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「どう振る舞うかではなく、どう扱われるか」で人は変わる【映画:マイ・フェア・レディ】

映画「マイ・フェア・レディ」は、「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」などで知られる大女優オードリー・ヘップバーンの代表作の一つ。1964年に公開されたミュージカル映画で、アカデミー作品賞にも輝いた歴史に残る作品。

・・・というのは、完全に後から「そういえば」と思い出した後付けであり、私はノーベル経済学賞受賞した『Good Economics for Hard Times』という経済学の本を読んでいたはずなのに、そこに出てきた「マイ・フェア・レディ」の映画の中に出てくるAlfred(主人公の父親)の会話を、何としてでも映画の中でも聞きたいと思い、一気に観ることに。

内容は、ロンドンの下町で花売りとして生計を立てているイライザ(オードリー・ヘップバーン)が苦しい生活から抜け出すために、自分の野暮なアクセント(一部の労働者が話すコックニー訛り)を直してイギリスの上品なレディになるために言語学のヒギンズ教授の下で、発音矯正に取り組む、という話。

ここで印象的だったのは、経済学の本に出てきた会話ももちろんだけれど、何よりもヒギンズ教授の女性に対する扱い方。

花売りだったイライザは、スパルタ発音矯正の特訓を受け、「レディ」としての振る舞いを身に着け、王様にも「美しい」と言われるほどになるものの、ヒギンズ教授はいつまでも

「下品な花売りの分際で!」
「メモしとけ!」
「オレが育ててやったのに!」
「 女は理性がない、気まぐれで腹立たしい」

それに対して、イライザは

「レディと花売りの違いは、どう振る舞うかでなく、どう扱われるか、です」と言い放つ。「私は(教授ではなく)大佐(最初からイライザをレディとして扱ってくれた人)に、紳士淑女とは何かを学びました」と。

これは本当に、学ぶ点が多いというか、「どう振る舞うかではなく、どう扱われるか」というのは、自尊心にも繋がっていくのだろうな。と。

「きっと、できる」と言われたら、できる気がするし、それがたとえ冗談でも、言葉というのは凄いパワーがあるから、やっぱり信じてくれる人の近くにいたいと思うし、変わることだってできるのだと思う。

そして、「自分らしく生きる」ことができれば、それはもう人生勝ったも同然なのだ。

”The greatest victory has been to be able to live with myself.”

最後に、オードリーが最後のクリスマスの日に息子たちに読み聞かせたと言われているSam Levenson氏の詞を。

“Time Tested Beauty Tips” 「時の試練によって磨かれる美」

For attractive lips, speak words of kindness.
魅力的な唇のためには、優しい言葉を話すこと。

For lovely eyes, seek out the good in people.
愛らしい瞳のためには、人の良いところを見ること

For a slim figure, share your food with the hungry.
スリムな姿になるには、飢えている人と食べ物を分かちあうこと。

For beautiful hair, let a child run his or her fingers through it once a day.
美しい髪になるには、一日に一回は子供たちに触らせてあげること。

For poise, walk with the knowledge you’ll never walk alone.
知識をもってバランスよく歩むには、決して独りで歩まないこと。

People, even more than things, have to be restored, renewed, revived, reclaimed, and redeemed; Never throw out anybody.
物事よりも、人こそが回復され、新しくされ、甦らされ、矯正され、救われなければならない。誰も見捨てられてはならない。

Remember, If you ever need a helping hand, you’ll find one at the end of your arm.
覚えておいで、もしあなたに助け手が必要なら、あなたの腕の先に一つはあることを。

As you grow older, you will discover that you have two hands, one for helping yourself, the other for helping others.
年を取れば、二つの手があることが分かるでしょう。一方は、あなた自身を助けるために、もう一方は他の誰かを助けるために。

The beauty of a woman is not in the clothes she wears, the figure that she carries, or the way she combs her hair. The beauty of a woman must be seen from in her eyes, because that is the doorway to her heart, the place where love resides.
女性の美しさは、着ている服や、持っている雰囲気や、髪をとぐしぐさではない。女性の美しさは、目に表れる。なぜなら、目は愛が宿る心へ続く扉だから。

The beauty of a woman is not in a facial mole, but true beauty in a woman is reflected in her soul. It is the caring that she lovingly gives, the passion that she shows, and the beauty of a woman with passing years only grows!
女性の美しさは顔のほくろではなく、真の美しさは魂に反映されているもの。彼女が喜んで与える思いやりや情熱、女性の美しさは年齢とともに、育まれていくもの。

–Sam Levenson

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