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さゆりんショートストーリー

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1回ごとや、前編後編で読めるショートラブストーリーです。セクシャルな描写もあるので、苦手な方は読まないでね♡笑 ストーリーのどこかにあなたそっくりな存在がいるかもしれません。
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記事一覧

部屋のあかり

部屋のあかり

覗く

僕が彼女の存在を認識したのは、高校1年の秋だった。僕の家から下り坂の突き当りにある、庭の広いあの家に、彼女はいつのまにか引っ越してきていた。僕の家から5軒下った場所なのに、あの家の玄関までは高い階段があるせいで、僕の家とさほど変わらない高さにある。

そのせいで、僕の部屋からは彼女の部屋の明かりや、窓に近づく彼女のシルエットが見えることが度々あった。最初はそのことに偶然気づいたのだけれど、

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聖母の歌

聖母の歌

クリスマスが近かった。
街は煌びやかさと共に、どんどん寒々しくなっていたが、私の心は暖かだった。
これまで生きていて、こんなに心弾んだ日々はなかったからだ。

年老いた私にとっては彼女の歌だけが生きがいだった。

さほど酒も飲めない私だったが、彼女の歌を聴くために、あの酒場へ週に何度も通っていた。
肉体労働で得たわずかな給料のほとんどを、この酒場に通うことで使った。

とはいっても、酒が弱い私は注

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告白のタイミング

告白のタイミング

【ショートストーリー】

藤枝がアヤと出会ったのは友人の結婚式であった。男女の出会いのシチュエーションとしては良くあるパターンだが、この結婚式と言うのが中々変わっていて、全国各地に顧客をもつ編集者の社長が大金をかけて、北は北海道、南は鹿児島で結婚パーティを行うと言う、常軌を逸したイベントだったのだ。
その結婚式ツアーイベントで、カメラマンとして仕事をしていたのが、アヤだった。
会場で気になった女性

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消えたい欲望

消えたい欲望

呼吸が苦しい。

私はなぜこんな夜に、海沿いのアスファルトをひたすら走っているのだろう。

吐きそうだけれど、吐けない。

苦しいけれど、立ち止まることもできない。

まだ、まだ。

きっと、もう少し走った時に、

倒れそうな時に、何かが変わるかもしれない、なんて淡い期待があるのかもしれない。

走ろうが何しようが、世界は何も変わらない。

きっと残酷なまま。

でも、あと少しだけ。

本当に倒れ

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元カノ、という女

「聞いた?お前の元カノ、彼氏できました~って、SNSに写真載せてるらしいよ。」

「へえ。ま、よかったんじゃね?ま、もう関係ないしな。」

僕は友人の前で、できるだけ関心なさそうなそぶりをして、つけたばかりの煙草を灰皿に押し付けた。

「そっか、そうだよな。別れてから全然会ってないんだったよな。」

「うん、ほら、こっちもさ、今の彼女が嫌がるからさ。」

「そっか。でもそんな風にSNSにわざわざ出

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オサムとシュウとお弁当

「ほんっとお前のお母さんって料理上手いよなぁ。」

シュウは、うちに来るたびに毎回同じことを言うな、とオサムは思った。

シュウは父親と二人暮らしだけど、父親の仕事が不規則で帰りも遅いから、ほとんどうちで晩飯を食うのが当たり前になっていた。

母ちゃんも、シュウがいる方が嬉しいみたいで、毎日シュウのぶんまで準備している。

俺たちは偶然、同じ文字で「修」と書いて、オサムとシュウ、それぞれ別の読み方

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縁者な僕ら

縁者な僕ら

    「あ~もうイライラするなぁ~なんで女ってあんなに責任感ないの?」

 私が愚痴を聞かせるために呼び出した男友達は、

 「まあ、そんなもんでしょ、女子は。」

 とさらっと話を終わらせた。

 居酒屋の目の前に置かれたメニュー札に、 

『おかげさまで3周年!最初の1杯すべて半額』と書いてある文字を見て、

私はふと思い出す。

 「ね、そういえば、もうすぐ誕生日だっけ?」

 「あ、そう

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