![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100643786/rectangle_large_type_2_af0884fb0aefcb3d821b5d30e65ea5ba.jpg?width=1200)
「顧客志向」の組織へと導く
昨日は、日経の下記記事を引用し、
P&G出身マーケターに関することを
書かせてもらった。
引用した日経記事自体の中身に
関することはスルーしてしまった
感があるので、今日はそちらを
ネタにしてみたい。
アサヒビールの松山新社長、
キリンビールの山形新副社長、
いずれも元P&Gのマーケター。
そのご両人が、こてこての日本の
企業であるビール会社にそれぞれ
入社して、体験したことがとても
似ているところが面白い。
山形氏の体験談を引用する。
…あまりに守旧的な経営風土にカルチャーショック…
…今の顧客ニーズが念頭になく、ブランド価値を磨こうという意識も希薄…
…顧客視点から様々な改革を打ち出した。例えば同社の最大ブランドの「一番搾り」。当時のCMキャラクターは人気絶頂の「嵐」だった。しかし17年のリニューアルに合わせ、嵐から「卒業」した。理由は、一番搾りの中核となる顧客層は嵐ファンより年配の40〜50代で、ここに刺さるキャラクターに変更した。味の改良も加え、停滞していた一番搾りは息を吹き返した。
次に、松山氏の体験談からも引用する。
…「マーケティング会議なのに、誰も顧客とは言わない」。
やたらと多い会議、無駄な資料作り、横の連係が弱い縦割り型の組織…
…18年9月に専務に就くと、横割りのマーケティング組織の設立を訴える。会社は了承したが、定期的な人事異動のある19年4月にしてほしいと言ってくる。「そんな会社の事情で動くからダメなんだ」と反論し、19年1月に事業推進室を発足した。
いずれの会社も、「顧客」不在のままに
様々なマーケティング活動が行われがちで
あったことが見て取れる。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
これを地で行く組織だったわけだ。
顧客視点を徹底して学んできたP&Gの
マーケターなら、いや、P&G出身者に
限らずマーケティングの本来の意義を
理解する者なら誰でも、即座に違和感を
抱いたかもしれない。
そして、どうすれば「顧客志向」の
組織へと生まれ変われるか、
リーダーシップが問われる。
アサヒにせよ、キリンにせよ、
マーケティング部門を発足した当初は、
きっと「顧客志向」を徹底しようという
ビジョンを持った組織だったのだろうと
推測するところ。
しかし、組織というのは、よほど注意
深く束ねていかない限り、やがて徐々に
そのビジョンや目的から逸れてしまい、
その組織の存続自体が目的化したり、
組織の慣行を形式的に守ることが重視
されたりしがちだ。
そんな組織で、正論を説くだけでなく、
実際に行動を起こし、実績を積み重ねる
ことで信頼も勝ち取ってきたからこそ、
松山・山形両氏が社長や副社長といった
枢要な地位を占めるに至ったのだろう。
今後、ご両名が益々ご活躍されることで
我々消費者がより多くのメリットを受け、
両社が健全に発展していくことを大いに
期待したい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。