「共通言語を持とう」
オットがリハビリ病院に転院して約1か月。
おかげ様で数値の経過も良く、ゆっくりではあるが筋力も戻りつつある。
実はこの病院は、昨年も1度長期入院したところなのだが
今回は前回とは違うOTさん、PTさんが担当についてくれた。
前回の担当さんも良い方ではあったのだが、
1年目の新人さんと、かなり天然ボケの中堅さんで
おもしろくはあったがいろいろ苦労もした(またおいおい書きます)
今回は、3年目くらいの方と、めちゃくちゃしっかりした中堅の方。
この、中堅のTさんがね、めちゃくちゃ当たりでした!
前回の入院でも担当ではないけれど、リハビリに入ってくださることが多かった。「Tくんのリハは痛いけれど、めちゃくちゃ効くんや。」というお話をオットからよく聞いた。
そのTくんが今回は担当になってくれて、入院してすぐ
「オットさん、ぼくたち、共通言語を持ちましょう!」
と言ってくれたらしい。
というのも、オットは根っからの体育会系。
体育大の授業とか聞いたら軍人やん、と思う。
はるか何キロ先の島まで泳いで生きて帰ってこい!という遠泳の授業や
2~3の山をひたすら1週間かけて歩き続ける山のぼりの授業・・・
(しかも、オットのグループは1日目でおやつ全部食べちゃったらしい)
ゴール地点に、1つだけめちゃくちゃ古い売店があって
そこに売っている駄菓子とカップヌードルは、人生で食べたものの中で一番ウマかった。って言ってた。
この体育大のエピソードは山のようにあって、私はいつも掘り出してはおなかを抱えて笑っているんだけれども
何が言いたいかというと、こんな環境で育ってるもんだから
「やります」「できます」「喜んで」
この3つのワードしか知らないのだ。
「できない」「無理」なんて私ですら聞いたことがない。
このリハビリ病院は9割シニアが入院しているので、
病院のあちこちで
「膝がイタイ」「もう無理」「殺す気か」「やらない」
などと、ストライキにも見えるようなシニアと
「やらないと良くなんないでしょ!!怒」というスタッフとの攻防が毎日あちらこちらで繰り広げられている。
その中で、「あと3回やります!」「外周もう一周!」などとスポコン丸出しなオットは異彩を放っているのだ。
しかし、注意しないと、オットの持病は
「筋肉を使いすぎると、免疫が自分を攻撃して筋肉を壊しだす」
というめちゃくちゃに厄介なもので、
「どこからが使いすぎ?」というのが、オットも、わたしもわからない。
もちろんお医者さんも、リハビリ病院のスタッフだってわからないので
時々血液検査をしながら、様子をみてリハビリを調整してもらっている。
そんな中、オットの軍人スタイルは、必ずしもいい方に転ぶわけでないため、リハスタッフの皆さんはちょうどいいところで止めてあげないといけない、という任務も背負っているのだ。
前置きが長くなってしまったが、そんなオットにはじめて
「共通言語」を持ちかけてきたのがTくんだった。
「まだいけますか?」には条件反射のように「いけます」と答えてしまう癖があるとすっかり見透かされてしまっていたので、
リハの時、ぼくが「どうですか?」って聞いたら
①「いける」 ②「痛いけど、我慢できる」③「痛い(無理)」
で番号で答えるようにしませんか?
と提案してくれたのだ。
そしてオットは前々から思っていた疑問をTさんにぶつけた。
毎朝健康チェックがあって、
「1~10だと今日の体の調子はどのくらい?」と
いう質問がお決まりなのだが
これって意味あるの?とオットは思っていたらしい。
5=普通ととらえるとしたら、
俺の普通ってなんやねん。と。
薬と病気のせいで、ずーっとだるい。体のどこかは痛い。
これが今の俺の普通なんやが。これは5なわけ?
と、なんと数字を出せばいいかわからないと思っていたらしい。
その話もTくんにすると、
じゃあ、
4=リハできなくはないけど、明日に響くかもと思うくらいのダルさ
とかそんなかんじで細かく決めていきますか??
と提案してくれて、1~10を言語化して貼りだしてくれたらしい。
自己表現が苦手なオットにとってこれは超画期的な発案だった。
だって、あなたの3とわたしの3も違うし、
あなたの8とわたしの8も違うだろうもんね。
曖昧な感覚で済まされることならいいけれど
この調整がオットの筋肉状態の悪化に直接につながると思ったら
めんどくさい患者だと思われても、これくらい細かく気を遣っていただけると本当にありがたいな、としみじみ感謝した。
共通言語を持つ ってこれからの夫婦関係を良く保っていくのにも
良いヒントになるかも!と思ったのでした。
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