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ドラッカーの言う「強み」をトコトン経営に活かす

「み」という言葉には、とても
愛着がある。
男ながら、私の名前は「み」で
終わるのだ。
女性の名前のように「美」や「実」
ではなく、「巳」である。
ちなみに、妻の名前にも「美」が
含まれているし、娘の名前は「実」
で終わる。
そんなわけで、「み」という言葉は
「見」逃せないというわけ。

その「み」を三つ並べて、
「実身美」
(読み方は「サンミ」)
というお店を18年も経営している
方がいらっしゃる。
大塚三紀子さんは、OL時代に体を
壊し、自分が食べたいもの、体に
良いものをみんなに提供できるお店
を作りたい!
ということで一念発起。
「実身美」を2002年に起業したのだ
という。
あと一週間ほどで丁度18年経つとの
ことだ。

この「実身美」、サイトを見れば
お分かりいただける通り、自然食を
提供している。
玄米を中心にした、人をホッとさせる
ことのできる、そんな体にやさしくて
懐かしい味。
その名前がそのままコンセプトに
なっていて、

『実があって、身体によくて、美しい』

五七五で、何を目指しているかを
ズバッと表現している。
このコンセプト、「指針」と言い換え
ても良いだろう。
その指針に沿うもののみを取り扱い、
お客様にその良さがじわりじわりと
広がって、今や大阪に3店舗、大手町
と那覇にも出店し、オンラインショップ
も成功を収めていらっしゃる。

特筆すべきは、「酵素ドレッシング」
という目玉商品。
2017年から3年連続で
「みんなで選ぶベストお取り寄せ大賞」
に輝いている。

そんな素晴らしい実績を出している
サンミの大塚さんのご講演を、昨晩
拝聴する機会に恵まれた。

彼女も、起業当初は右も左も分からず
にいたと謙遜する。
悪戦苦闘の中でふと、ドラッカーが
良いという話を以前に聞いたことを
思い出して、『仕事の哲学』を繙き、
以来ドラッカーから学んだことを
実践に落とし込む毎日を送って来て
今に至る。

特に彼女の琴線に響いたらしい言葉、
それが、

不得手なことに時間を使ってはならない。
何ごとかを成し遂げられることは、強みによってである。

というもの。
あまりにも有名なフレーズだが、
この「強み」にフォーカスするという
のはどういうことか、実際に追求して
きた様子をリアルに伺えた。
実践した本人ならではの苦労の跡を
垣間見つつ、本当に愚直にドラッカー
の言葉通りの姿を目指して経営されて
きたんだなぁ。。。という気持ちに
なることしきり。

自分と一緒に働いている従業員たち
の「強み」を測るために、ギャラップ
社のストレングス・ファインダー

活用。
強みを可視化して、その強みに応じた
人事を行われている。
そして、権限ではなく「貢献」に焦点を
合わせて、チームワークで成果を上げる
ことを目指しているのだ。

メンバー各自が、自分の強みを発揮する
形で仕事に関われれば、つまりは得意な
ことをやり続けることになるので、
チームに対する貢献度が上がる。
貢献度の高いメンバーが増えれば、
それは成果が上がりやすくなることを
意味する。

言葉にすればシンプル極まりないこと
だが、多くの組織では、弱みを挙げ
つらって人材を潰したり、そもそも
強みがどこにあるかを探そうともして
いないことがほとんどだろう。

大塚さんは、真摯にドラッカーの問い
と向き合って、愚直に強みを活かす
道を追求されてきた。
人材を採用する際には、強みをより
鮮明に把握するために、
「これまで仕事において2人以上に
 褒められたことは?」
という質問をしている。
強みは、皆自分で分かっているようで
大抵分かっていないから、第三者から
見て何が強みなのかを引き出す質問
である。

また、「強みノート」なるものを
チームで回覧して、自分以外の全員が
その人の強みを書き連ね(弱みや失敗
を書くのは禁止!)、自分に戻る頃には
ノートが宝物化しているという。
そんな具体的な取り組みの一つひとつ
が素晴らしく、自分のノートがメモで
一杯になった2時間であった。

ともすると、ドラッカーの本は
抽象的な言葉も多いため、
「いいことが書いてあったなぁ」
で終わりがち。
トコトン実践的に活用されている
大塚さんを是非とも見習いたい。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。