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鈴木愛様単独インタビュー

第41回

NFTを始めてみたいなと思われる方は、まずこちらをご覧ください。

今回のインタビューはデザイン書道作家である、
鈴木 愛さん(@aisuzuki_smile)
です。

書道とデザインを両立させることができる愛さんの魅力に迫りました。

職業として、ロゴ作成、教室、ライブパフォーマンスなど、数々の受賞歴、実績をお持ちでありながら、NFTにも参加されています。

実績がすごいにもかかわらず、柔らかい物腰で楽しくお話させていただきました。

ではどうぞ。


構想中(以下:構)こんにちは、よろしくお願いします。

鈴木愛さん(以下:愛)こんにちは、よろしくお願いします。

構:事前にホームページなど実績を拝見いたしましたが、素晴らしい実績をお持ちの方をインタビューさせていただき、ありがとうございます。

いつ頃から書道にかかわってこられたのですか?

愛:小学校1年生の時に両親の勧めで書道を始めました。書道が大好きで、特に大きな紙に書くのが大好きでした。夏休みに書道団体に出品することになったときには書道の先生のお宅に入り浸ってたくさん書いていました。

けれど私の父親は転勤が多く、続けることができなくなってしまいました。

それから、高校生になったときに選択授業で書道選択し、そのときの先生から本格的に楷書、草書、行書、篆書、かな、などを教えていただきました。さらに公募展に出品する機会があり、書道がもっとに好きになりました。

構:社会人になっても続けられたのですか?

愛:私は小さなころから、幼稚園の先生になりたかったのです。書道学科のある学校に推薦のお話をいただいたのですが、お断りして家政学部に入りました。

けれど、幼稚園の教育実習で挫折しまして、就職活動もできずに卒業してしまいました。幼稚園の先生というのは視野の広さがとても大事で、それがうまくいきませんでした。

書道は一つのことに深く没頭していくので、私にはあっているのかなと思います。全て物事は理由があって起こっていると考えています。幼稚園の先生をあきらめたからこそ今の職業に就いているのではないか、そのように前向きに考えています。

構:それでご自分のお好きな書道に進まれたのですか?

愛:幼稚園の先生という目標がなくなってしまったので、何か生きがいを見つけたいと思ったときに、高校の先生が書道の道に誘ってくださったことを思い出しました。

書道のことを一から学ぼうと思い、習い事をするためにカルチャースクールを訪ねました。書道教室のバリエーションの中に”商業書道”という教室があり、広告としての役割を持つ書道の道があることに気づきました。好きな書道が職業になるなんてすばらしいと思い、是非やってみたいと思って、通い始めました。

学んでみると当然仕事にするだけあって、受講内容はとても難しかったのですが、楽しさが勝って続けていました。ですが仕事の関係で体調を崩してしまいました。

精神的なものなのか、なかなか良くならず、療養に実家がある豊橋市に戻りました。結果、商業書道のレッスンに通えなくなってしまいましたが、それでも徐々に元気になりましたので、先生のところまで受講しに行くことになりました。

受講していた2003年当時、その先生から見ると私はその講座の初期の生徒であったからか(2期生)、面倒をよく見てくださって私の作品をパンフレットにまとめてくださいました。

先生はデザイン書道家およびデザイナーさんでしたので企業に売り込むのにとてもいい資料を作成してくださいました。私、一人ではなかなか腰が重たいのですが、第三者に関わっていただくと、やる気が出るようです。

構:とても素晴らしい先生から受講することができたのですね。

愛:はい、ご縁に感謝しています。

それから営業を始めました、パンフレットを送るようなことをしました。いろんな会社から、資料を勝手に送りつけたりするなといわれることもありましたが、酒造会社様から是非看板を書いてほしいと依頼がありました。

構:すごい行動力ですね!

愛:そうですか?パンフレットを送っただけなんですけれど。その酒造会社様には新たに建てるお酒の工場、店舗、そしてギャラリーが併設されているとのことで、作品でギャラリー埋めてよと会社ご担当者様から言われたのでそこで初めて作品を創作しました。

創作作品がゼロだったのでびっくりしましたが。でも依頼いただいたのでチャレンジしようという気になりました。その個展まで2か月しかなかったのでがむしゃらにやりました。でも楽しかったです。

今考えると、実績のない私に看板を任せてくれる、個展を開くようなそんなお話をいただけてありがたいなって思います。採用してくださった方は当時その会社の専務様だったのですが、工場自体を若手が作り上げていたので、チャレンジ精神で敢えて若い私を採用いただいたのかもしれませんね。

構:専務様が会社のコンセプトに愛さんの作品がマッチしていたと思われたのでしょうね。人といい、タイミングといい素晴らしいですね。

愛:ロゴを作成するなどの広告の世界は、誰でも読めなければならないなどの決まりごとがいくつかあり、その制限の中で如何に表現していくかが面白い世界です。でも、その制限が全くない自由に制作できる創作作品作りは全く別世界で、それもとても楽しいのです。個展は年に一度GW(ゴールデンウィーク)にありましたので、毎年その個展に向けて自由の羽を広げて自分を出すことによって心のバランスが取れるようになりました。

最終的には10年間そちらで毎年個展を開かせていただきました。来年活動20周年となる年になりますのでそのときにまた個展を開く予定なんです。

今までこのようにやってこれたのは、書道の道に導いてくださった高校の先生と、商業書道の先生と、酒造会社様のおかけです。

構:別の場所でも個展を開いておられますよね。個展を東京でしてみたかったんでしょうか?

愛:表参道を歩いていたときに1階部分でガラス張りのギャラリーに目を奪われて、ここで個展をしたいと思ったギャラリーがありました。そこでお金をためて個展を開いて念願を叶えました。

念願の個展!

構:とても素敵なギャラリーだったのですね。

愛さんが創られる漢字についてはどのような思いがありますか?

愛:象形文字はそのものの形を表していて、私はそこに感情を揺さぶられます。

現在は、どんどん文字は省略されて無機質に感じます。正確な情報は得られるけれど、感情は動かない。

その無機質な文字を使って生きているかのような表現を見出そうとしています。言ってみれば、題材は文字だけれど、文字を読んでもらう必要はなくって、ぱっと観た思いを感じ取ってもらいたいなって思います。

構:日本人だったら毎日見ている文字だから当然読みたいなって思います。

こちらの笑っている作品は好きですけれどね。”笑”という文字はもちろん読めるのですが、とても楽しそうな雰囲気は伝わってきます。確かに読みに行こうとしてしまいますね。

見ているコチラまで笑顔に

愛:そうですよね、日本人にしかわからない、その文字を見ただけで歴史やニュアンスを感じとる繊細な感性はいいなと思います。

ですが、作品を読むのではなく感じてもらいたい気持ちがあり、日本語、漢字がわからない海外に行ってどのような反応があるのかを知りたいと思いました。

そう思っていたら、紹介してくださる方がおられて、2014年ごろJCATに入りました。ちょうどJCAT立ち上げの頃だったと思います。グループ展を展開しながら個展につなげましょうというお話をしていましたが、個展がしたいという気持ちを伝えていたら2016年個展ができる運びになりました。
※JCATについてはこちら

ニューヨークで個展をしたのですが、期待していた反応はありませんでした。ニューヨーク個展の前に久保田一竹美術館からオファーをいただき開催した個展では、外国からのお客様が作品を購入してくださったり、反応がとても良かったんです。

その分、私の中で期待値が上がっていたというのもあるかもしれないですね。オープニングレセプションのときだけ在廊させていただき、そのほかの時間はその場にいないのが普通といわれて、それ以外の時間の反応はわからずじまいでした。ちょっと残念だったなって思います。

ニューヨークでの個展、大賑わいですよね!

その後、イタリアミラノで個展を開くことができました。そこはポップアップスペースといって日本の文化を発信する、日本の企業が現地の方に宣伝するような場所でした。こちらではずっとその場所にいることができました。

イタリアでの個展

1週間その場所にいたので現地の反応がとてもよくわかりました。例えば、なぜこの文字を書いたのか、そしてどんな思いを込めたのか、という説明文を置いたのですが、みなさんそれを読んでくださって質問してくださったりしてとてもうれしかったです。説明すると、メモを取ってくれる人もいました。

構:イタリアの方は感情豊かな方が多いのかと思いましたがまじめな性格の方も多いのですね。

愛:なぜこの作品を創ったのかという創作背景を重視してくださる方が多いように感じました。あとポエムが好きだそうですよ。作品に詩の世界を感じる方がおられたり、また、書いている線の質を褒めてくださった方もおられました。

実際に筆を持って毛筆で書いてもらうワークショップもやりました。興味を持ってくださる方が一定数おられることがわかってそれは収穫でした。また行きたいな。

みんなでワイワイと、いい表情ですね!

構:作品はお買い上げいただけましたか?

愛:作品が売れるかどうかというとこまでは行ったのですが、最終的には売ることはできなかったです。

考えたいのでしばらくずっと置いててもらえますか?とおっしゃってくださいましたが、借りている場所だったので残念ながらずっと置くことはできませんでした。

安くしてもらえませんか?というお話をいただき、かなり考えたりはしたのですが、値段を下げてまでどうしても手放すことはできなかったです。

構:思い入れがあったのですね。

愛:当然ありますよ。すべての作品に思い入れがあります。海外への足がかりとしてお譲りするのもよかったのかもとも思いましたが。どうしてもできませんでした。もやもやしたまま日本に帰ったけれど、その作品は値下げすることなく日本での個展で販売できました。

とっても不思議な感覚だったのですが、最初からこの作品の行き先は決まっていたんだなと思いました。だから、イタリアで売らなかったんだろうと自分の中で結論付けています。結果論のようになってしまいますが。

反省点として、もっとサイズをいろいろ準備して、値段のバリエーションを持っておけばよかったかなと思いました。次あればそうしようと思います。

構:そういえば、@HEXANFTでも出品されていますが、値段は決めにくかったのではないのですか?今のお話をお聴きすると、難しいのではないかなと思いました。

愛:おっしゃる通りですね。今もずっとどのようにすべきか考えています。

構:NFTやってみてどうでしたか?

愛:なかなか自分自身から動くのが難しくて。Twitterもまだ慣れていないので本当にこれからですね。JCATでNFTをやるという会に参加しているので日々勉強です。

構:愛さんの実際のファンの方がお買い上げされていましたね。

愛:そうなんですよ。個展にお越しいただいた方がお買い上げくださりました。ありがたいことです。

構:私はそれが一番いい傾向だなって思っています。アナログアーティストさんの実際のファンの方がどんどんHEXAに来てくれたらいつも手元に”今のところお安く”作品を置いておくことができますよね。

作家さんについても、作品についてもよくわかるファンの方が来てくださったらもっと原画もNFTも盛り上がりますよね。そういった相乗効果を狙いたいです。

原画のファンの方はツイッターの使い方もわからないよとおっしゃる方が多いと思いますので、そういったところからワークショップのような感じでお話する場面があればいいなって思いました。

愛:なるほどですね。そうやって広げていけばファンの方にも喜んでいただけそうですね。

あと、動画作品を創っています。私の頭の中ではずっと作品が動いているのですよ。それを実現する作品があります。今はyoutubeにアップしています。

構:すばらしいですね。こちらの作品、例えばHEXAで出品するのもいいし、愛さんのプロモーションとしてyoutubeに残しておくのもいいかもしれないですね。

愛:そうですね、これからは動画作品も作っていけたらと思います。

動画にも出てきます、”樹”

作品を動画にしようと思ったときは1コマずつを作成し、動画にしていきます。思ったように動かないときは作成をやり直したりしてとても時間がかかっちゃいました。

将来的には、できるかどうかなんてわからないですが、作品を五感で感じてほしいと思います。例えば、触る、香る、風を感じる、そこまで行きたいな。

空を飛んでいるところを見上げてみたい気持ちがあります。体感できるアートにしたい。仮想空間の中で生きているよう動くのを体験してみたいです。

構:まさにメタバース空間ですね!HEXAでも順次進んでいるので、愛さんのしたいことができる空間が出来上がっていけばいいなと思います。

今HEXAで出品されている作品は以前制作されたような作品ですか?

愛:鶴の漢字である”悠々と”は以前作成した作品を撮影してデジタル処理しています。馬の漢字の”颯爽”は新作です。最近はあまり新しい作品を制作しておらず、数少ない新作となっています。

構:そうなんですね。では”颯爽”はレアな新作となりますね。作品が出来上がりにくいのはなぜなのですか?

レアな”颯爽”です!

愛:精神的なことかなと思っています。コロナの影響で人との接触や訪問が極端に少なくなってしまって。今までは旅行などをして、美しいものを見て創作意欲を掻き立てられ、作品を創っていました。

外から私の中に入ってきたものに対して、自分が想像を付け加えることをしています。例えば鶴は背中に乗って飛んでみたいそういうことを想像して描いています。

そういった刺激がないので創作意欲が今のところ足りていなくて。

構:愛さんは見たものを感じて制作される方なんですね。世界中のいろんな方にコロナというのは影響を与えているのでしょうね。コロナが収まり、自由に外に出ていけるようになれば自然に描けるようになるのかもしれないですね。焦っても却って出てこなくなりそうなので焦らないでお過ごしくださいね。

ロゴだったりそういったご依頼はされているのですか?

愛:はい、それは引き続きお請けしております。依頼はロゴやアート作品もありますが、お題が決まっているのでそのイメージはたくさん出てきます。

構:お仕事は継続してやられているのですね。私からしたらロゴを作成するのも自由な発想のように感じるのですがそうではないのですか?

愛:ロゴはお客様のご要望通りに描かなければいけないので、私からすると自由に描くというのには当てはまらないんですよ。

なるほど。愛さんの中で作品を制作するというのは完全に自由に筆を振るえる状態を指すわけですね。

愛:そうなんです。それだけに精神的な影響が大きいのか、東日本大震災のときは私は愛知県にいて直接の被害を受けたわけではないのですが、映像を見ただけでも本当に悲しくてショックを受けて全く描けなくなりました。

そのときは先ほどお話した酒造会社様の個展がGW(ゴールデンウィーク)にあったため、何とかして作品を描く必要があったのですが全く浮かばなくなってしまいました。描かなきゃいけないのにという気持ちになっていました。

ずっとふさぎ込んでいたのですが、ある日急に、この字描きたい!と”宙”という文字出てきて、一気に描きあげ、もっと描きたくなりました。それからは描きたいことがたくさん出てきて、何とか間に合ったということがありました。

後になってから、なんで描けるようになったんだろうって。暦を見たら新月だったんですよね。

新月⇒満月⇒出産
満月の日には出産されやすいというお話をお聴きしたことがあります。

自分でこの日っていうのを決めて出産ってできるものではないですよね。同じような意味で作品の生み出される時期が決まっているのかもしれないと思ったりしました。

それをきっかけに新月から満月にかけて作品を描く時期、それ以外はアイデアをため込む時期にしました。

構:なるほど、作品を産み出すリズムができてよかったのかもしれないですね。私自身も、体調がいいときとそうでないときが交互に来るので、バイオリズムというのはあるんだろうなって思ったときがあります。

ライブパフォーマンスされていますね。とても力強いです。着物きれいですね。ライブ時のいわゆる正装のようなものですか?

愛:そうです。スイッチが入る気がします。

構:それから筆を持つとガラッと雰囲気が変わりますね。

凛々しいです

愛:ある企業さんから、子供向けの書初めを見せていただけませんか。というオファーがありまして、私は人前に立つのは苦手でしたが、子供が好きなのでやってみよう!と思ったのがきっかけです。

当日は、雨で半紙が湿気ていて、描くと破れてしまったのですが、それでもなんとか何とか書き上げました。改めてもう一枚描きました。人前はとても苦手だったのですが、繰り返していくうちに慣れていきました。経験ですね。

構:描いているときはどんな気持ちなのですか?拝見しているとゾーンに入ったようにじっと半紙を見つめながら一気に描き上げていますよね。

愛:紙に向かって気持ちが入っていきます。周りの状況は全く気にならなくなっています。終わった後、気持ちがものすごく入っているので疲れますね。

構:肩で息をしているような雰囲気でしたね。

愛:体力使うから筋トレもしてますよ。音楽に合わせて書き上げて見せ場を作って、墨の濃度が変わったり筆の運びも変わったりして調整しながら描きます。だから毎回とても集中して描いています。

構:相当準備していないとそんなぴったりの時間に描けないですよね。やはり綿密な準備されますか?

愛:はい。実際の音楽を流し、実際の筆で描きます。クライアントさんから事前に画像、音楽を要求されて、ラフ案をお渡しすることもありますので。

ライブパフォーマンスをする2週間前からはずっと練習しています。

構:なるほど、筆自体も重たそうですね。カラダの軸をしっかり持たないと振り回されて、文字も安定しないですよね。しっかり腰も落ちてて、足の運びもしっかりしているなって感じました。

愛:古武道にも興味があります。体の使い方もそうなのですが、気の流れ、呼吸法にも興味があります。私自身が思うように今は描いているのですが、そういうのがわかればもっといい作品ができるような気がします。

構:字にもさらに力が入るかもしれませんね!

コロナが早く収束し、愛さんの発想がどんどん展開されていくことをお祈りいたします。今回はお話をお聞かせいただきましてありがとうございました!

愛:こちらこそありがとうございました。


書道に対する思いと、人に対する感謝を忘れない、素晴らしい方でした。また、とても繊細な感情の持ち主でだからこそ素敵な作品を産み出し続けられるのだなと感じました。それだけにライブパフォーマンスの力強さに圧倒されます。

これからのご活躍を楽しみにしています。


デザイン書道作家 鈴木愛さん

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今回は以上となります。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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