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宮沢りえを見る価値あり。でもそれだけじゃない選挙コメディ『決戦は日曜日』 2022年1月20日(木)

Twitterの良いところは信頼できる筋をフォローさえ出来れば、有益な情報を手に入れることができるところだろう。
自分にとっては映画やドラマなどの情報はほぼTwitterのフォローさせていただいている諸氏から手に入れていると言っても過言ではない。
そのようにしてこの『決戦は日曜日』も面白い政治コメディだということを知り、観に行った。

窪田正孝と宮沢りえが初共演し、ことなかれ主義の議員秘書と熱意が空回りしてばかりの新人候補者による選挙活動の行方をシニカルに描いた社会派コメディ。とある地方都市。地域に強い地盤を持つ衆議院議員・川島昌平の事務所で私設秘書として働く谷村勉は、川島のサポートに徹する仕事に満足していた。ところが、衆議院解散のタイミングで川島が病に倒れてしまう。次の選挙で川島の地盤を引き継いで出馬することになったのは、川島の娘・有美だった。世間知らずで自由奔放だが熱意だけはある有美に振り回されながらも、彼女を当選に導くべく奔走する谷村だったが……。監督・脚本は「東京ウィンドオーケストラ」「ピンカートンに会いにいく」の坂下雄一郎。

前半の選挙あるあるをコメディにしたあたりは有り体に言えば想定内の笑いを誘うのだが、宮沢りえがとにかくパンチがあって素晴らしい。
正直テレビであまり宮沢りえを見る機会がないため忘れがちだけど、半端なく美しいのだ。
宮沢りえを大きなスクリーンで見ることの出来る幸せを味わえるだけで、映画料金の元は取れる。(断言!)

映画の後半はコメディが笑えない状況になっていく。
この映画で我々日本の国民ははっきりいって愚弄な市民として描かれている。とことん、コケにされている。笑っていられない。

そう、これが現実に近いのだろう。

恐ろしくて背筋が寒くなる。
劇中、地方議員が地元企業と繋がっており利益誘導していることや県議や市議がやけに権力を持っている様が描かれている。
それがリアルに感じるのは、最近でも新潟で裏金を要求されたと衆議院議員が地元の自民党支部長を告発したニュースをやっていたが、この支部長も県議で、まんま映画の中とおんなじような構造なのだ。

このように結構突っ込んだ現代ニッポンの地方都市の政治と地元企業の癒着具合や選挙のリアリズムを描いていて、なかなか興味深い映画になっているのだ。

もちろん、先に挙げた宮沢りえの美しさに加え、こんな感じの女性って居そうだなという絶妙のおかしさ、窪田正孝演じる秘書の低温感ある佇まいなど見どころは多い。

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