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分かり合える似たもの同期―梶原×石田という名コンビ―(前編)


この2人の関係が、面白くて。

最近、この動画を気がつけば観ている。



この2人は、吉本興業の同期芸人。

西野亮廣&梶原雄太が組む”キングコング”も、井上裕介&石田明が組む”NON STYLE”も、M-1グランプリ決勝ファイナルの舞台を経験している、実力のある漫才コンビだ。キングコングは2007年大会3位、NON STYLEに至っては2008年大会で優勝をしている。

同期だからといって、ずっと密に交わり切磋琢磨できる状況だったかというとそうではない。

キングコングは、NSC在学中から早々と漫才の賞を獲るなど異例の活躍をしたものだから、他の同期との関わりがもてない状況だったし、その姿にやっかみも受けていたのでますます同期とは距離を縮められないままだった。

2018年に、”カジサック”として梶原さんはYouTubeを開設したが、そんな背景もあって、今までなかなか話せなかった同期芸人とのトーク企画を大事にしていた。

その中で、「芸人がYouTuberなんて」と多くの批判を浴びながらも、”カジサック”として彼が奮闘する姿を前向きに捉え、応援してくれていた同期のひとりが、この石田さんだった。

ちなみに、”カジサックの部屋”初登場の動画はこちら。

石田さんはこの後、3か月に一度のペースでカジサックのチャンネルに出演。今や、準レギュラーの”石サック”になっているほど、視聴者からの人気もすごい。出演に対して非常に好意的で、チャンネルを設立して間もない初出演のときも「ギャラなんかいらん」と言い喜んでオファーを受けた。その後の出演回でも、「俺なんかでよければなんぼでも出る」と言っている。紳士だ。



普段、TVで共演なんてこともあまりなく、交わるイメージがないこの2人だが、実はこの2人には、分かり合える共通点が本当に多い。


大きく言うと、性格的なこと。

自信がない、不安を感じやすい、人見知り、気を使ってしまうなど、ネガティブ要素が強い。

漫才の中ではお互いにボケで、明るくよく動く役どころを担っているところも共通しているが、本来はいろいろ考えこみやすかったり、自分から積極的に前に出ていけるタイプではなかったりする。

梶原さんは、決めたことには一直線なアツい性格ではあるが、周りに助けを求めることが苦手で、ゾーンに入ると抜け出せなくなるようだ。デビューして数年後、心身を崩壊させ失踪事件を起こしてしまったし、M-1に向けて力を入れている期間には円形脱毛症になっているのを、TVで観て覚えている。また、本人いわく、ひとを信じることに時間がかかる。デビューしてすぐ周りからやっかみを受けてしまったことも手伝って、ひとをなかなか心から信用できず、自分から誰かに声をかけたりしないし、”カジサック”になるまで本当の自分を見せるということをしてこなかった。

石田さんも、ある動画の中で自分から梶原さんに「精神弱い同士な」と言っていた。石田さんの場合、梶原さんのような目に見えるアツさはあまり感じられず温厚で、自分からひとを飲みに誘うなど、”自分発信”のことがなかなかできないようだ。自分が面白いという自信がないと話す。そして、過去に精神を患った経験があると聞いたことがあったが、調べたら記事があったので一応載せておこう。

ひな壇のトークで苦労したことまで、一緒じゃないか。

そして、血液型や、ジャイアンツファンということまで、一緒じゃないか。

楽しくなってきたぞ。


この2人、性格が似ていることから派生して、

相方があまりに明るすぎるという共通の悩みも持っている。

梶原さんの相方である西野さんは、”コミュニケーションお化け”と称されるほど人と関わることがだいすきだ。自分の知名度とか関係なく一般人の集まる中でいきなりウクレレを弾き始めたり、仕事で海外に行ったときは夜に現地のひとと花火をしていたり、自分が世間に叩かれているときにアンチを集めて直接話す会を開いたりしてしまう。ハイパーパイオニアである西野さんは、「ひな壇の番組には出ない」「肩書を絵本作家にする」など、今まで他の芸人さんが考えなかった道を選び、バッシングを浴び続けながらも結果を出し続けていくだけの強靭なメンタル、バイタリティーの持ち主だ。

井上さんは、”ナルシスト”や”ポジティブ”を、漫才のキャラ通り、もう自分のものにしている。SNSでどんなに悪口を言われても、それ以上のポジティブな言葉でどんどん返していく。裏で凹んでいるのかと思うと、石田さんの話を聞く限りそんなことはなさそうで、”あなたなんかに言われても別に” 的な感じで、そもそも同じ土俵に立たないようなひとらしい。ちなみにNON STYLEは結成が養成所ではなく、路上で漫才を始めたことがきっかけだったらしいが、そのときのエピソードも井上さんがの性格がよくわかって面白いので、それを話している動画をあげておこう。



そして、お2人の性格から私が思う共通点。

人見知りだけど、ちゃんと”ひと”のことをみている。


普段、人の輪の中に積極的に入るタイプではないひとほどこの傾向が強いことは、私の経験からも予想はできるが、このお2人も、見ているとそれに当てはまる要素があるなと思う。

梶原さんは、過去に飛んだ(心を壊し失踪した)ときのことを”しくじり先生”という番組の中で語っていた。その中で、自分がそのような経験をしたこともあるが、過去に出演していた”はねるのトびら”の収録中、過去の自分の状態(手の震え、心ここにあらず)と同じメンバーを見つけ、声をかけたという話をしていた。梶原さんがその時声をかけ、じっくり話を聞いたおかげで、そのメンバーは飛ぶことなく、活動をし続けることができた。これは、いくら自分が経験しているからといって、目と心でひとをよく見るひとじゃないと気づくことはできないと思う。飛びそうなひとは見てわかる、と言うし、自分と同じ人見知りなひとも”嗅覚”で分かるという。きっと、私のメンタルの状態なんかも、どこかで会うことがあったら気づかれるんだろうな(ないけど)。YouTubeを始めるにあたって、まずチャンネルに呼ぼうと思った同期が石田さんだったことからも、”同じ匂いがする”ことを感じていたのだろう。

石田さんも、同期に対して素の自分を出さない梶原さんのことを、実は自身と近いところにいる存在だろうと気づいていたように見受けられる。これまで梶原さんとじっくり話す機会はなく、むしろ石田さんが仲が良かったのは相方の西野さんだった。だが初めてカジサックのチャンネルに出演したときに、梶原さんのことを「この世界に入って暗くなったんだろうな、今までは明るく生きてきたんだろうな、隣についた奴(相方)が間違いだったんだろうな」などと分析し、「大正解!」と言わしめた。そこから、共通点が多いことで盛り上がり、結局計8回の動画に出演することになった。

これは、お互いのことに限ったことでなく、おそらく他のひとに対しても、それぞれ同じようによく見て性格、変化に気づくことができるひとたちなんだろうなと私は予想する。ひとの感情を動かす職業ということもあるが、相手の心を敏感に感じ取り、信頼さえできれば、手を差し伸べられるやさしさを持っていると思う。

”信頼さえできれば”、が結構重要だったりするのだけれど。




、、、、、、結構、このお2人のことについて書きたくて時間をかけていたのだけど、なかなかうまくまとめられない。一回、ここで区切って投稿しておこうと思う。

この飲みトークの動画で思ったことがまだまだあるので、また後編として書きます。

中途半端だけれど、お許しください。



読んでいるかたがもっと楽しくなる記事を書けるようになりますように。

未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。