生活が豊かになると思いました。「ふかうら雪人参」は3月で終了。他の時期にその味が忘れられない場合は加工品で入手可能です。


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