自己決定はどこまで?
2018年の神戸大学の研究結果によると、
所得や学歴よりも「自己決定」が幸福度に強い影響を与えている
ことが明らかになりました。
コーチとしてクライアントさんと接している中でも、
自分で人生の選択をしたことが幸福度をあげた
と実感されている方が多いことを感じます。
コーチングでは、子どもに「自分に考えさせる」「自分で決めさせる」ことを大事に声がけを考えます。
ですが、実際に「子どもに決めさせる」を徹底する親御さんが大変苦労されるケースも目にします。
「子どもに決めさせる」ことの大切さと、実際に行う際に気をつけたいことについてまとめてみました。
幸福度は「自己決定」で決まる
よかれと思っていい学歴や金銭的満足度を子どもに与えたいと奮闘される親御さんは沢山いらっしゃるかと思います。学歴や所得以上に「人生の選択を自分でした」ということが、幸福度だけでなく、目標達成力や責任と誇りにも影響するということが論証されたのです。
一昔前の教育の在り方から考えると、現在は「子どもの意志を尊重する」という子育ての主流が浸透してきていると思います。
なんでも自己決定させればいい?
ただ、実際に子どもにすべて「自己決定」させるのはとても大変なこと。
ワーママをしながら5人を育てた私の場合も常に異年齢の小さい子どもがいて、環境柄ワンオペ育児にならざる得ない時も多々ありました。そういった状況ですべて「子どもに自己決定」をさせていたら、まちがえなく私の気が狂って育児ノイローゼになっていたことでしょう。
また、子どもの意思決定を常に意識してこられたのに、不登校やひきこもりになって悩む親御さんも少なくありません。
ピボットは、子どもの健やかな育ちに一番大切な栄養は
お母さん(お父さん)のごきげん度
だと思っています。
子どもの意思決定を尊重することは大事ですが、親御さんが大変になりすぎる形は悪影響すら及ぼしかねません。
自己決定に我が家ルールを
では、どのように子どもに自己決定をさせていくのがいいのでしょうか。
大切なポイントは2つ。
年齢別 親の選択肢×子どもの自己決定
子どもの自己決定×責任
1.年齢別 親の選択肢×子どもの自己決定
自己決定は年齢別にしっかり見なおしましょう。
2歳3歳のような小さな子どもにすべて自己決定させては、親は疲労してしまいます。いくらもう少し公園で遊びたいと言っても、「今日は悪いけどここまで!!」と泣き叫ぶ子を担いで家に帰ることもありだと思います。
もちろん、落ち着いたら
「今日はもう少し遊びたかったよね。もう帰ってごはんの時間だったから、また日曜日はたっぷりあそぼうね」
などと声をかけてあげることで子どもの安心感につながります。
内容によっては、2,3の親にとってOKな選択肢の中から、子どもに決めてもらうという練習を始めるのもいいと思います。
小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、と段階を経るにつれて、親の価値観だけでない情報を一緒に学びながら、選択肢を増やして、子ども自身がこれだと思える決定を行えるようにサポートしていきましょう。
親が自分の思う価値観をシェアすることももちろんOKです。その時には、
「お母さんとしてはこう思うけれど、それがすべての答えとは限らないよ」ということが伝わるように、選択肢や社会の状況なども一緒に考えることが大切です。
最も大切なのは、小さい頃は社会の大きなルールを理解するためにしっかりと、そして少しずつ本人を信じて任せる部分を増やし、自立を促していく見直しを行うことです。
2.子どもの自己決定×責任
もうひとつは、
子どもの自己決定には責任が伴う
ことを少しずつ学ばせてあげることです。
自分が決めることによって生じる仕事はできる限り自分で行わせます。
たとえば、理由があって習い事を休むときは、その理由を先生に本人からも伝えさせる、などです。
言葉にするコミュニケーション力、また、先生との信頼関係を大切にする学びにもつながります。
もちろん、本人ができるだけしたうえで、親から先生に直接連絡が必要な場合はフォローします。
自分で決めたことに関してどう責任取っていくかを、必要な時は一緒に考えてサポートしてあげることで、子どもは自立心、自己効力感を養っていきます。
終わりに
今日は、人生の幸福度をあげる「自己決定」を子どもにさせるときに気をつけるポイントについて
の2点の我が家ルールを作るご提案をしました。
子育てに正解はない、大切なのは、沢山の情報の中から自分たち、そして子どもにあった形を模索し作っていくことだと思います。
子どもたちは幸せな未来に向かって自分を育てる力をすでに持って生まれてきているとピボットは信じています。
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