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インドでオススメの、ポップで快適なホステル(インド人ご夫婦経営)

インドの都市で素敵な宿泊施設を探すのは至難の業だ。ある程度検索してみてわかったのは、この国の宿泊施設は値段がめっちゃ高い(日本円で30000万円前後)か安い(日本円で500円程)、そして「安かろう悪かろうが」蔓延っている。値段が高い場所だと、城とか宮廷みたいな、そりゃセキュリティーは万全なんだろうけれど、いかんせん「庶民」には手が届かない。

あらかじめ、インドの住居状況に関しては経済学の本で学んでいて、とにかく中間の価格帯が無い(その為、都市では高級住宅もしくはスラムという住み方)ということが、地元の方々の生活環境に悪影響を与えているとあったけれど、それがホテルにも影響しているのか、と思った。

そしてもう一つ、宿泊施設には、ほとんど女性の姿が無かった。初日の宿泊施設は、マネージャーが一人、そしてその他のスタッフは全員、若そうな男性(学生?)。そしてサービスも、到底良いものではなかった。

その中で見つけた、インド人の間でも人気のチェーングループgoSTOPSを紹介したい。この企業は、インド人のご夫婦により経営されていて、主に若者のソロ旅行者を中心ターゲット層として、インド国内に約30店舗構える。ドミトリールームと個室があって、共有エリアには勉強・仕事スペース、ヨガスペース、キッチンなどが揃っていて、洗濯物が干せるルーフトップも完備。

人気の観光地にはほぼこの施設があるんじゃないかと思っていて、スタッフによると、これからも拡大予定だとのこと。New Delhi、Mumbai、Jaipurといった観光客から人気の場所はもちろん、Kochi、Goa、Pushkar、Ooty、Manali 等、インド中をこのグループを通して旅したいと思えるほど。

私自身は、今回 Rishikesh と New Delhi でお世話になったので、この2か所の施設から魅力を紹介する。何度も言うけれど、とにかくインドでこの「ウェルカム」な雰囲気と「チームワーク」を感じられる宿泊施設はまだ少ない。同時に、グループにとってはとてつもないチャンスなんだと思う。インドに行かれる方は、是非、ご検討下さい!

goSTOPS Rishikesh Lakshman Jhula 

リシケシュの街並みとガンジス河

インドのヨガ聖地、リシケシュにはgoSTOPSが2か所あり、このLakshman Jhulaはガンジス河が見下ろせる高台に位置する。リシケシュ自体が少し標高が高い場所にあって、そこをまた登るから、ホステルに到着した時は息が切れそうになった。

急な坂を上っていく
目の前に見えてきた斬新なデザイン
入った瞬間、今までインドで見てきた風景と異なりすぎて驚く
ちなみに、5分前の車からの景色・・・笑
入ってすぐ左手に共有エリアが
ホステルがある地域の紹介
ドミトリーの各ベッドには扇風機とライト、コンセントが カーテン付きなのも良い
翌朝、ルーフトップへ
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ムービングチェアーも良い感じ ここで一人、ヨガを
と、思っていたら、共有エリアにもヨガスペースとヨガマットが!さすがヨガの聖地!
この斬新でカラフルなデザインよ!コミュニケーションを生む空間
無造作に置かれたクッション、椅子(ベッド?)の位置、セイリングチェアーとカラフルな壁
”No matter how hard the past you can always begin again."

全体的に、どこのgoSTOPSにいっても、この「カラフル感」は統一させているそうで、宿泊者同士が会話をするきっかけを与えているのだそう。ホステルのドアを開ける瞬間のウェルカム感とか、無料の水とか(チェックアウト時に、コップで水を飲みたいと言ったら、2リットルの空のペットボトルに満杯の水を汲んでくれた・・・)、ベッド周辺の設備やシャワールームの清潔さ、フレンドリーなスタッフたち(それも、女性スタッフも多く活躍する場所)、全てが期待を上回る対応だった。

ここで、インターンとして働く学生のスタッフの方々や、観光経営学部を卒業したばかりの女性に出会い、インドの職場環境や結婚観等を話すことができた。

そして、極めつけ(?)は、チェックアウトして約20日ほど経っていたのに、代わりに安い送迎バイクを手配してくれたこと。その運転手がまたとてつもなく良い方だった・・・。最後の最後まで、お世話になった場所なので、多くの日本人の方々がリシケシュに訪れた際はここに宿泊されると幸いです。

goSTOPS New Delhi 

そして、リシケシュでの思い出が良すぎたので、New Delhi に戻ったときも迷わず goSTOPS を予約。

Delhi Gateメトロ駅から地上に出ると、すぐ目の前に看板が
New Delhi のドミトリーは、カーテンが無かったのでその点だけお伝えした
このカラフルな階段とか、植物を置くデザインとか、聞くと、
やはり経営者の奥さんが植物好きなのだそう
中庭の共有エリア
3匹の犬も、奥さんの飼い犬・・・笑 静かで可愛かった 
ちなみに、受付の男性もよく話しかけてくれて面白かった
ちなみに、インドでは宿にチェックインする際に、この予約帳を記入する とてもアナログ・・・
共有エリアも、相変わらずポップ
大きなスクリーンもあるのでプレゼンやワーケーションにも使えそう

ここの New Delhi のスタッフの皆さんにも本当にお世話になりました。最初のチェックイン時から、経営者の方々の話、オススメのインド料理、そして、スタッフの一人は日本語を学んでいて将来日本で働きたいと言っていた子だったので、その子が休憩中は共用エリアで日本語で話したり、あとはベトナムから持って行った珈琲を飲んでもらったり(めっちゃ気に入っていた)、近くの観光地に連れて行ってもらったり・・・いろいろ良くしてもった。

スタッフも、あと周りの旅行客もそうだけれど、基本的に、インドの男性陣は、律儀で、共有エリアにいたときも「すみません、少し音声出しても良いですか?」とわざわざ聞いて来る礼儀正しさ。そして、日本人同様、最初話しかけるまでは遠慮したり、時間がかかったりするけれど、一度仲良くなったら、冗談言いながらめっちゃ助けてくれる方々。女性は、最初からすごくフレンドリーで、話好き。

ということで、私のオススメはgoSTOPSです。でも、あくまでも、ここは他の旅行客とのコミュニケーションも大事にする若者を中心とした施設なので、人によって好みは分かれるのかも。でも、そういうときは、ホステルの個室を予約したり、ある程度自分で調節できるのかなと思ったり。

そして、最後に、観光業界に長くいる自分にとって思うことは、やはり経営者視点には、女性性、男性性ともに必要だということ。

よく右脳=センス、感覚、総合判断力、左脳=分析、理論、計算能力のようにとらえられるけれど、インドの男性は、とくに医者やエンジニアといった社会全体の男性の在り方、職業に影響されてか非常に「男性性」が強い気がしていて、左脳はずば抜けて凄く、女性はそもそも街を歩いていて見ることが少なかったし(都市によりますが)、この光景は数年前と変わっていない気がします。このホステルは、そんな社会でも奥さんが先陣きってコミュニティ・マネジメント、デザイン、コンセプト等を担当されているからなのか、明るくて、居心地が良くて、カラフルで、コミュニティ・スペースに植物や花々がたくさん置かれていました。そんな環境が、スタッフの方々からもすごく感じて、それぞれが「目の前のゲストを喜ばせるためには」を体現していました。

これは、単純に「女性の社会進出を」というよりも、宿のコンセプトとしてカラフルなデザインを入れるところ、植物や動物を大切にする心、チームワークや助け合いを大事にする精神、ゲストの導線を考えた施設や全体的な構成など、宿泊者数や予算、金額だけでは測れない多様な視点が、長期経営には必要だし、これからも素敵な施設であってほしい。

インドに行かれた際は、是非!

「宿」という同じテーマで思い出した日本の新潟『里山十条』を経営される岩佐氏の話を思い出したので、ここに添付しておきます。

この「デザイン的思考」という考え方。

ーデータを活用しても、人を感動させるようなアイデアは生まれない
ー僕が大事にしているのは“現場から得られる経験”ですね。そこにヒントがあるのです。
ー多種多様な好みを現場から知り、どんなニーズがあるか肌感覚で覚え考えること
ー感情に訴える企画を作るためには、自身がその感動の源泉となるものを体験しなければいけない
ーお客様にどんな体験をしていただくか、コンセプトづくりには力を注ぎました
ー基本的な考え方として3つあります。ひとつは、先ほども言ったように「肌感覚」を大事にすること。データばかり見ても、世の中の本質には気づけません。2つ目は、「スピード」を重視すること。時代の流れはますます早くなっています。昨日正解だったものが、今日になればまったく通用しないことだってある。ひとつの考え方や正解にとらわれず、これは世の中の流れとズレているなと思ったら、すぐ修正できるような機動性と柔軟性は持っておきたい。最後は、「徹底的にコミットすること」ですね。編集長になろうと、経営者になろうと僕は現場からは離れませんでした。自分でできることは何でもやってやろう。そんな気持ちがあったおかげか、今日まで何とかやってこられたのだと思います。


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