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読書で賢く生きる。

"これ以上、本に振り回されたり、その周辺で小賢しく振る舞おうとする人々に振り回されるのはたくさんです。"2015年発刊の本書は、癖のある3人のおっさん達が『自己啓発本』や『ビジネス本』の裏側をぶった斬りしながらも、真摯に読書術についても語っている。ビジネスパーソン向け良書。

結論から先に書くと、本書は『ウェブはバカと暇人のもの』の中川淳一郎、『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』の漆原直行、ブロガー"切込隊長"の山本一郎というWEB上でも発言をよく目にする40代論客達が【嫌いな人は絶対に手にとらない方が】逆に【好きな人には間違いなくオススメできる】両極端に偏った一冊で。

私自身は同世代として、あるいは特に【政治・経済に関する考え】に関しては3人の中でも山本一郎に意見を多く共感している事から、後者として楽しめました。

そんな本書の内容は、3人それぞれが主に若手ビジネスパーソンや学生を対象に、各章ごとに『読書の意義』や『本との付き合い方』オススメ本について紹介する合間に、2012年からのトークイベント『ビジネス書ぶった斬りナイト』を収録した構成になっているのですが。

刺激的なタイトルなどで読者の不安や危機感を煽り、まるで万能の良薬の様に【胡散臭いカタカナ和製英語】をすすめていたり、毎月手を変え品を変え(ゴーストライターや編集部が)発信力のある?著者の名義で【言ってる事は同じか、名著の誤用かパクり】が並ぶ書店の棚や売り上げランキングの様子に、焼畑農業的に【読者をカモにしようとしている意図や悪意】を感じて、やれやれとため息をついている私にとっては拍手喝采、抱腹絶倒、七転八倒な読後感でした。

また、どちらかと言えばわざと『偽悪的に』振舞っている様に見られがちな(見せている)3人が、常にSNSで自慢のポエムを無責任に呟く様な『バカか暇人』ではなく、実はちゃんと堅実かつ誠実な仕事ぶりを【リアルではしている】事が発言の背景から透けて見えるのも、同じおっさんとして好印象でした。

『一体どのような自己啓発本、ビジネス書を読むべきなのか』と悩んでいる誰か、あるいは出版業界の舞台裏を確認したい誰かにオススメ。

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