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心の病の最新知見Q&A うつ病の原因はウイルスだった!

"我々は最近、ヒトの身体に潜伏している『ヒトヘルペスウイルス6SITHー1』というタンパク質がうつ病の原因になることを発見しました。"2021年9月発刊の本書は専門家が最新のうつ病研究をQ&A方式と四コマ漫画でやさしく解説。病気に対する偏見や迷信を減らし、本当の事を学べる一冊。

個人的には著者のはっきりした物言いが好きで、前著『疲労ちゃんとストレスさん』『うつ病は心の弱さが原因ではない』に続く形で手にとりました。

さて。そんな本書は物語仕立ての前著と違って【わかりやすさを第一に考えて】漫画を担当している、にしかわたくが読者の立場で徹底的に質問。それに対して著者が現場関係者の立場で『うつ病の正体は"炎症"?』『爆誕!ウイルス原因説』『疲労とストレスからすべては始まる』『うつ病と戦うための"疲労栄養学"』と4章にわけて【30弱の質問に研究結果や例え話をはさみながら答えている】わけですが。

まず、うつ病の原因はセロトニン不足説が『30年前に終わった過去説』であり、一方で、その理論に基づいた抗うつ薬が『効果はあるも限界がある』という、ずぶの素人にはわかりにくい話を【アイマスクとヘッドホンをしている患者をクレーンで引っ張り上げる】という例え話は、とてもわかりやすかった。

また、その上での著者の発見。共生ウイルスとしてヒトの脳に潜伏感染している『ヒトヘルペスウイルス6』がストレスを受けることで『生存の危機だ!』と活性化、爆発的に数を増やしてつくるタンパク質、SITHー1が【ジェダイの騎士の宿敵、シスの暗黒卿の様にヒトを闇堕ち(うつ病)させる】という説も、スターウォーズ好きとしてはイメージしやすいものでした。(ただそれも、一方でダーウィンが人類が生き残るための『適応』としては、うつ病は『役に立ってる面もある』と言葉を残しているのが複雑なんですが。。)

うつ病に関心がある人はもちろん、当事者や関係者でなくてもモヤモヤしている人にオススメ。

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