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PB商品開発にファンの手を借りるワークマン

飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びている
ワークマン。
ここ5年ほどで売上高は倍増。
「ワークマン女子」
「アウトドア拡充」
など、何かと話題性の高い取り組みを
次々と実行に移し、
メディアに登場する回数も多い。

今朝の日経新聞に、ファン100人と
タッグを組んでPB開発
をするという
記事が出ている。

ワークマンの商品を使ってくれている
YouTuberやブロガーを対象に、
PBの商品開発で協力してくれる
ファンを募る。
社内視点ではなく、あくまでユーザー目線の
機能やデザインを加えたい
という意図だ。

ファン、あるいはインフルエンサーを、
販売促進目的で活用する動きではなく、
もっと上流の部分である商品開発から
巻き込んでしまう
というのは、
とても手間はかかるだろうが、
色々な意味で有効な施策である。

単に販売促進だけだと、記事にもある通り
「ステマ」と取られるリスクも増大して
いる昨今、意外と扱いが難しい。
仮にその点はうまくクリアできたとしても、
ファンやインフルエンサー本人が、
どこまでその商品を本気で推してくれるか、
心許ないというのが正直なところ。

その点、商品開発から巻き込んでしまうと、
ユーザーの生の声、ホンネ、インサイトを
商品の機能やデザインに反映でき

商品自体の魅力が格段に向上する
可能性が高い。

また、インフルエンサー本人が開発に
携わることで、「思い入れ」が生まれる。
当然ながら、熱を帯びて「推す」ことが
約束されたようなもの
である。
ホンネで、熱量高く「推し」活動を
していれば、見ている方はそれを敏感に
感じ取るもの。
販売促進の大きな力になることは
疑いない。

こういった商品開発手法については、
以前にもこちらで書かせてもらった
ことがある。
マスキングテープの「mt」が、
比較的近しい事例
と言えるだろう。

トフラーが提唱した、いわゆる
「プロシューマー」という概念。
これは、「プロデューサー」と
「コンシューマー」を組み合わせた
造語である。
正にそれを具現化するような形で
商品開発を進めているのが、
ワークマンのPBや「mt」の事例
なのである。

昨日紹介した『売上の地図』にも、
「第1の地図 売上と商品・サービス」
のところで、ワークマンが事例として
出て来る。
但し、これは従来の「作業服」から
「アウトドアのアパレル」に
ポジショニングを変えることで
売上が2倍になった
という文脈で
取り上げられたものだ。

ワークマンが好調なのは、
冒頭にも指摘した通り、
こういった様々な取り組みを
次々と実行に移しているからだ。

そして、その取り組みを実現するに
至る過程で、消費者のインサイトを
ガッチリと掴んでいる
ことこそが、
成功を引き寄せている秘訣だろう。

そういえば積読のままだった
土屋さんの本を、そろそろ読もうと
決意した朝であった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。