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アクションを引き起こすギミック

「広告」という言葉は、
「広く告げる」という意味だと
字面から読み取れる。
基本的に、人は知らないものを
ホイホイ買うことは少ない。
やはりある程度知っているもの、
親近感を覚えるものを手に取り
やすい。
だからこそ、「広く告げる」こと
により、まずはその存在を知って
もらおうとする。
少し硬めの言い回しを使うなら、
「認知を獲得する」
そのために「広告」するわけだ。

ただ、知ってさえもらえば買って
もらえるというほど、世の中は
甘くない。
知ってもらった上で、興味が喚起
され、自ら調べたりするようで
ないと、購入には結びつかない
のがほとんど。

「広告」の中には、純粋にその
ブランドのイメージを上げるため、
ただそれだけのために展開する
ケースも、もちろんある。
しかし、折角大金を使うのだから、
ということで、イメージ向上だけ
にとどまらず、何らかのアクション
を起こしてもらうことを、広告の
目的に組み込むことが多い。

自ら調べる、競合品と比較する、
そして購入ボタンをクリックする、
そうした自発的なアクションを
起こしてもらうために、
ただただ「広く告げる」だけでは
なく、何らかの
「ギミック(仕掛け)」
を施すことになる。

そうした「ギミック」としてすぐ
思い出すのは、
「続きはWebで」
という言葉を流行らせた、
ライフカードのTVCM。

オダギリジョーを用いたこのCMは
殿堂入りを果たすほど高く評価
されている。

最近、購読部数ががた減りで、
あまり元気のない新聞だが、実は
新聞広告というのは昔からとても
面白いものが多い。
中でも、金鳥の新聞広告は、毎度
お騒がせな内容。
「ギミック」を駆使した、無視
できない存在である。

「ゴキブリムエンダー」という
名前の商品があること自体、
この広告で知った私。
なかなかに衝撃的な広告である。

キャッチコピーが、

もう
どう広告したらいいのか
わからないので。

なんと、コロナをネタに、消費者が
どう反応するか分からないから、
開き直って色々なパターンの広告を
作ってみました、というノリなの
である。
K I N C H O という文字
一字ずつにコンセプトを重ね合わせ、
ケースバイケースで異なるネタを
QRコード経由にて見せてしまう
というアイデア。

みんな、ついQRコードにスマホを
かざして見に行くでしょ!?
と思うのだが、どうだろうか?
もちろん、ゴキブリに興味がない
とか、自分は忙しくてそんな暇は
ないとか、色々な反応は考えられる
ところだが、結構なリアクションを
得られたギミックだったはずだと
思うのだ。

こういうのを
「クリエイティブ」
というのですよ。
そんな感嘆の言葉が口をついて出る。

金鳥は、ちょっと前の新聞広告でも、
「謎解き新聞広告」
と銘打って、パッと見ただけでは
全く読めない、暗号解読の必要な
広告を打っている。

これもまた、「ギミック」を駆使して
読み手にアクションを起こさせる
ユニークな企画となっている。

あまりに難しかったり、
逆に簡単すぎたり、
そもそも興味を持ちにくい企業や
カテゴリーからの広告だったり
すると、ただただお金の無駄遣いに
なるところだが、その辺の微妙な
さじ加減が金鳥の場合はとっても
上手だと思う。

「ギミック」を駆使して、読み手の
心を動かし、それによって実際に
彼らの手を動かしてもらう。
そういう視点で様々な広告を眺めて
見ると、また新たな発見が出てくる
のかもしれない。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。