未経験・独学大学生がUI/UXデザイナー新卒就活でポートフォリオをつくったはなし
みなさん、ポートフォリオつくってますか?
ちょうど夏インターンなどがありポートフォリオをこれからブラッシュアップしていく!とかこれから制作はじめる!みたいな方が多いのではないかなと思います。
私は今年大学4年生となり、去年からUI/UXデザイナーとして21卒の就活をやっていたのですが、やっとこさ一段落し、未経験・独学の総合大学出身(商学部)でもポートフォリオをつくって2021年からUIデザイナーとしてなんとか働くことができるようになったというおはなしを共有していきたいと思います。今回は、ポートフォリオの制作過程をメインにお話しします。
現在のポートフォリオはこちらから▼
自分自身は美大・芸大出身ではなく、総合大学出身で、デザインを独学で学んできた人間なので、同じように美大・芸大出身じゃない・独学でデザインを学んでいるけれど、UI/UXデザイナーに挑戦してみたい!と思うような人にも届けられたら、参考にしてもらえたら、嬉しい限りです。
私について
まず簡単に(?)自己紹介をしていきたいと思います。こんなやつでもデザイナーになれるんだなー、と軽く読み流してもらえたら。
私は現在慶應義塾大学商学部に通っており、今年4年生になりました。小さい頃から絵や漫画を描いてきましたが、Francfranc(お部屋全部FrancfrancかZARA HOMEで揃えたい)のようなインテリア雑貨屋さんを開きたい!と思い、経営学や商業学などが学べる商学部に入りました。
大学生活のアルバイトやサークルの活動で、絵を描いてきた延長線上でチラシをつくったり、ロゴやパンフレットをつくったりしていました。また、長期インターンも始め、Instagram用のクリエイティブやバナーなどもちょこっと担当するようになり、夏にはUIデザインのインターン合宿にも参加し、どんどん「デザイン」という沼にのめり込んでいくように。
ただ去年(3年)の夏はデザイナーとして就活をするか、総合職で就活をするか迷っていました(夏インターンは総合職も受けてた)が、秋冬頃にはデザイナーとして就活をすることに決め、ポートフォリオ制作を本格化させました。
ポートフォリオ変遷のスケジュール
7月 1回目のポートフォリオ作成
8月 UIDAに参加し、刺激を受ける
9-10月 2回目のポートフォリオ作成, 21卒のエントリー始める
11月 サイバーエージェントの弟子入りインターンに参加
11-12月 3回目のポートフォリオ作成, 初めて内々定もらい一安心
1月 Goodpatchの1dayインターンに参加
2-3月 4回目のポートフォリオ作成
こういったスケジュールで、就活と平行しながらポートフォリオはブラッシュアップを重ねていったのですが、大きなブラッシュアップで数えると計4つ(最初のポートフォリオは本当に貼り付けただけだったので厳密には3つかな)のポートフォリオを制作しました。
それぞれの制作期間は大体1~1.5ヶ月くらい。実は、3つ目(11-12月で制作した)のポートフォリオで完結させよう...!と思っていたのですが、1月末に行ったGoodpatchの1dayインターンでもらったフィードバックに刺激を受け、もう一回一から作り直したのが就活での最終ポートフォリオです。これから1つずつ、制作したポートフォリオの変遷を書いていきます。比較しやすいよう、同じ作品をキャプチャーしています。
1つ目のポートフォリオ
最初につくったポートフォリオは、本当にただ制作物を貼っつけただけのWebサイトでした。文章もほぼなし。これでよくサマーインターン通ったなと思ったほど。
このポートフォリオは、「UIDA」というサイバーエージェントの開催するサマーインターンに参加するために7月頃制作したのですが、このサマーインターンに参加し他の参加者のポートフォリオを見せてもらったのがきっかけで、次のポートフォリオのブラッシュアップにもかなり熱が入りました。その時の感想はこちらから▼
ちなみに、このサイトは「PORTFOLIOBOX(ポートフォリオボックス)」というサービスで制作をしました。画像・文章を載せられてレイアウトも色々変えられる、サクッとポートフォリオをつくってみたい!という方にとてもおすすめのサービスです。
他にも同じようなサービスはたくさんあるので、まず簡単につくってみよう!という方は是非参考にしてみてください。
・Resume
・Adobe Portfolio
・ViViViT
・ReDesigner for Student
とりあえずつくってなんとかサマーインターンに参加できたのは良かったですが、反省点は山のようにこんもりとありました。大きく挙げるとこのような感じです。
🙅♀️ 1回目の反省点
・正直やる気が感じられない
はい。これがこのポートフォリオの急所ですね。正直画像を貼り付けてちょろっと文を書いただけのものだったので、かなりひどいものでした。人事の方に見せるのにはかなり不誠実なポートフォリオだったんじゃないかなと思います... 。
・作品の情報がわからない
画像をどーん!と載せるだけで、背景や制作過程などが全くわからないポートフォリオとなっていました。
2つ目のポートフォリオ
サマーインターンで自分のポートフォリオの雑魚加減に悲しくなったと共に、サマーインターン参加者のめちゃくちゃ良いポートフォリオに触発されてつくったのが2つ目のポートフォリオです。制作期間は9月くらい。この時もう新卒のエントリーが始まっていて、このポートフォリオで選考に進んだ会社もありました。
自分が就活で受ける事業会社ではポートフォリオは紙媒体が良さげとの情報を小耳に挟み、この2つ目のポートフォリオは紙媒体で印刷することを前提として制作しました。
今回意識したのはポートフォリオをちゃんとデザインする!ということ。前回の反省点の「1.正直やる気が感じられない」を深く反省し、色々な人のポートフォリオをインプットしながら自分なりに作成していきました。
とても参考になったのは、「はたらくビビビット」の「ポートフォリオ百科」!UI/UXデザイナーの方のポートフォリオだけでなく、様々なデザイナーの方のポートフォリオと制作過程などを見ることができるのでとてもおすすめです。
🙆♀️ 改善した点
・ポートフォリオをちゃんとデザインする
デザイナーたるもの、ポートフォリオも作品の1つ。適当につくってしまうと見てもらう人に誠意が伝わらないと思い、様々なポートフォリオを参考に自分らしさのあるポートフォリオをデザインしました。
・作品の背景や制作過程を載せた
前回本当に雀の涙ほどしか文章を載せなかったのに対し、今回は作品の背景や制作過程などを載せたことで少しは作品について理解してもらえるポートフォリオになったかなと思います。
🙅♀️ 2回目の反省点
・自己満足なポートフォリオになってしまった
サマーインターンに参加したことにより、ポートフォリオをつくりたい!つくりたい!という気持ちが先行してしまい、どういう会社に見てもらいたいか?ポートフォリオのなにを見てもらいたいのか?なにが求められているのか?を全く考えられていない自己満足なポートフォリオをつくってしまいました。改善点では作品の背景や制作過程を載せたと書きましたが、これも自己満足なものになってしまっており、必要な情報を適切に載せることができていませんでした。
・つまらないポートフォリオになってしまった
人事の方は何百ものポートフォリオを見なければならない、という考えが抜け落ちていました。統一感を意識しすぎるあまり、他の作品もこの作品とすべて同じフォーマット・レイアウトになっていて、すべての作品が同じような印象になってしまっていました。雑誌などを読んでいても、同じ印象のページはなく楽しく読めるのに対し、自分のポートフォリオは単調で、読んでいてとってもつまらないものになってしまっていたのです…。また、ポートフォリオのサイズもA4の横幅×A4の横幅の正方形のサイズだったため、肝心の作品自体が小さく、見辛くなっていました。
3つ目のポートフォリオ
3つ目のポートフォリオは、これで最後にしよう...!と思って制作したポートフォリオでした。11月にサイバーエージェントの弟子入りインターンに行き、そこでかなりのフィードバックをいただき、11月中旬~12月中旬くらいまでの期間でブラッシュアップを行いました。
このポートフォリオで一番意識したのは、「読んでいて楽しい、伝わる」ポートフォリオを制作すること。前回の反省点のつまらないポートフォリオを反面教師とし、それぞれの作品の推しポイントをつくり、それが一番伝わるようなレイアウトにしました。また、統一感は最低限出すものの、ページの雰囲気も作品ごとにガラッと変えることで、読んでいて楽しんでもらえるように意識しました。
そして今回も様々なポートフォリオを参考にしましたが、前回よりもインプット量を増やしました。ポートフォリオだけでなく、雑誌のレイアウトを学んでみたり、広告を参考にしてみたり。また日本だけではなく海外のデザイナーの方のポートフォリオもかなり刺激的で参考になりました。「notefolio」というサイトでは韓国の方のポートフォリオが見られるのですが、本当にどのポートフォリオも素敵で心拍数が上がりっぱなしでした。
🙆♀️ 改善した点
・つまらないポートフォリオからの脱却
前回すべての作品を同じ構図同じレイアウトでデザインしてしまっていたため、かなりつまらないポートフォリオになってしまいました。色々なインプットをし、統一感は残しつつも、作品や制作過程に合ったページをそれぞれデザインすることを今回はかなり意識しました。
・情報の精査
前回の自己満足なポートフォリオになってしまったという反省点を活かし、今回はポートフォリオを見る人がどんな情報が必要か、何を見ているのかということを選考をされる方に聞いたり調べたりし、ポートフォリオに落とし込みました。
🙅♀️ 3回目の反省点
・自分が一番やりたいことがポートフォリオに反映できていなかった
就活というのは選考を受ける会社とのマッチ度合いがやはり重要になってくると考えています。だからこそ、もちろん選考を受ける会社が求めるものを準備することは重要だと思いますが、自分がこれからやっていきたいことをポートフォリオに反映することが結果としては必要になるのかなと思います。今回のポートフォリオでは、全体を通してみた時にビジュアルのデザインをメインに作成してしまっており、自分が一番やりたいこととは少し離れたポートフォリオを作成してしまっていました。
4回目のポートフォリオ
3回目のポートフォリオで最後にしよう、と考えていたと先ほど書いたのですが、1月末に行ったGoodpatchの1dayインターンでポートフォリオのフィードバックを頂き、媒体を変えて一から作り直すことに決めました。なぜかというと、「内定をもらいたい」という気持ちがはやってしまい(もちろんこの気持ちは就活において重要なことだとは思います)、本当に自分のやりたいことが何なのか、ということをきちんと振り返ることができておらず、ポートフォリオにも反映させられていなかったことに気づいたから。就活において自己分析なんて初歩的すぎるやろ!と思うかもしれませんが、ポートフォリオとそれを結びつけることが私にはできていませんでした。
それを4回目のポートフォリオでは反省し、2~3月の期間でWebサイトの形態でポートフォリオを作成しました。やはり紙媒体だと実際どう動くかなどはイメージしづらい部分があるため、ビジュアルだけでなく、遷移や動きも伝えることができるWeb媒体を今回は採用し、サイト作成には「STUDIO」というノーコードでサイト作成ができるツールを使用しました。(とても使いやすくおすすめです!最近STUDIO 3.0でアニメーションも使えるようになって感激している...)
今回私が意識したのは、メリハリをつけること。Web媒体を採用したために、紙媒体と比べるとやはりレイアウトが制限されてしまい、制作過程をしっかり載せた長いコンテンツは単調になってしまうと感じたので(実際他の人のポートフォリオをいくつか見ていてそう感じました)、Web媒体でも画像やレイアウトでメリハリをつけることを意識しました。
また「なぜこうしたか?」という問いに対する答えをしっかり持つこともかなり意識しました。デザイナーにとっては初歩的なことですが、つきつめて考えていくとぱっと言語化できないことがあったので(日本語力ェ...)もう一度自分で「なぜ?」を問い直しました。
🙆♀️ 改善した点
・自分のやりたいことをポートフォリオに反映した
前回の反省点を踏まえ、もう一度自己分析をしっかりしました。その上で自分の今までやってきた、これからやりたい、を反映して、それが理解してもらえるような内容のポートフォリオをつくれるように取り組みました。
まとめ
最後に全体を通してこうポートフォリオをつくるといいなと気づいたポイントに関してまとめたいと思います。
✔️ ポートフォリオをつくるとき意識したポイント
・ポートフォリオも1つの作品
どれだけ載せる作品が良くても、ポートフォリオが良くなければ魅力は半減してしまうかなと思います。ポートフォリオはかける時間が良くも悪くも自由なので、答えはないと思いますが、私はその時その時の最善をつくし時間をかけて作成しました。
・見る相手を考える
先程のポートフォリオも1つの作品というところにも通じると思いますが、誰が見るのか?そしてその人がどのような情報を求めているのか?見ていてつまらないものになっていないか?といったユーザー視点で考えることは必須だなということを感じたので、ポートフォリオこそ徹底的なユーザー視点を!
・自分がやりたいことを見つめ直す
今回のポートフォリオは就活のために作成したものなので、4回目のポートフォリオの改善点でも書きましたが、自己分析をしっかり行い、その自己分析とポートフォリオに矛盾がないか、線で繋がっているかどうか、ということは振り返るのが良いと思いました。ユーザー視点だけではサービスは成立せず、「自分たちが何を成し遂げたいのか」というビジョンが必要不可欠であるように、ポートフォリオでも自分自身のビジョンが必要になってくると思います。
・フィードバックを沢山もらう
インプットを沢山することも重要ですが、フィードバックをもらうことももちろん重要です。特に総合大学の人などは周りにデザイナー仲間も少なく、フィードバックをくれる人が少ないと思うので、インターンや知り合ったデザイナーの人に積極的に見てもらったり、デザイナーの人以外にも見てもらったりすると様々な視点のフィードバックを得られるので、勇気を出してたくさんのフィードバックをもらってください!
もちろんこれでポートフォリオをつくるのは終わりではなく、アップデートし、つくり続けます。
就活に関して、決して楽なものではなく苦しいことの方が多かったという印象が大きいです。一時期自分に絶望してしまうようなことなどありましたが、なんとか生きています。もちろんこのポートフォリオをつくった方法がばっちり正解というわけではなく、一人ひとりにあった作り方があると思いますが、ポートフォリオをつくる人に向けて、自分自身が納得できる就活をできるように、このnoteが1ミリでも役に立てば嬉しいなと思います。
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