なぜ地方で「インパクトスタートアップ」を生み出す必要があるのか
「社会課題を解決しなければならない」
「SDGsを推進しよう」
という言葉に違和感を感じていました。
郡山市の社会起業家加速化支援プログラム「インパクトスタートアップスタジオ」を運営している身としてあるまじき発言かもしれないが、やはりこの違和感はぬぐい切れず。。。
社会課題やSDGsという行為に違和感を覚えているのではなく、「これらを実行しよう!」という風潮に違和感があるのです。
今回はこの違和感について深掘り、社会価値と経済価値を両立するインパクトスタートアップが地域になぜ必要なのかを考えてみようと思います。
#筆者の簡単な自己紹介
郡山市社会起業家加速化支援プログラム
インパクトスタートアップスタジオ事務局
株式会社プレイノベーション ビジネスアーキテクト
松井 司(まつい つかさ)
福島県郡山市出身。
日本大学東北高等学校から東京理科大学へ進学。
都内の人材会社やSaaS会社を経て地元郡山に戻りプレイノベーションに入社。
1. 社会への価値貢献は好き
~「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」~
二宮尊徳が語ったとされるこの言葉が私は好きです。
(実際には二宮尊徳がこの言葉を言った記録は残っておらず、彼を語るにあたって使われる言葉だが、細かいので今回は割愛)
この言葉は昨今サステナビリティを語るうえでよく使われています。
道徳=社会課題の解決、経済=持続性の担保、のような使われ方をしており、論語と算盤などの言葉と並べられることが多いです。
学生時代、この言葉に出会ったときはハッとしました。
所属意識や貢献欲求が高く、身を削ってでも人のためになることをやり切る、という考え方をしていた私にとっては180度とは言わずとも考え方や人生の方針が変わった瞬間だったからです。
それからは「生まれ育ったまちに、価値貢献し続けるためには自分はどんな経験をしなければならないのか?」を考えて働いてきました。
このように大前提、社会に対して持続的に価値貢献をする、という考え方が好きな一方で、昨今の風潮にはしっくり来ていないのです。
2. 「SDGsをやろう!」と思ってやるものではなさそう
~SDGsは単なるバズワードじゃない~
私が感じている違和感の正体はまさにこれです。
SDGsや社会課題は、単なる「やろう!」という表面的なスローガンではなく、実際の行動や価値観に根ざしたものであるべきだと考えています。
本来、これらは社会全体の持続可能な発展や公平性を追求するための指針であり、内発的な意識や日常の行動に結びついてこそ、意味があるものです。
最近、SDGsがバズワードのように使われ、ただ表面的にその言葉を掲げるだけで本質的な取り組みが伴わないケースも増えているように感じます。
本来の目的を忘れてしまうと、言葉だけが先行してしまい、本質的な変革が進まない可能性がある。
持続可能な開発目標(SDGs)報告2024によると、SDGsのターゲットのうち、現時点で達成に向けた軌道に乗っているのはわずか17%であり、半数近くはわずかに進捗、3分の1超は停滞・後退していることがわかっています。
3. 「こだわり」と「想い」が重要
~目の前の課題や事象に本気になれる人が世の中をちょっとずつよくしている~
私たちが直面しているのは、単なる数字や報告書ではなく、地球規模での深刻な課題です。その課題に対して、表面的な取り組みではなく、真に効果的な行動が求められています。
そこで重要なのは、「こだわり」と「想い」です。
SDGsや社会課題に取り組む際には、なぜそれを行うのか、というその根底にある理由や信念をしっかりと持つことが必要です。
そして、これらの課題は一夜にして解決できるものではなく、長期的な視点と揺るぎない意志も必要になります。
大げさに言うと、「こだわり」と「想い」さえあれば、世の中をちょっとずつよくできるということです。
これまでトークセッションに登壇いただいた起業家や経営者の皆さんも、すべからく「こだわり」と「想い」を持っていました。
私たちインパクトスタートアップスタジオ事務局は、皆さんのこだわりや想いを支えるパートナーになり、その信念に基づいた行動を現実のものにするために全力でサポートしていきます。
社会課題に対して情熱を持ち、その解決に向けてまっすぐに突き進む姿勢こそが、持続可能な未来を築く鍵となると信じているからです。
(エントリーはこちらから)
4. 地方(こおりやま広域圏)でインパクトスタートアップをやる意味
~インパクトスタートアップが生み出す雇用と若者の未来~
インパクトスタートアップが持つ力は、単に社会課題を解決するだけにとどまりません。
彼らは「都心に出なくても、地元で面白い仕事ができるかもしれない」と感じるようになり、地方においても魅力的なキャリアを築く選択肢が増えていきます。
さらに、こうした環境の中で育つと、高校生や大学生は卒業後、起業をするという選択肢も視野に入れるかもしれません。
このような企業や若者がこおりやま広域圏で次々と生まれることで、想いに共感したヒトが集まります。
地域全体が活気づき、新たな価値が生まれることで、持続可能な未来が現実のものとなっていく。
つまり、インパクトスタートアップが新たな雇用を生み、若者と地域の未来を創造する、ということです。
もちろん、これは決して容易な道ではありません。
課題も多く、個人の努力や各所との協力が求められることは確かでしょう。
しかし、やらない理由はありません。
この道のりを共に歩み、こおりやま広域圏をより豊かな場所にしていきましょう!
P.S.
実は、起業家/経営者×若者がともに探究し地域をつくっていくエコシステムを構築しようと動いております。
この話はまた後程、、、お楽しみに!!!
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