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【建築屋】アラフォールーキーの爽快5《壮年期突入》

 40歳を過ぎると途端に自身の変化を意識させられてしまう事柄が増えた。

 まずは、体力の衰え。

一日中滑っても滑りたりなかった30代。一緒に滑ってた子供たちから、もう帰ろうよーと言われる始末だったのに、最近は半日でヘロヘロになってしまう。

 そして、精神の安定。

身に起こる出来事は、大抵過去に類似の事象を経験済みの事ばかりで、悪く言えば人生のマンネリ化。年間通してもほぼお決まりのルーティーンで生活を送っていた。まぁお気に入りの生活ではあったが…

 その他にも身体、精神の変化は多々あった。

中でも耐え難かったのは、仕事に対するモチベーションの枯渇。

機械系の設計業務は前職も含めればかれこれ20年を超えていた。

もともとは大のお気に入りの仕事であったが、精神の変化に伴って、興味の方向が変わっていた。

それまでは大好きな絵を描く作業をもとに人に喜んで貰えることを励みとして設計に携われることに満足していたが、エンドユーザの生の声を、満足感を直に感じたいという欲と、エンドユーザ自身の希望を直に叶えたいという欲が生まれていた。

さらに自分自身の真の興味にも気付いていた。

それは人が好きだということ。

それに気づき、より多くの人に接して、より多くの人の笑顔に関わりたいという欲を抱くようになっていた。

 残念ながら当時の業務、会社にはその欲を満たせる環境としては十分なものはなかった。そして、仕事に対する楽しみを完全に見失ってしまったのだった。

 我が家は、私の実家での同居である。
子供たちが小学生に進学する頃に家を増改築した。その際の間取り図は私が描いた。
そして私の図面通りの仕上りで現在住んでいる家が完成した。

その時の楽しさから、私は住宅建築に興味を抱いていた。

 また、人と接すること、人との会話がとても好きだと自覚した私は営業職に携わってみたいとも思うようになっていた。

 高専の同級生に長岡のハウスビルダーに転職していた奴がいて、この頃には取締役付の部長になっていたのだが、何気に自身のそんな話をしていたら、ちょうど新規にリフォーム部門を立ち上げる構想をしているとのことだった。

そこで半分冗談で
「俺にその部門の営業やらせてみね?」
と言ったところ、

「それ、面白そうね」
と向こうも冗談半分で返してきた。

 その後まもなく、お互いの状況が二転三転したことも手伝って、この冗談話が実現に向けて急ピッチで動き出すことになる。

 

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