組織再編にあたってまず何をするか
女性用の下着メーカーといえば、
まず真っ先に名前が上がるのは
ワコールでしょう。
京都を代表するメーカーでもある
ワコールは、現在組織改革の只中
にあるとのこと。
その中核を担っているのが、
京都大学出身の生え抜きで、
最年少取締役として活躍する
篠塚厚子氏。
この「oggi.jp」の記事は、
ちょうど1年前。
その直前に、ワコールは
「販売、商品、マーケティング」の
3つを軸とした新体制に移行、篠塚氏は
取締役執行役員マーケティング本部長
として、200人もの組織を束ねる立場に
立ったそうです。
このときに、最初にしたことは
何だったのか。
日経クロストレンドの記事によれば、
まず「マーケティングとは」を定義した
とのことでした。
氏がリードしてつくり上げた
その定義とは、
とのこと。
シンプルで切れ味の良い定義では
ないでしょうか。
メーカーだけに、やはりモノづくりを
する商品部門が強かったり、
あるいは日本企業ということで、
売ってなんぼの営業部門が強かったり。
そんなカルチャーが根強い組織になって
いたであろうことは、
想像に難くありません。
恐らくは、ワコールの経営陣にとって
それが大きな悩みだったのでしょう。
それを、マーケティング起点に、
言い換えれば顧客起点に変えて行こう、
そんな強い意志をもって、組織の改革を
推し進めているようなのです。
社長直轄で部門横断型の組織となる
「マーケティング会議」を新設して、
機能部門の個別最適志向から
全体最適を目指す方向へと舵を切った
様子が伝わってきました。
企業が存在を許されるのは、
外部にいる「顧客」から評価され、
利益をいただくことによってです。
そして、その顧客が企業に利益の
源泉をもたらしてくれるのは、
企業が「価値」を提供するからです。
この、「顧客に価値を提供する」ことに
向かって、企業における活動の全てが
きれいに整い、スムーズに連動する
ようにしていくことこそが、
経営のキモだと言えるでしょう。
この重要な「キモ」、
経営にとっての「一丁目一番地」を
まず押さえ、そこからより具体的な
体制変革に取り組んだワコール。
記事のニュアンスでは、まだまだ
改革の途上であり、引き続き新体制の
構築に邁進していくとのことなので、
「後日談」的な内容が出るのを
楽しみに待ちたいところです。
ちなみに、マーケティングの定義に
関しては、過去にいくつか記事を
寄せているので、
宜しければこちらもご覧ください。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。