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京大カレー部 秘伝のスパイスカレーレシピ

"スパイスカレーの作り方は人生と同じです。手順がみんなバラバラでも、最終的には全部美味しいカレーになってしまいます。"2020年発刊の本書は食べ歩き活動から部員全体が【互いに切磋琢磨するカレーアーティスト集団へと変貌した】京大カレー部の今が伝わってくる個性豊かなレシピ集。

個人的には、京大カレー部4代目部長であった石崎楓の『京大カレー部スパイス活動』の時から京大カレー部の活動が気になっていたので、新刊が発売されたのを知ってこちらも手にとりました。

さて、そんな本書は部員それぞれのレシピ計50を難易度順にレベル1〜レベル5まで大きな写真と共に丁寧に作り方を紹介しながら、合間にコラムとして【京大式スパイスカレーメソッド、カレーの定義、油の重要性、2日目のカレーの美味しさ、隠し味に組み合わせの法則性】といったことについて語られているわけですが。

まず感じるのは、最近は学生起業家とか学外での活動にいそしむ学生が【良くも悪くも注目を集めがち】ですが。本書の京大カレー部の方々の【大学部活動としての】清涼剤(いやスパイス?)のようなひたむきさ、爽やかさでしょうか。あとがきで前述の『京大カレー部スパイス活動』がきっかけで志望校を京都大学にしました(!)発言他、決め台詞的な『カレーは愛。愛こそカレー。それがジャスティス。』など、どこか森見登美彦的な『謎の説得力』に終始圧倒されます。

一方で、肝心のスパイスカレーのレシピ集としても、部員それぞれの紹介がユニークなレシピ名だけでネタ的には当然に終わらず。お財布や環境に優しいのはもちろん、互いに試行錯誤を繰り広げた上での【知的説得力のあるテキストがとても魅力的】で、コラムも含めて、大流行しているスパイスカレーレシピの中でも一際目立つ、個性的な一冊ではないかと思いました。

スパイスカレー好きのレシピとしてはもちろん、学生ならではのひたむきさ、爽やかさに癒されたい。そんな『かっての学生の皆様』にもオススメ。

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