見出し画像

サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

"いきなり結論を書いてしまいますが、サブカルな人になって何らかの表現活動を仕事にして生きていくために必要な条件は、才能・運・継続です。"2012年発刊の本書は、人生これからどうやって生きていったらいいんだろう?と立ち止まっている人に著者なりにおくる応援メッセージ的一冊。

個人的には著者インタビューも収録された『サブカル・スーパースター鬱伝』がとても面白かったので"オーケン"こと大槻ケンヂがどんな風に自らの半生を振り返っているのだろう?と興味をもって手にとりました。

さて、そんな本書はいわゆるビートニクから始まるカウンターカルチャーとしての『サブカルチャー』ではなく、あくまで日本風味のアングラに笑い要素を加えた『サブカル』界隈で、就職せずに【好きなことだけやって人生半分以上生きてしまった】著者が、同じようにスーツ着るような仕事はできない、できたら【好きなことでボンヤリ生きていけないかな?】と考えている人に向けて、自らの少年時代からバンドデビュー、そして現在までを振り返ったり、巻末ではライムスター宇多丸と対談したりしながらアドバイス的なことを書いているのですが。

著者とはまた違えど『フリーペーパーのお店』なんていう資本主義のメインカルチャーからすっかり外れた場所を何年もしながら、必然的に同じように『サブカル』的に色々やって食べている立場の中年としては【『何かができない』は『色々やってみる』を選択できるチャンス】とか【人前で赤っ恥をかく覚悟を持つ】は、よくわかるな。と共感しました。(そもそも何かを明確に『できる人』や、常に『カッコつけてる人』って、どう考えても本来なら『メインカルチャー』で、スポットライト浴びるべき方々でしょうし)

また、年齢的には著者の方が少し世代的に上なのですが。本書では実体験をもとに【ネットやSNSがなかった時代】の80年代『アングラ』もとい『サブカル』文化。高度経済成長を追い風に、余裕があった時代だからこその『過激だけど(どこか)アナログで牧歌的』な時代の空気が当時流行の漫画や映画と共に紹介されていて。やはり昭和的な懐かしさに浸ってしまいました。

レイモンド・マンゴーのサブタイトルこそ似てるも中身は【がっちり働いている】『就職しないで生きるには』に違和感を覚えた方、日本的サブカルでまったり、ゆるゆる生きたい方や、あと、昭和サブカル好きにもオススメ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?