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いつから砂は石になるのか

こんにちは!カリフォルニア在住のMeiです。

今日は、日常生活でふと考えたことについて書いていきます。


東京にある、とあるインターナショナルスクールのスナックタイムでの出来事です。

ちなみに、インターナショナルスクールや欧米の現地の学校には午前中(お昼の前)におやつの時間があることが多いです。

野菜スティックやフルーツ、ヨーグルト、ポップコーンにクッキーなど、お家からそれぞれ好きなお菓子を持ってきて食べることになっています。

アレルギーなどの関係で、子どもたち同士でお菓子の交換をすることを認めていない学校も多いですが、(特に小学校だと)自分が大好きなお菓子を教員にあげたがる子も少なくありません。

日本の感覚だと

「え?!子どもの食べ物もらっていいの?」

とビックリしますが、外国人の教員は笑顔で受け取る人もいたり、それは好きじゃないから…と断る人もいます。(笑)



ある日、ビーフジャーキーのおやつ(?!)をくれようとした子どもに

「ありがとう。でもね、お肉は食べないんだ。」

と伝えたら

「あ、アレルギーなの?違うの?ふーん。」

と、さらりとした返事。



もし大人が相手だったら

「アレルギーじゃないのに、どうして?いつから?きっかけは?宗教?大変だよね?何なら食べれるの?身体は(栄養バランスは)大丈夫?いつまで続けるの?どうやって料理するの?」

と興味をもってもらえて、とっても嬉しいですが、質問攻めに合うことが多いです。


子どもたちと話していると(もちろん、ただ興味がなかっただけかもしれないし、一人ひとりが違うから一概には言えないけれど)小さいことにごだわらない、ありのままのを受け入れるのが上手だなと思うことが多いです。


その一方で、テクノロジーの学習をしているときに、教科書に出てきた車椅子の絵の方にばかり気が取られて、

「車椅子ができて、人々がどれだけ便利な暮らしができるようになったか」

ということよりも、

「片足で歩くのが、どれくらい大変なのか」

を、まず知りたくなってその場で立ち上がって確かめないと気が済まない子がいたりしますし


一人でできるようになりたいから、どんなに時間がかかっても(例えランチの時間になろうとも)計算問題が全問解き終わるまで、誰の力も借りずにやり遂げようとする子もいたりします。


つまり、心の声に正直にしたがって生きているなと感じることが多いです。


「子どもは残酷」

という言葉もあるように、オブラートに包んでものを伝えるという行為をすっとばして気持ちを伝えるので、私自身も恥ずかしくなってしまうような愛の言葉をたくさん言ってくれたり、自分でも気付かなかった指摘をされてドキッとするような言葉をふとした瞬間に聞くこともあります。


それでも、新しいものや場所への適応能力は、大人より早いことが多い気がします。

シンガポールに赴任した時も、現地の生活が長い人たちから子連れの家族はみんな「子どもたちはすぐに馴染むから、大人が頑張ってくださいね。」と言われていました。


これは私なりの解釈ですが、

きっと、まだ彼らには「決まった形」というものが染み込んでいないのだと思います。

これまで経験上、色々な子どもたちを見てきましたが、新しい環境や習慣を良くも悪くも、すぐに吸収して自分の生活の一部にする子がとても多いです。

ありがとう、何か手伝おうか?○○が素敵だね。なんて全く言い合っていなかった子たちも、そんな優しい言葉をたくさんかけてくれる人(大人)がそばにいたら、すぐに言い始めることがほとんどです。(それだけ関わる人や環境は大事だと毎回ながら痛感します。)


ものに例えるとするなら、
一人で一つ大きなビンを持っているとして、大人は大きなビンに石が入っている状態。だけど子どもは、同じビンをもっていても、中には石ではなく砂が入っている状態。

どんなものが入ってきても、形を変えて受け入れることができる。

少なくとも大人より受け入れやすい。そんなイメージ。


いつから私たちは砂から石になっていくんだろうと考えることがあります。

自然界では、石が色々な角にぶつかって砂になっていきます。

そしてもちろん「朝起きたら、石なっていた…。」というわけではなくて、ゆっくりと時間をかけて砂から石になっていったんだと思います。


その子との、本当にちょっとしたやり取りから、こんな風に世界中の人が他人を受け入れられたら、先入観をもたずに、価値観を押し付け合わずに、もっと生きやすい人が増えるんじゃないかなと。そんなことを思った今日この頃です。

海外生活6年を迎えても、自分自身のキャパシティーの狭さを痛感する日々ですが、これからは自然界のように角がどんどんとれて、砂のように広い器をもてるようになりたいものです。

私もそんな気持ちでこれから出会う、自分とは異なる文化や風習や環境で生きている人たちとかかわっていきたいなと思います。

音声でさらりと聴きたい方は、こちらからどうぞ!



最後までお読みいただき、ありがとうございます。今日も、素敵な一日になりますように!


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