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SDGsが生み出す未来のビジネス(できるビジネス)|水野正弘、原裕

研究費を獲得するための申請書においても、ものによってはSDGsを意識した文言を書かなければならなくなった。
そのとき適当にSDGsを勉強したが、自分の研究が関連する範囲のみしか調べなかったので全体を知ろうと読んでみた。

この本はSDGsで示す個々の目標を解説する、というよりは個々の目標のつながりや、そこから考えられる今後のビジネスの時流について予測した内容となっている。
実際にSDGsに則った経営をしている会社の紹介や、消費者がSDGsの目標に則した購買行動をする事例なども示しており具体的でわかりやすい。
SDGsに即して何かをやる必要が出た人には辞書的に有用そう。

これからの消費者は合理性や利便性よりも、企業の目的や商品のストーリーなど感情的なところを重視して商品を買ようになるだろう、という話は面白かった。
実際に最近見るブランド品は環境への配慮を謳っているものが多いように思う。
株主がそのような企業に投資をするのだからそうせざるを得ない流れもあるのだろうが。株主が社会を作っているのか消費者が作っているのか、よくわからない。

SDGsは人間が地球に住み続けるために人類一丸となって行う目標を文字にしたものであることがわかった。その点本書はとてもわかりやすかった。
私は研究者という独立したクリエイターを目指しているし、両親もそれぞれが自営業のクリエイターなのでいまいち複数人で一つの目標に向かうおうという流れが性に合わない。
今後自分がSDGsの流れに沿ってお金を稼げる人間になれるかどうか、本書を読み込んでよく考えたい。

SDGsをより身近に感じるための入門書としてや、SDGsに則した行動をするための字引きとして、とてもわかりやすくいい本だった。


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