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一度は観てほしい...世界の名作・傑作SFアニメ映画[4選+α]

こんばんは ぷらねったです
日本のアニメとは違った雰囲気で 独特の魅力あふれる 海外で生まれたSFアニメ映画たち
今回は「一度は観てほしい...世界の名作・傑作SFアニメ映画」というテーマで そんなSF映画を4つと 番外編として1つの作品を紹介していきます


1.ヘヴィメタル (1981年)

監督は ジェラルド・ポッタートン
プロローグ そして7つの短編で構成された カナダの不思議なSFアニメ映画です

製作費は 930万ドル
本作品では 1968年に公開されたビートルズのアニメ映画『イエロー・サブマリン』でアニメーターをつとめた ジェラルド・ポッタートンが監督をつとめました
プロデューサーをつとめたのは『ゴーストバスターズ』で知られるアイヴァン・ライトマンと 本作品の基になったSFファンタジー雑誌『HEAVY METAL』の立ち上げ人である レナード・モーゲルです


この『HEAVY METAL』という雑誌は 偉大なるバンドデシネ作家であるメビウスらによって創作された『Métal Hurlant ※メタル・ユルラン』というフランスの雑誌を英訳したものです
『Métal Hurlant ※メタル・ユルラン』には 創刊者のひとりであるメビウスはもちろん アレハンドロ・ホドロフスキーやエンキ・ビラルなど 後に広く知られることになるような人物も寄稿していました
この雑誌のジャンルとしては SF/ダークファンタジー/スチームパンク/エロティカなどを扱っており かなりアダルトな内容が特徴です
そんな雑誌を基に制作された本作品には 必然的にヌードシーンが大量に登場します

プロローグと7話で構成された今作において 全体を通した分かりやすいストーリーなどはありませんが それぞれ悪をテーマにしたような内容になっていて 欲に眩んだ人々の末路を描くエピソードが多いです
それぞれの物語をつなぐ要素としては 悪意を具現化したような緑色に輝く謎の球体"ロック・ナー"が存在し これに翻弄される人々というテーマがあります

それぞれの短編に別々のスタッフが関わっているため 作風はエピソードによって異なり さまざまな味わい深いデザインを観ることができます
例えばダン・オバノンが脚本した原作を基にしたプロローグ『Soft Landing』では 宇宙を走る自動車が描かれていたり メビウスの原作に基づいた『Harry Canyon』では 近未来の荒廃したディストピア社会でたくましく生き抜くタクシー運転手が登場したり...どの世界観も個性に溢れていて ものすごく魅力的です
舞台設定もバラバラであり 社会状況の説明などもほとんどありませんが 入念に書き込まれた絵からは 作品のもつ世界の姿が浮かび上がってきます
一部シーンではロトスコープの手法も使われているため 実写での撮影も行われました

本来はプロローグと7話以外に『Neverwhere Land』というチャプターが存在しましたが これは尺の問題で泣く泣く本編からは削除されてしまい DVD版では特典映像として収録されています
また『スペースボール』などにも出演したジョン・キャンディが 複数の役で声優をつとめています

当初の脚本ではメビウスの原作『アルザック』を軸にした映画という構想でしたが メビウスがキャラクターの使用を拒否したため オリジナル要素を加えて構成することになったそうです
全体としてはとにかくバラエティーに富んだ内容なので クセの強い作品です
しかしそれぞれ個性に溢れていて アート志向な内容こそが強い魅力となっているので ハマる方にとってはたまらない とても豪華な内容になっています

そんな本作品では 独特のデザインや物語だけでなく 音楽も大きな特徴です
『ヘヴィメタル』というタイトル通り ヘビメタばかり使われているのかと思いきや そんなことはありません
ブラック・サバス, チープ・トリック, ディーヴォ, ジャーニーなど 人気バンドの曲が各話で使用されており ハードロック調の曲が多い印象です
このように多数のバンドが関わったことなどを理由に権利問題が難航し サウンドトラックのLPは1981年に発売がされましたが CD発売までに15年ほど掛かっています

ちなみに 2018年にイーロン・マスクのテスラ社の車 ロードスターが"宇宙を走った"ことが話題になりましたが これは本作品のプロローグ『Soft Landing』で描かれる 車が宇宙を走行するシーンに影響されたのではないか...とされています
このプロローグだけでもとにかく素晴らしく おそろしくかっこいい映像なので ぜひチェックしてみてほしいです

少し意外なことに かなり攻めた内容の本作品は 930万ドルという製作費を大きく上回る2010万ドルを稼ぎ出し 興行的にも成功を収めています
なぜカナダで制作されたのかについては情報が見当たりませんでしたが おそらく以前クローネンバーグ監督の特集で紹介させていただいた『映画製作に投資することで その何倍もの金額を免税できる』という 当時のカナダに存在した狂った税制が関係しているのではないでしょうか

短編オムニバス作品とはいえ 各話の繋ぎはとてもさりげないものになっていて 油断すると切り替わりに気づかないほどなのでご注意ください
続編として 2000年の『ヘヴィメタル F.A.K.K. 2』が存在し これは別タイトルで『Heavy Metal ヘヴィメタル2000』という名前も付いています
また 2008年頃には「エイリアン3」のデヴィッド・フィンチャーをリーダーとして 本作品のリブート版の長編映画化企画が立ち上がりました
「デッドプール」のティム・ミラーも一部監督をつとめることが明かされましたが このプロジェクトはあまりに過激な内容のためにパラマウント・ピクチャーズからNGが出され 制作中止になりました
しかしその後も「HEAVY METAL」の発行人であったケビン・イーストマンによってリブート企画は水面下で継続されます
製作にはザック・スナイダー, ギレルモ・デル・トロ, ゴア・ヴァービンスキー, ジェームズ・キャメロンも参加していたそうで 予算も5000万ドルだったそうですが それでも興味を示す配給会社が現れないことなどによって実現に至りませんでした

そして実は Netflixで2019年から公開されているシリーズである「ラブ、デス&ロボット」は 10年以上実現しなかった前述のリブート版の構想を再構築したものです
過激でアダルトな内容は単なるセンセーショナルな表現ではなく この「HEAVY METAL」の精神性を受け継いだものと言えるでしょう
このシリーズは"Netflixが契約を更新する限り続く"ということになっているそうなので 引き続き注目していきたいです

少し逸れましたが...ハマる方にとっては宝物の詰め合わせとも言えるような さまざまなストーリーが凄いスピードで展開されていく アート志向の強い本作品
カナダで生まれた 大人向けな傑作SFアニメ映画となっています


2.ファンタスティック・プラネット (1973年)

監督は ルネ・ラルー
不気味な世界観で巨人族に支配される人々を描く フランス・チェコスロヴァキア合作のSFアニメーション映画です

舞台は宇宙のどこかにある 惑星イガム
ここでは巨大なドラーグ族が文明を支配し 小さなオム族は原始的な生活を強いられ 虫けらや ペットのように扱われる者もいました
しかし支配者側であるドラーグ族の中には オム族との共存を目指す穏健派もいます
そんな中 あるオム族の赤ん坊が 穏健派であるドラーグ族の家庭に拾われ 育てられ 知識を得ていく...というストーリーです

本作品は ステファン・ウルによる小説「オム族がいっぱい」を原作として製作された映画です
原題は「La Planète sauvage」であり これは"未開の惑星"のような意味を表します
作中では シュールな世界観の中で まるで虫のように扱われる小さな人類オム族と それを支配する巨大なドラーグ族の関わりが描かれます
惑星イガムに築かれた野蛮な文明を舞台に 奴隷制度と反乱を描いたような寓話的物語であり そんな中にも存在する 異なる民族間の友好関係もテーマになっています
SF設定を下敷きにした風刺的な内容は 1962年の「電子頭脳おばあさん」や 1968年の「猿の惑星」などの流れから生まれたのかもしれない...そう考えるとしっくりきます

音楽はフランスのジャズピアニストであるアラン・ゴラゲールが担当し メインテーマの曲については ピンクフロイドの牛が映ったジャケットで有名な「Atom Heart Mother」のタイトル曲との共通性が指摘されています

製作には5年ほど掛かったとされており これは1968年に ソ連によるチェコスロヴァキアへの軍事侵攻があったことが理由のひとつとされます
原画を担当したのは 同じくルネ・ラルー監督の短編アニメ「かたつむり」や「死んだ時間」も製作したローラン・トポールであり 本作品ではルネ・ラルーと共に脚本も担当しています


アニメーションについては 先ほども名前の出た「電子頭脳おばあさん」でも知られる プラハにあるイジー・トルンカ・スタジオが担当しており いわゆる切り紙アニメーション,カットアウトアニメーションの技法で制作されました
脚本の素晴らしさはもちろんですが そんな製作陣で生みだされた映像は唯一無二であり 素晴らしいです


ルネ・ラルー監督による 異彩を放つ数々のアニメ作品の中でも 本作品は特に強い輝きを放っていると感じます
もし地球上に 人間を支配する"上の立場"の種族がいたら どうなってしまうのか...この映画を観ると おそろしい絵柄と共に そんなことを想像させられてしまいます
おぞましいと感じる巨人の姿や行動も 少し置き換えてみれば 人間が普段おこなっている行動や姿と大きな違いはありません
まるで人類に反省を促すような本作品は 宮崎駿の「風の谷のナウシカ」において 主に美術面での影響を与えたとされます

そんな 人権や差別に通じる寓話的な内容と 素晴らしい映像 そして皮肉が込もったタイトルも印象的な 本作品
奇妙でユニークなディストピアが描かれる 名作SFアニメ映画となっています


3.時の支配者 (1982年)

こちらも監督は ルネ・ラルー
ルネ・ラルーとメビウスがタッグを組んだ フランス・スイス・ハンガリー合作の冒険SFアニメ映画です

ある時 惑星ペルディドにおいて とある地球人の家族がスズメバチのような巨大な昆虫に襲われるトラブルに巻き込まれてしまいます
これによって母が命を落としてしまったあと 父クロードは 高性能の恒星間通信機を息子ピエールに渡したあと そのまま息絶えてしまいます
ピエールからのSOSを受けたクロードの友人ジャファーは 惑星ペルディドに向かおうとしますが 彼の前にさまざまな困難が立ちふさがります
やがて ピエールの未来にも大きく関わることになる"時の支配者"の存在が明らかになっていく...というストーリーです

本作品は『ファンタスティック・プラネット』と同様に ステファン・ウルによる原作を基に制作され ルネ・ラルーが監督・脚本をつとめました
ビジュアルデザインは ジャン・ジローとしても知られるメビウスが担当しており 素晴らしいものになっています
原題は『LES MAITRES DU TEMPS』であり これは『時間の支配者達』のような意味です

作中では 親を失い一人ぼっちになった少年ピエールによる冒険が描かれます
人々がそれぞれの宇宙船をもち 何事もないように惑星間を旅するような 未来の世界観
なかなか意味が捉えにくい物語になっていますが 思わぬ方向へ進んでいき 次第に観念的になっていきます
終盤のどんでん返しも この作品の魅力のひとつでしょう


映画内に登場する妖精やユニークな植物などは 個人的に大好きな小説「星の王子さま」を思い出したりもします
この作品のもつ宇宙のイメージは おそらく「カウボーイ・ビバップ」などにも影響を与えたのではないか...そんなことを想像します
また 80年代らしいシンセサイザーに エレキギターが合わさったような音楽も秀逸で いま聴いても未来のイメージを感じさせます

そして何といっても 脚本にもクレジットされているメビウス特有の絵心が炸裂しており 唯一無二の世界観が描かれています
圧倒的な作画力で描かれるキャラクター,宇宙船,未来銃,多種多様なガジェット類など...すべてが本作品の世界観を演出しており 作品に漂う独特の雰囲気は強烈な魅力を放っています

当初は最初に紹介した「HEAVY METAL」の基となった雑誌「Métal Hurlant ※メタル・ユルラン」に参加していた漫画家たちと協力して 長編映画シリーズの構想があったそうです
しかしこれは実現せず フランスでのアニメ制作が困難だと判明した後で ハンガリーで制作が開始されました
スタッフ間には言語の問題が発生し それぞれ通訳を介してコミュニケーションを取っていたといいます
時には長文を要約する必要があったため 正確なやり取りが困難を極めたこともあり なかなかストレスフルな現場だったようです

同じ原作者の映画化となった「ファンタスティック・プラネット」に比べると 中盤までは脱力した雰囲気で他愛のない会話も多いため 人によっては物足りないと感じる方もいるのかもしれません
しかし 個人的にとても気に入っている映画で 何も考えず ずっと観ていたくなるような作品です
宇宙を舞台にしながらも ジブリ作品に通じる雰囲気を感じる 本作品
素晴らしいデザインで描かれる SFアニメ映画の傑作となっています


4.ガンダーラ (1987年)

こちらも監督は ルネ・ラルー
1000年もの時をまたいだストーリーが描かれる フランスのSFファンタジーアニメーション映画です

舞台は 戦争もなく平和に過ごしてきたはずの ガンダーラ
ガンダーラは アンビセクストラと呼ばれる両性具有者と 女性で構成された議会によって 統治されていました
しかしその平和を打ち破るように レーザー光線を武器にした機械人間 メタルマンの軍団が突如侵攻してきます
このレーザー光線は 接触した対象の生物を石に変えてしまうという おそろしい性能を持っていました
議会は勇者シルバンを探査に向かわせますが その結果 メタルマンが1000年先の未来から攻めてきていたことが判明
そして メタルマンを操っていた者の正体を知ったシルバンは 未来でその首謀者を倒すべく 1000年の深い眠りに入ることになる...というストーリーです

製作費は 550万ドル
本作品は ジャン・ピエール・アンドレヴォンの原作を基に ルネ・ラルー監督によって映画化されました
フランスのバンドデシネ作家であるフィリップ・カザがデザインを担当し どういった経緯か分かりませんが 北朝鮮のSEKスタジオがアニメーションの制作を担当しています

作中では 長らく平和だったはずのガンダーラに 謎の機械人間メタルマンたちが襲来する物語が描かれます
メタルマンの軍団は異常に統率されており まったく喋らず 全身黒塗りの装備でレーザー光線を所持するという特徴を持ちます
その中身はほとんど空っぽであり とある理由によって歯車も回路もなく動くことができる かなり不気味な存在です

そんな映画内には ガンダーラの科学者がおこなった遺伝子実験の結果生まれた 多種多様な身体の構造をもつミュータントが登場します
彼らは善良な人々ですが 例えば頭が5つ付いていたり 足が多数あったり 一つ目であったりします
この辺りは スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』に共通する部分があり 釜爺をはじめ 頭部しかないキャラクターである"かしら"を彷彿させます

ユートピア,ディストピア,機械人間,ミュータント,タイムトラベル...SF的な要素をふんだんに組み込んだ物語に ファンタジー要素がうまく馴染んでおり 絶妙なバランスが素晴らしいです
快楽主義のユートピアと全体主義のディストピアの対立を描く設定は どちらの側にも悪を孕んでいます
同じくルネ・ラルー監督の『ファンタスティック・プラネット』もそうでしたが 単なる善と悪の2項対立を描いた物語ではなく もっと複雑なところまで描写されているのが 強い魅力だと感じます
なんとも言えない余韻を残すラストも 個人的には好きなところです

その他には 落ち着いた画風とはギャップのある切迫感のある音楽がオープニングから素晴らしく いきなり引き込まれます
オーケストラ調になっているこれらの音楽は 数多くの映画音楽を作曲し 1996年の『イングリッシュ・ペイシェント』ではアカデミー作曲賞を受賞した経歴も持つ レバノン系フランス人のガブリエル・ヤレドによるものです

そんな本作品ですが 英語版では「Light Years」というタイトルになっており こちらはミラマックス社の創設者であるハーヴェイ・ワインスタインが監督した上で 弟のボブ・ワインスタインがプロデューサーを担当
この英語版では"オーケストラ調の音楽がアメリカの観客に合わない"という製作側の判断で プログレッシブロック系の曲が使用されるなどの改変がされており かの有名なアイザック・アシモフが翻訳を担当しています

今まで短編も多く制作してきたルネ・ラルー監督にとって 長編アニメ映画の監督3作目であり 生涯最後の長編作品にもなった『ガンダーラ』
ディストピアというテーマが好きな方には特におすすめしたい 傑作タイムトラベルSFアニメ映画となっています


番外編.アルザック・ラプソディー

原題:Arzak Rhapsody (2002年)

監督は メビウス
3分30秒ほどの短編が約42分の尺で構成された SFファンタジーアニメです
映画ではありませんが メビウスの作品なので紹介させていただきます

主人公は 砂漠Bの守護者として生きる 孤高の戦士アルザック
彼はプテラノドンのような反重力翼手竜に乗って さまざまな体験をしていく...というストーリーです

本作品は 監督のメビウス自身が1974年に発表した原作『アルザック』をアニメ化した作品です
1つのエピソードが3分30秒ほどの短編アニメとなっており 合計14エピソードという構成です
2002年にフランスで初めて放送され 後に日本でもDVD化されました

作中では 主にアルザックの奇妙な旅を通して とにかくシュールな物語が描かれます
まさにSFファンタジーといった内容で 電気サソリのような独自の生物が登場したり メタ構造を含んだ物語など...要約するのも難しいような内容ばかりで 独特の雰囲気を楽しむための作品と言えます
メビウスがデザインした『時の支配者』もそうですが やはり一瞬見ただけで入りこめるようなマットな質感の絵は素晴らしく 独特の世界観を作りだしています
特に最終話は作画,内容ともに異質であり 強い存在感を放っています

デジタルで色付けがされていますが メビウス自身この手法は以前から取り組んでいたそうで 独特のパステルカラーがとても魅力的です

全体的にアニメーションの動きがかなり独特で 一時期流行ったフラッシュアニメを思い出す 切り絵を手で動かしているかのような雰囲気のシーンも含まれます
この辺りはかなり好き嫌いが分かれそうなところですが 個人的には見慣れると気になりませんでした
異世界感を醸しだす音楽も終始素晴らしく かなり印象的なのですが クレジットされている"Zanpano"がいったい誰なのか 情報は見当たりませんでした

メビウスといえば 今回紹介させていただいた『時の支配者』をはじめ『エイリアン』,『トロン』,『マスターズ/超空の覇者』,『アビス』,『フィフス・エレメント』などの素晴らしい実写映画でもデザイン面で多大な功績を残しています
日本では『エイリアン』公開の流れもあったのか 1979年に『スターログ3月号』でメビウスの『バラッド』が掲載され『SFマガジン3月号』
など 雑誌でメビウスに関する紹介が始まったとされています
しかし それより5年も前になる1974年頃 今では『孤独のグルメ』の作画でも知られる漫画家の谷口ジローは メビウスが関わった雑誌等を独自に発見してフランスの出版社に注文をしていた上に『ヘヴィメタル』の基になった雑誌『メタル・ユルラン』を定期購読するなど 日本ではもっとも早くその影響を受けた人物だと言われています

また メビウスは1982年に来日した際 フランスでほとんど知られていなかった手塚治虫の漫画の表現や作品量の多さにも驚き 手塚治虫のスタジオへ訪問もしたそうです
この来日体験が東洋思想からの影響を受けることにも繋がったとされていますが そんなメビウスの影響は日本の谷口ジローや大友克洋をはじめ 松本大洋,浦沢直樹,宮崎駿など 多くの人物へと浸透しています

さらに 大友克洋の絵を研究したり 宮崎駿と展覧会を開催したり 実の娘にナウシカという名前を付けたり...メビウス自身が影響を与えた人物からもインスピレーションを得ていたという逸話ももちます

もし彼がいなければ SF・ファンタジー作品の歴史は大きく変わっていたであろうと思うほどの重要人物である メビウス
『アルザック・ラプソディ』を含む 彼がイメージしたシュールな世界観を ぜひ感じてみてください


あとがき

今回は「一度は観てほしい...世界の名作・傑作SFアニメ映画」というテーマのSF映画紹介でした
これらの素晴らしい作品に関わってきたのはフランス生まれの2名であり SFというジャンルの重要人物であるメビウス...そして長編アニメは3作のみにも関わらず 名作ばかりを残してきたルネ・ラルー監督となっています

第2弾以降の動画も制作予定ですが マーベルやディズニー作品を除くと 海外のアニメ映画というのは 日本ほど数が多くありません
やはりアニメ分野に関しては 日本の作品にも大きく注目していきたいところですので そちらも別で特集してみたいと思っています
最後までご覧いただき ありがとうございました

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