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【カシノ裏側 vol.6】〜歌詞「あおぞら」のこと

青空、すきです。
青空、きらいな人もいるかもしれない。
でも
青空、いいよね。


そのときわたしは
赤いポリタンクを持って
小学校に向かっていました。

大きな地震があった、
次の日だったかその次の日だったか。
小学校の校庭に自衛隊が来ていて
並ぶ人たちに水をくんでくれていました。

地上は何日か前とは変わり果てていて
人間の数も減っただろうその日。

ポリタンクを持って
小学校に向かう道すがら
なんとなく空を見た、んだと思う。

快晴の青空でした。

その青空は怖かった。

晴れやかで元気で
いつも味方してくれる青空は
そこにはいなくて

どこまでも青く冷ややかに
地上のわたしたちを
静かに嗤っているような

強くそんな気がしたのです。

その日から何年かたってできたこの曲は、
その日のことを書こうと思って
できた歌ではありません。

心のどこかに
あの日の青空がずっと残っていて、
この歌詞を書いたあとに、
ああ。あの日の青空のことだな。
って気がついたんです。

『あおぞら』

青い青い青空だ 
僕はうれしい
悩みごとがひとつずつ
消える ような そんな 気分
うまくいきそうな気がするのさ

青い青い青空が 
わたしは怖い
黙って黙って見ているよ
わたし あなた みんな 地球
ときどき冷たく笑ってる

好きな人と 手をつないで
知らない道を 歩いてみたい
風が吹いて おでこが見えて
君をまたもっと好きになるのさ

ここにいるよ
僕らはいるよ
大切な人の横で


未来はもう弱くなった
きれいな色がしなくなった
だけど今がここにあるよ
悲しくても忘れちゃだめさ

覚えてるよ
産まれたとき
光に向かって進んだ


青い青い青空を
失くしたくない
青い青い青空を
もっと 青く 青く もっと
塗ってしまえ 心のなかで
強く 強く 強く 強く
またかならず笑えるように



作詞:ナガオクミ
copyright©hanapira records 

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