カマラ・ハリスというロールモデルが子どもたちに与える影響について
カリフォルニアから、こんにちは!
東京都公立小学校→シンガポール日本人学校を経て、現在はアメリカの小学校で働くMeiです。
1.アメリカでは
ここ最近、アメリカの大統領選挙について世界中で報道されていたので、南米・ヨーロッパに住む友達、日本&ドイツに住む家族から「現地ではどうなっているの?」と何度も聞かれました。
今回の選挙は、史上最多の投票数を集め、アメリカの国全体としての政治への関心の高さを実感すると共に、政治に対する自分の考えを日常的に議論する文化が素晴らしいなと日々思っていました。
2.日本では
日本人の友達からも状況を聞かれることも多かったのですが、私自身も感じて、その友達も言っていたのは、日本の政治についてはこんなに話したことがなかったなぁということです。政治のこと=ややこしい=固い=面白くない=話さないというような暗黙のルールがあるように思えます。
思い起こせば、公務員として働いていた時は、きまりとして「中立な立場でいなければならない。政治活動に積極的に参加したり公言してはならない」というものがありました。
もちろん、自分の支持している政党や考えを子どもたちに押し付けたり、誘導したりするのは、教育者としてあってはならないことですが、一人の社会人として、職場の同僚や友達と、もっともっと自分たちの生活に直接関わる政治に目を向けて日常的に話していけたらいいなぁと感じます。
3.カマラ・ハリスというロールモデル
今回の選挙で、初の女性副大統領に選ばれたカリフォルニア州出身のカマラ・ハリス氏は、ジャマイカ出身の父親とインド出身の母親の移民の子でアメリカ国内外でも大きなニュースになっています。私は、アメリカで働く教員として、彼女の存在が子どもたちに与える影響について考えてみました。
これまで彼女の演説を最初から最後まで聞いたことがなかったのですが、大統領勝利演説時のカマラの演説を聞いた時は涙が出そうになりました。そこには、
“I may be the first woman to hold this office. But I won’t be the last. Because every little girl watching tonight sees that this is a country of possibilities. And to the children of our country, regardless of your gender, our country has sent you a clear message; dream with ambition. Lead with conviction.”
. Lead with conviction.”
というメッセージがありました。つまり
「私は初の女性副大統領になりますが、最後の女性副大統領にはならないでしょう。なぜなら今夜、ここが可能性に満ちあふれた国だということを、全ての少女たちが目の当たりにしているからです。そして、私たちの国は、性別に関係なく、はっきりとしたメッセージを子どもたちに送りました。大きな夢を持ってほしい。信念を持って先頭に立ってほしい。」
こんな言葉を送ってくれるロールモデルがいたら、この国の子どもたちは男の子、女の子関係なく「自分たちもこれから何でも挑戦できる!夢を叶えられる可能性がある!」と思えるだろうなと思って聞いていました。
2020年ジェンダー・ギャップ指数でアメリカは世界53位(シンガポールは54位!そして日本は121位…。)ですが、米国の副大統領に女性が選ばれたことは、世界中全ての女性にとっても、これから大きくなる世界中の子どもたちにとっての希望になると思います。
大切なことは、子どもたちが目標にしたいと思える人がいるかどうか、そしてそれが実現できるような環境が整っているかどうかだなと感じています。
全ての女性が彼女のような仕事はできなくても、一人ひとりの大人がまずは「男の子だから○○。女の子だから△△。」といった偏見をもたずに「性別関係なく、自分が得意で好きなことを仕事にしたらいいよ!」と関わる子どもたちに伝えていくことはできると思います。
私はアメリカの小学校で、高学年や中学生になっても男女一緒になって休み時間にスポーツに励んでいる姿を見て「ジェンダーギャップは周りの大人がどう振舞っているかで決まるんだな。」と実感しました。
過去のジェンダー格差は変えられませんが、これからは私たちのような気付いた世代が少しずつ発信して小さな声を上げていくしかないのかなと思っています。
4.カマラの母シャマラの言葉
今回の選挙キャンペーンで、バイデン候補者のHPにこのようなTシャツが売られていました。
これは、カマラ・ハリスの幼少期の写真+母シャマラがいつも彼女に言っていた言葉からきているそうです。
“You may be the first to do many things, but make sure you’re not the last.”
「あなたは色々なことを最初にすることになるかもしれないけれど、あなたが最後にならないようにしてね。」
これは、マイノリティということで苦労もあったはずですが、明るく活躍してきたカマラ・ハリスをいつも励ます言葉だったそうです。きっとこの言葉があったからこそ、彼女のような自分で道を切り拓く強さがある副大統領が誕生できたんだなと思いました。
また、大統領に選ばれたジョー・バイデンの妻ジルが長年教育学者として活躍されているので、今後さらに教員へのサポートや、よりよい教育改革が行われるのではないかと思って、そちらも目が離せないとワクワクしています。
それでは最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。今日も素敵な一日になりますように!
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