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ガンクミジカ/ナガイモ【青森県南部地方】

※見出し画像は『草木六部耕種法3巻』佐藤信淵(江戸時代後期)パブリックドメイン/国文学研究資料館撮影/味の素食の文化センター蔵

▼正しい画
(画像はイメージです。「ヤマノイモ」としか確認できてないのでナガイモではないかも)

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<一般的な植物・作物の基本情報>
【ナガイモ】長芋
学名:Dioscorea polystachya
英名:Chinese yam
ヤマノイモ科ヤマノイモ属 蔓性
原産国:中国とされているが不明
主な生産地:北海道、青森県、長野県
収穫時期:春堀、秋堀

奈良県などのツクネイモ、関東等で流通するイチョウイモは、ナガイモの品種であるが、同じヤマノイモ科の「ヤマノイモ(自然薯)」とは別種。
北海道幕別町ではヒゲ根のない品種「和稔(わねん)じょ」が特産。

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<基本情報>

肥大した根茎を食用とし、芋類の中では珍しく生食にする。
わき芽が肥大化した「ムカゴ」と呼ばれる部分も食用となる。
乾燥させた根茎は山薬(さんやく)と呼ばれる生薬で漢方として使用されている。

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<主な栄養成分・フィトケミカル>

「レジスタントスターチ」と呼ばれる難消化性でんぷん(分解・吸収されにくい性質のでん粉)が豊富に含まれており腸内環境をよくするなど注目されている。

消化酵素アミラーゼは大根よりも多く含まれている。
タンパク質成分の「ディオスコリンA」は少量でも抗インフルエンザウイルス活性があり、同じくタンパク質の「レクチン」は免疫機能を増強、活性化する働きがあり研究が進められている。

他にはビタミンB1が豊富で、カリウム、ミネラルも多く含まれる。粘りの元はペクチン性多糖類。
※「ムチン」と表記されていることが多いが動物性粘質由来のようでまだ調べが必要。(追記:mucine→動物由来、mucilage→植物由来)

皮を剥くと皮膚かゆくなるのは、シュウ酸カルシウムの結晶が細かくなり刺さるため。酢につけると改善される。

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<青森県では>

青森県では4割以上の収穫量、北海道と合わせて8割以上を占める。現在流通される主な品種は「ガンクミジカ」。青森県の在来種由来とされています。(ガンク=首)青森県の東側、南部地区(東北町、十和田市、三沢市など)が主な産地。七戸町(しちのへまち)がナガイモ栽培の発祥の地としているが藩政時代からとしかわかっていない模様(長野、新潟も栽培歴史あり)。

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