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Happy Birthday To You 〜by Official髭男dism〜

Official髭男dism、いわゆる「髭男(ひげだん)」について書こうと思います。
髭男を聴くようになってから、もうじき1年になります。

1年前から聴きはじめたということは、リスナーとしてはけっこう後追いです。
髭男はその頃すでにメジャーシーンで活躍していて、「Pretender」をはじめとする数々のヒット曲を生み出していたからです。

リスナーになる以前にも、音楽番組やCMなどで存在を知ってはいたものの、しっかり聴こうと思ったことがありませんでした。ひと世代下の人たちが聴いているイメージがあって、たぶん合わないだろうなぁと聴かず嫌いをしていました。あと、バンド名にうさん臭さを感じて、何となく避けていました(笑)。

ところが、1年前のある日、髭男ファンの友人とたまたまライブ動画を見る機会があって、「あれ、もしかしてこのボーカルの人って、すごく歌が上手いんじゃないか…」と初めて認識しました。

その動画は、まだ人気になる前なのか、少し小さめのライブハウスでの映像なのですが、ボーカルのしっかりとしたリズム感や、よく響く声量がとても聴き心地良かったのです。そして何よりも生き生きとライブを楽しんでいる様子に、感動するものがありました。
なんで今まで髭男の良さに気づかなかったんだろうと思いました。

次の日曜日、さっそく髭男のアルバムの楽曲を全作品、歌詞カードを読みながら片っ端から聞いていきました。
なるほど…ストレートだけど読み応えもある歌詞、一聴しただけでも気持ちがノれるキャッチーなメロディとアレンジ……(評論家気取り)。髭男、すごかったんだと、すっかり感銘を受けたのです。

それからYoutubeの動画を見たり、ネットで色々と情報を漁るようになって、これまでの活躍を知り、どこまでもクリーンで悪い噂もないことに謎の安心感も覚えたりしながら、「こりゃ人気出るわー」と、何目線なのかわかりませんが、日々楽曲を堪能するようになりました。

こうしてまんまと髭男のフォロワーへと成長していって、現在に至ります。

* * *

髭男の中でも、『MAN IN THE MIRROR』というミニアルバムが特に好きかもしれません。インディーズ時代の2枚目のアルバムです。

インディーズらしい、いい意味でまだ垢抜けていないパーソナルな雰囲気があって、親近感がわきます。

ちなみに、『MAN IN THE MIRROR』というアルバム名、洋楽好きの方はもしかしたら気づくかもしれませんが、これはマイケル・ジャクソンの曲名から借りてきたものと思います。マイケルの曲は「世界を変えるためには、まず(鏡に映る)自分を変えなくちゃ」という強いメッセージの込められた曲ですが、髭男もその意志を継いだのかもしれません。

髭男は、他にも「What's going on?」とか、「Just The Way You Are」とか、洋楽の有名曲のフレーズを引用することがよくあります。自分たちの音楽が何に影響を受けているのかをきちんと提示する、真面目な優等生バンドなのですね。
一方で、そうした影響を受けたアーティストのフレーズを使うことで、「俺たちも売れて有名になってやる」というような、野心家のような気概も感じます。

ところで、どのアーティストにも言えることでしょうが、アルバムを聴きはじめて最初のうちはリード曲目当てで聴いていたのに、だんだんとスポットの当てられていない地味目な曲の味も知るようになって、そっちのほうがいつの間にか好きになっている…という、名盤ほどよく起こりがちな現象があります。あの現象は何なのだろうと思います。名前があったら教えてほしいです。

『MAN IN THE MIRROR』には、『Happy Birthday To You』という、比較的おとなしめの楽曲があります。この曲が、自分にとって例の現象にあたるものでした。
当初は、タイトルからして「君」への誕生日をしみじみと祝っているものと思っていたのですが、とんだ勘違いで、よくよく歌詞を読んでみたら、自分を励ましているという内容でした。

朝になれば 朝になれば
誰も気付かない場所
人知れず生まれ変わるよ

「Happy Birthday To You」を、生まれ変わることを決意した自分に向けた言葉として使っているところに、妙味を覚えました。

こんな素晴らしい日に
僕が変わろうとした日に
負けてしまっても何度も歌うよ
Happy Birthday To You

ミドルテンポのこの楽曲は、高いテンションからの熱い宣誓でもなく、どん底のテンションからの切ない決心でもなく、ふとした日常の延長にあるような、さりげない決意表明といえる、そんなリアルな思いを感じさせてくれます。

髭男の楽曲には、リスナーの背中を押してくれるような曲がたくさんあります。
『異端なスター』という、ファンからとても支持されている楽曲もその1つです。励ましに加えて、悲痛な思いも相まって 聴き応えがあります。声が高すぎてカラオケではまず歌えませんが。
ともかく、年齢もプライドも関係なく、目標に向かってがんばっていけそうな、そんな気分にさせてくれます。

僕が髭男を聴きはじめた頃は、奇しくも世の中の空気が一変しはじめた時期でしたが、そんな状況でも前向きに歩んでこれたのは、彼らの楽曲のおかげでもありました。
もうじき1年。「まだまだがんばろう」という精神を、これからも継続させていきたいところです。

* * *

p.s. 冬の朝はしんどいけど、がんばって布団から出ます。

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