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彼が愛される理由―ニューヨーク嶋佐のソロラジオ―

今、私が注目していて、メディアに引っぱりだことなっているお笑いコンビ、ニューヨーク



毎日充実してはいると思うが、ここにきて結構疲れ始めているなぁと、感じていた。



そんな矢先。






ちょっとびっくりしたし、コンビで片方だけが濃厚接触者と判定を受けるというケースが珍しいので、最初、どういうことかわからなかったが、ふたりとも元気ではあるようで安心した。

と、同時に、

屋敷さんは特に、前回の『ニューヨークのニューラジオ』で結構ストレスがたまっているのを感じて心配だったから、これを機会にちゃんと家で休めたらいいなと、不謹慎ながら少しほっとした。

元気で、いてもらわなくては。



ちょうど、日曜日にはいつもの『ニューヨークのニューラジオ』が控えていた。YouTubeでの生配信はどうなるのか、リモートで屋敷さんが参加するなどあるのか、配信自体がないのか。気になっていた。




22時。

嶋佐さんと作家の奥田さん、ふたりきりの空間。


「ニューヨークの、ニューラジオ!」


という、タイトルコールは嶋佐さんひとりの声。

配信がスタートした。

いつも、主に進行するのは屋敷さんなので、嶋佐さんの慣れないひとり喋りに少し笑っちゃいながらも、チャット欄には視聴者から「がんばれー!」のコメントがどんどん流れていく。

格闘技がだいすきな彼は、その日あったRIZINのことなど、彼なりに必死にトークを続ける。


そして、ニューヨークの活動のこと。


この先2~3週間は、嶋佐さんがひとりでできる仕事をやっていくそう。

LIVEのキャンセルのことなど、謝罪をしていたが、SNSではすでに、多くのLIVEのキャンセル、中止のお知らせが飛び交っていて知っていた。私はつらいなーという気持ちと同時に、メディア以外にもこんなにもたくさんのステージでの仕事があったのか、これはいつ何があってもおかしくないな、ということを痛感していた。

どうやら屋敷さんは完全に自宅待機、休みという形らしく、リモート出演の話もない。

YouTube動画のストックもなくなるので、作家さんと嶋佐さんでロケに行ってきたという話もあった。




「という感じでねー、もうないですよ喋ること。」


と、ラジオにおいてまさかの発言。

スタッフさんは笑う。


「うそ、まだ14分やん!!!!!」


スタッフ「笑wwwwwwww」



「、、、、、、すごい伊集院さん。」


スタッフ「爆笑wwwwwwwww」


ひとりで話すのは、やはり苦手らしい。1時間もつかな、大変そうだな、、、、、、と心配していたら、




嶋佐「、、、、、あれ?野沢がきた⁈ え⁈」



ちょうど、隣の部屋にいたニューヨークの同期、ダイヤモンドのふたりが、生放送中に乱入してきた。


「ひとりでやってるって聞いてさ」

「YouTubeチャンネルの告知してもらおうと思ってさ」


嶋佐さんは、


「助けて!」

「居て居て!!!!まず居て!!!!」

「ありがとう、助かったーーー!!!!」

「というわけでダイヤモンドがきてくれました!!!!」


と、びっくりしながらも大歓迎。


ゲストとしてしばらくいてもらい、YouTubeチャンネルの話、『おもしろ荘』で優勝してからの近況などを聞いていた。

ダイヤモンドのふたりはちょうど、YouTube撮影しようとしていたときに、ニューヨークのニューラジオを再生してみたら嶋佐さんがひとりで喋っているので、「顔だけ出すか」ということできてくれたらしい。

俄然、嶋佐さんはイキイキ。

ダイヤモンドのYouTubeチャンネルがはねない理由を一緒に考えて、視聴者にも登録を促す。


そして、『ニューヨークのニューラジオ』で来週、再来週もゲストを呼ぶことにしたので、今からブッキングをする、ということで、ダイヤモンドのふたりと別れた。



生電話でブッキング。

まずは次週、お世話になっているダイタクという双子の先輩コンビの、兄の大さんに電話。

大さんは、最初は嫌そうなコントを軽くしながらも、嶋佐さんの必死の説得に「わかった」と承諾。仲の良い後輩など、「何人か呼んでくるわー」という話や、「屋敷被害者の会しようぜ」なんて言いながら、盛り上げてくれた。


その次の週のオファー。

同期のマテンロウというコンビの、アントニーさんに電話。

どうやら、屋敷さんの濃厚接触者判定を受けて、Twitterで反応してくれていたようだった。

、、、、、、やさしい。


電話を受けたアントニーさん、

「27日?あーーーー!」

「民族楽器教室に通わなきゃいけない」

という興味津々なエピソードをぶちこんでくれながらも、その楽器を持っていくわなんて言いつつ、そして、

「ニューラジオ以外にも何か屋敷の代打でできることあったらやるよ」

なんて言葉をかけてくれていた。


2週分のブッキングが完了したところで、嶋佐さんが可愛がっている後輩、そいつどいつの市川刺身さんが乱入。

嶋佐さん「あと30秒で終わっちゃうよ!」と刺身さんを誘い、嬉しそう。

刺身さんも「ひとりでだーいじょうぶーー?」と、明るく先輩をねぎらう。

単独ライブ終わりだったようで、刺身さんが「オンラインチケットよかったらーー!」と宣伝をし、彼と嶋佐さん、奥田さんで「ばいばーい!」と手を振りながら、生配信は終了した。


視聴者も、周りの芸人さんも、みんなで嶋佐さんを応援しながらの、あたたかさあふれる1時間だった。






これは、ひとりでは無理だ。

だから、助けてもらおう。


こういう、シンプルな思考で動ける嶋佐さんって、すごいなって思う。



今の嶋佐さんの状況を私に置き換えたとする。


”自分が今は踏ん張らないと” ”私がやらなきゃ”

という思考しかなくなってしまうのだ。

”自分は相方なんだから、自分がやるのが当然”

という思考しか、私には生まれない。背負うことは当たり前、コンビなんだからと。それどころか、

”これは私に必要な試練だ” ”これを乗り越えることが必要なんだ”

なんて、自分に活を入れてしまう始末。

要領悪いくせに過剰に抱え込みすぎて、やがてつぶれてしまう。

「言ってくれればよかったのに」と言われながら、周りには倍以上の迷惑をかけるはめになってしまうのがオチ。



苦手なことは苦手、これは無理、ということを見極めること、

そして、そのうえで「助けて」と素直に誰かを頼れること。


そして、助けてもらったとき、

「助かった!」「ありがとう!」と、素直に感謝すること。



私は、嶋佐さんのいいところとしていつもあげるのは、このことだ。

ひとに感謝できることにおいて、本当に嶋佐さんを尊敬している。


「ありがとう」が何の苦もなく、すっと言葉になる。

これって、本当に当たり前じゃない。


自分の能力を把握できるひとは、無理せず生きられる。

助けて、が言えるひとは、周りに助けてもらえる。

ひとへの感謝を忘れないひとは、愛される。



そういうことだと思う。



自分の感情に素直で、肩の力が変に入ってなくて。

がんばるけれど、無理はしない。

そういう、ナチュラルな姿勢が、みていて癒しにもなり、笑えもする。


独断と偏見だけれど、私が思う嶋佐和也の魅力はそういうところで、苦手な部分もありのまま、隠したりとかせずにいつもどんとしているところがいい。

MCなどの能力でわかるように頭が良く、冷静に見えて感情が動きやすく繊細な相方屋敷さんと、本当に相性がいいように思うのだ。



屋敷さんのみが濃厚接触者となると、私はどうしても一緒に暮らす彼女さんのことを考えてしまうのだが、どうなのだろう。もし、そうだとしたら、気が休まりはしないだろうな、、、、、、

いずれにしても、3連休を11年間とったことのない屋敷さんが、初めて3週間も仕事をしない状況になる。最初は体が休まるかもしれないが、その先、屋敷さんがポジティブに過ごせていければいいけれど、、、ということも勝手に考えてしまう。


誰もが、感染者になりうるし、濃厚接触者になんてもっとなりうる。


コンビ仕事がなくなってしまったりしているが、同期や仲のいい芸人さんがそこをピンチヒッターしてくれている話も聞く。


どうにかなるんだ。

どうにか、なるようになってくれていないといけないんだ。

こんな世の中なんだから。




私は、

自分には無理だという思考になれなかった。

困ったときに助けてと言えなかった、言う力がない状態まで自分のメンタルを酷使した。そして崩壊した。

挨拶も何もできない状況になったまま、6年目の途中で職場を去らざるを得なかった。


そんな過去を、私はもう繰り返したくない。




自分にもっと、やさしくできたら、心に正直になれたら、変わるのかな。

感謝の心が足りないって、すごく母に言われる。


悩んでいる。



嶋佐さんみたいになりたい。




自分の感情に素直に、肩の力を抜いて生きる方法が、自分で見つけられますように。


そして、ニューヨークのおふたりにパワーを。

体調第一に過ごせますように。




未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。