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2023年を振り返ります(後編) 月次レポート研究所のポッドキャスト テキスト版

こちらのポッドキャストのテキスト版です。


renny:前編では2023年をふりかえって、投資環境や投資行動、月次ポートについてお話をしてきました。後編では投資以外の話題についても今年をふりかえってみようと思います。


「サッカー」2023シーズンJ1優勝はヴィッセル神戸

renny:今年のポッドキャストで、Jリーグのクラブの決算書をテーマにお届けした回がありました。あのときは当然、優勝は決まっていなくて、結局、ポッドキャストでも決算書を紹介したヴィッセル神戸が優勝できちゃいましたね。

吉田:決算書からするとこれからが大変だろうな。優勝したから選手は給料上げてもらって当然と思ってるけど、お金はの余裕はないという。。。

renny:そうですよね。イニエスタ選手がシーズン途中でクラブを去ったんですけれども、今回の結果はやっぱりにイニエスタさんが引き寄せた面はどっかにあるんでしょうか?

吉田:どうなんだろう。

renny:むしろ大迫選手なのか。

吉田:私はそんな気がします。

renny:たしかに日本代表の経験者が大迫選手はじめたくさんいますけれども、外国籍選手に依存しなかった印象はありますよね。

吉田:そうですね。イニエスタの後にファン・マタも連れてきたけど、結局試合に出なかったし、日本人が頑張って優勝したっていう印象です。

renny:ですよね。最後まで優勝争いしていた横浜F・マリノスは外国籍選手が強みかなという感じで、そういう意味では対照的ではありましたよね。

吉田:そうですね。

renny:前編からもお話した円安の問題は、Jリーグのクラブの決算をテーマにしたポッドキャストでも為替についてお話したようには思うんですけれども、円安の環境下で外国籍のビックネームを獲得するのは難しいですよね。

吉田:そうですね。全世界の通貨に対して円安なってる印象で、日本より通貨が安くなってるのは、トルコやアルゼンチンとか数えるぐらいしかないので、なかなかね。

renny:一方でサウジアラビアが、ヨーロッパでそこそこのビッグネームを獲得していますよね。一時期の中国が中東に変わった感じになってますよね。

吉田:そうですね。でも中国のときよりも、国を挙げてやってる感じなので、結構長く続くんじゃないかなっていう気はしてます。

renny:僕はFC東京をずっと応援していますが、今シーズンは非常に苦しいかったです。来年は東京ヴェルディ、町田ゼルビアが昇格して東京にクラブが2つ増えて、東京に3クラブになります。FC東京のサポーターとしては頑張ってほしいなとは思います。

「食」美味しいお店と温暖化による?食材の変化

renny:今年のポッドキャストでは食をテーマに、吉田さんにいろいろお話をお聞きする機会がありましたが、今年吉田さんのグルメの食べ歩きで何か印象的なお店はありましたか?

吉田:自由が丘にできた「luogo(ルオーゴ)」ってイタリア料理屋さんが素晴らしくて、今年中にあと2回訪問予定なので、今年だけで9回になりますね。

renny:すごいヘビーユーザーなんですね。料理長の方は若手の方なかですか?

吉田:そこまで若くなくて39歳ぐらいじゃなかったかな。

renny:そのお店は最近オープンされたんですか?

吉田:去年の12月にオープンしたお店です。

renny:どのあたりが9回も通おうと思わせる良さなんですか?

吉田:イタリア料理なんですけど、パスタが私の中では東京で一番美味しい店です。

renny:それは純然たるというか正統派のイタリアンって感じなんですか?

吉田:正統派っていうことでもないですが、食材の組み合わせのアイディアがすごくて、こんな食材を組み合わせるんだ!という驚きがあるんです。

renny:クリエイティビティが感じられるってことなんですかね。

吉田:毎月必ずメニューを一新して、そういう店って結構珍しいんですよ。そこそこ有名店でも、美味しい!と思って間隔を置かずに訪れると、味付けも盛り付けもほとんど同じで、魚の種類が変わってるだけでガッカリみたいなことが結構あったりするんです。でもルオーゴは毎月通っても、いつも新鮮な気持ちで料理をいただけるんです。

renny:なるほど。だからメニューの変化みたいなのが、来月はどうなんだろうと思わせるようなところが大きいってことなんですかね。

吉田:そうですね。料理のアイディアに関しては天才なんですけど、1人でお店をやってて、経営面がちょっと危なっかしいような雰囲気があって…

renny:なるほどね。もうそういうのもあって毎月行かなきゃ、みたいなとこもあったりするってことなんですか。

吉田:そうですね。そこは助けることはできないので、どうにもならないんですけどね。(補足…値付けが安すぎるんじゃないかと指摘したことはあります)

renny:毎月行ってみたくなるというか、新しいメニューがどんなのか、っていうのは、食材を変えてるだけじゃなくて、調理法も含めてガラッと変わってるっていう感じなんですか?

吉田:特に鮎の時期がすごかったんですよ。シェフのお父さんが鮎釣りが趣味で、相当な腕前でお店にすごい量を届けてくれるんです。東京で天然の鮎はなかなか食べられないんですよ。鮎の季節には都内の懐石料理屋で取り合いになって値段がとんでもないことになってるから。

renny:鮎の産地はどちらなんですか?

吉田:岐阜県の長良川のかなり上流の方で釣っているそうです。(補足…たしか白川郷の近くの高原川と伺った記憶あり)

renny:なるほどね。スーパーに並んでる鮎って全部養殖ですもんね。

吉田:そうですね。他の店で食べようとした、とんでもない値段になるはずの天然の鮎をパスタにしてくれて、それがえらい美味しいかったんですよ。

renny:ちょっと想像がつかないな。鮎の時期はいつ頃になるんですか?

吉田:6月から始まって、8月で大体終わりって感じですかね。

renny:なるほど。今年の夏はすごく暑かったですが食べ歩きには影響はあったりしましたか?

吉田:食べに出かけるのは暑さに関係なく行ってましたが、食材への影響は感じられました。魚のとれ方はやっぱりだいぶ変わってきていて、天ぷらが特に影響が大きいですね。天ぷらって言うとキスやメゴチ、白身の魚が定番だったんですけど、メゴチはほとんど漁獲高がなくなっちゃって、キスも最近はあんまり取れなくて高級品になってしまったんです。

renny:チェーン店の天丼屋さんでもキス入ってましたっけ?:今は入ってないのかもしれないですね。

吉田:食材にこだわらなければ手に入れることはできるんですが、東京湾はたくさんの大小の河川が流れ込んでくるから栄養がすごく豊富らしくて、美味しい魚が獲れるらしいんですね。他の産地のものだと全然美味しくないと天ぷら職人さんたちは口を揃えて言います。

renny:それはいわゆる江戸前ってことですか。

吉田:そうです。やっぱり東京湾も水温が上がってきてる影響もあると思うんですけど、江戸前の天ぷらっていうのはあと数年でなくなるんだろうなって予感がしています。

renny:そうですか。そういうとこにもやっぱり地球温暖化がもろに影響してて、元に戻すのも相当の時間がかかるってことですよね。

吉田:でも、江戸前の天ぷらに限っては、戦後、工業排水とか東京湾にいっぱい流しちゃってた時期も、魚は取れなかったと思うんで、ほんの十数年間の間だけの食べることのできた、幻のご馳走だったのかなみたいなところはありますね。

「読書」民主主義vs資本主義、イスラエル

renny:今年のポッドキャストでは読書のお話もさせていただきましたが、吉田さんは今年もたくさん本を読まれてると思いますが、これは読んでみたらどうとかっていうオススメの本との出会いはありましたか?

吉田:今読むといいかなって思う本はイスラエル関係の本ですね。私はGWぐらいにまとめて数冊読んで、去年出版されていた、シルヴァン・シペル「イスラエルvs.ユダヤ人」はオススメです。

renny:少なくとも今起こってるようなことが、起きる前に本が出てたっていうことですね。

吉田:イスラエルに住んでいないユダヤ人が書いた本で、イスラエルを批判してるんですよ。建国当初は自分たちユダヤ人の理想の国を作ったはずが、全然違う方向に行ってるよねと。その他の本から察するに、そういうような論調がどうも増えてきてるのかなっていうふうに春頃思ってたら、今こういう状況になっているっていう。

renny:なるほど。イスラエルにいないユダヤ人が見ると、イスラエルの状況に違和感があると。

吉田:ガザ地区の住民に対して、昔の南アフリカのアパルトヘイトみたいじゃないかみたいな話が書かれていて、こういう対立が起きるよねっていうようなのがよくわかります。

renny:ロシアとウクライナその交戦状態も続いてますし、イスラエルもそうですし、世界情勢的には混沌としてる上に、来年はアメリカの大統領選挙が始まりますよね。どうなるのかなんか読めないというか、バイデンさんとトランプさんでもう1回というのも、ちょっと興ざめだなっていう気はするんですよね。

吉田:2人ともおじいちゃんだし。

renny:今の感じだとそうなりそうなですが、それでいいのかアメリカ、みたいなところありますよね。

吉田:民主主義もおかしくなり始めてるのかなっていうことで、その手の本も読みました。これまでは民主主義と資本主義が両輪で動いてきたけれども、最近様子が変わり始めたよね、っていうような本も最近増えてきている気がします。

renny:その二つはセットみんな思ってたけれども、機能不全というか、そういうようなことがあるんじゃないかっていう指摘ですかね。

吉田:そうですね。特に一番簡単な例だと、これは炎上するかな?:まぁいいか。ESG投資って結構批判されるようになってきたじゃないですか。反ESGとか。ESG関係者からするとありゃ何を言ってるんだ?と怒ったりはしてるんですけど、民主主義との対立っていう観点で考えてみると納得がいくところがあるんですよ。お金を持っている投資家や企業が社会課題として認識した事業にお金を投じる感じですが、一方で企業って基本的に法人税をってあんまり納めないように納めないようにしてるじゃないですか。本来は法人税として国にお金が行って、それを民主主義のもとで選ばれた政治が配分を決めるはずだったものが、資金が豊富な投資家や多国籍企業が社会問題だと認識した場所にしかお金が投じられないみたいな。反ESGみたいな流れは、意外と資本主義と民主主義の対立から問題が起きているのかなと今年気がついたことですね。

renny:たしかに税金の問題はあるかもしれないですね。節税というか租税回避というか。その一方で、民主主義が再配分を上手にできてるかというと、そもそも投票に行かないっていう人が多いわけで、そのくせ政府がどうとかこうとかっていう声だけはやたら大きい。日本に限って言えば、参政権すら行使してないのにダメ出ししてもしょうがないんじゃないか。日本の場合は民主主義も資本主義も中途半端にしか使いこなせてない印象はありますよね。

吉田:インターネットができた当初って、政治家と有権者の距離が近くなるとか、インターネットが普及するに従って政治も良くなるみたいなそんなイメージがあったけれども、結局そうはならなかったですね。

renny:僕の住んでる江東区でも区長選挙でネット広告か何かに端を発して、区長が辞任して、今度の日曜日に選挙なんですけどね。結構な税金の無駄遣いですよね。インターネットが普及して政治が良くなったかというと、投票率が目に見えて上がるということもなかったですし、なかなか厳しいものがありますよね。

吉田:新しい技術が世の中を変える、みたいなことはなかなか起きないといういい例ですね。

renny:人間のマインド、人の気持ちが変わらないとどうにもならない。最近のニュースで、子供が3人目以降は大学無償化というような政策が検討されてるそうで、10年遅いような気がするんですよね。もちろん今からでも具体化するんだったら、それはそれでいいことだと思うんですけど、もっと早くできたことなんじゃないのと。資本主義ついていろいろメッセージを発信されている人が増えてきてはいますし、そういう人たちとお話をしてると、やっぱり若い人に考えてもらう機会を作らなきゃ駄目だと考えられてる方が多いです。そこはすごく共感できるので、僕も何かしらの形でそういうのに貢献できたらなと思っています。

ポッドキャストのタイトル見直し

renny:ちょっとここからは吉田さんにご意見をお聞きしたいことがあります。「月次レポート研究所のポッドキャスト」というタイトルをつけて、毎月2つお届けしていますが、前編でもお話しました通り、投資信託の月次レポートで取り上げるものがなかなか増えてこないので、ちょっと「月次レポート研究所のポッドキャスト」という名前では正直しんどいかなと思っています。2023年12月のポッドキャストも、前編は株式投資に関わる話をテーマに、この後編はJリーグの話から始まり、グルメ、読書というふうに繋いできました。吉田さんと僕が今月何をして、何が面白いと思ったか、というようなのを月次でレポートしていく、月次レポートの研究所の月次レポートという風に、タイトルを変えた方が、月次レポートに縛られずにお話はできるんじゃないかなと思いました。吉田さんのご意見をお聞きしてみたいんですけれども。

吉田:名前をもっと変えないダメかなぁ。

renny:いやあそうですね。月次レポート研究所自体が月次レポートを研究する対象がない、っていうようなことになっちゃってるんでね、次のステップなのかもしれないんですけれども。この後編でお話した読書の話の中で、民主主義と資本主義のお話であるとか、あるいはイスラエルのお話は、実は株式投資はもちろん、普段の仕事にも繋がってないわけではないと思うんで、そういう話題を毎月してもいいのかなと思ったんです。

吉田:ちょうど今年のポッドキャストでrennyさんが私を掘り下げてくださったときに、私にとって投資とは何かを掘り下げていくと読書が出てくるんじゃないか、ってまとめていただいたので、関係あるはずです。

renny:そうですよね。あとはポッドキャストのことをもっと勉強してみようと思って、ポッドキャスターと呼ばれる配信者があつまるイベントが12月16日に下北沢であるので参加してきます。ビラ配りのお手伝いすることになりまして、そこでポッドキャスターとして経験や実績を積まれている方に、どんな人がいるのか、勉強がてら見学に行ってきます。来年1月のポッドキャストでお話できればなと思っています。2023年のポッドキャストはこのへんで終わりになります。来年もよろしくお願いします。みなさん良いお年をお迎えください。

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