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「顧客志向」の組織へと導く

昨日は、日経の下記記事を引用し、
P&G出身マーケターに関することを
書かせてもらった。

引用した日経記事自体の中身に
関することはスルーしてしまった
感があるので、今日はそちらを
ネタにしてみたい。

アサヒビール松山新社長
キリンビール山形新副社長
いずれも元P&Gのマーケター
そのご両人が、こてこての日本の
企業であるビール会社にそれぞれ
入社して、体験したことがとても
似ている
ところが面白い。

山形氏の体験談を引用する。

…あまりに守旧的な経営風土にカルチャーショック…
今の顧客ニーズが念頭になく、ブランド価値を磨こうという意識も希薄
顧客視点から様々な改革を打ち出した。例えば同社の最大ブランドの「一番搾り」。当時のCMキャラクターは人気絶頂の「嵐」だった。しかし17年のリニューアルに合わせ、嵐から「卒業」した。理由は、一番搾りの中核となる顧客層は嵐ファンより年配の40〜50代で、ここに刺さるキャラクターに変更した。味の改良も加え、停滞していた一番搾りは息を吹き返した。

次に、松山氏の体験談からも引用する。

…「マーケティング会議なのに、誰も顧客とは言わない」。
やたらと多い会議、無駄な資料作り、横の連係が弱い縦割り型の組織
…18年9月に専務に就くと、横割りのマーケティング組織の設立を訴える。会社は了承したが、定期的な人事異動のある19年4月にしてほしいと言ってくる。「そんな会社の事情で動くからダメなんだ」と反論し、19年1月に事業推進室を発足した。

いずれの会社も、「顧客」不在のままに
様々なマーケティング活動が行われがちで
あったことが見て取れる。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
これを地で行く組織だったわけだ。
顧客視点を徹底して学んできたP&Gの
マーケターなら、いや、P&G出身者に
限らずマーケティングの本来の意義を
理解する者なら
誰でも、即座に違和感を
抱いたかもしれない。

そして、どうすれば「顧客志向」の
組織へと生まれ変われるか、
リーダーシップが問われる。

アサヒにせよ、キリンにせよ、
マーケティング部門を発足した当初は、
きっと「顧客志向」を徹底しようという
ビジョンを持った組織だった
のだろうと
推測するところ。

しかし、組織というのは、よほど注意
深く束ねていかない限り、やがて徐々に
そのビジョンや目的から逸れてしまい、
その組織の存続自体が目的化したり、
組織の慣行を形式的に守ることが重視
されたりしがちだ。

そんな組織で、正論を説くだけでなく、
実際に行動を起こし、実績を積み重ねる
ことで信頼も勝ち取ってきた
からこそ、
松山・山形両氏が社長や副社長といった
枢要な地位を占めるに至ったのだろう。

今後、ご両名が益々ご活躍されることで
我々消費者がより多くのメリットを受け、
両社が健全に発展していくことを大いに
期待したい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。