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マネジメントからリーダーシップへ

明朝、リーダーシップ論の世界的権威
である、クレアモント大学院大学・
ドラッカースクールの
 Jean Lipman-Blumen 女史による
オンライン講義を拝聴する予定だ。
4回シリーズの4回目。
その中で散々語られてきたのが、この
不確実性の時代におけるリーダーシップ
の重要性
だ。
勇気を奮って、リスクを取って、
まだ誰も通ったことのない道をも
進んでいく。

リーダーシップとよく対比される言葉
として、マネジメントがある。
この言葉、ドラッカーの有名な本の
タイトルでもあり、ベストセラーと
なった『もしドラ』でより一層注目を
浴びたのは覚えている方も多いはず。

この「マネジメント」というのは、
Management、Manageという動詞の
名詞形
である。
Manageするコト
Manageするヒト
両方を指す場合がある。
後者の場合、日本語ではそのまま
「マネジメント」と呼ぶ場合もあるが、
「管理職」と呼んだり、
実質的には「リーダー」を指す場合も
ある。

「マネジメント」と「リーダーシップ」
は、少なくとも日本人の感覚としては、
前者がある程度決まった方向性の枠内
で全体をコントロールすることを指す
のに対して、後者は大きな方向性を
示してリード=先導する、そんな感じ
のニュアンスだと思われる。

「管理職」は、「マネジメント」でも
あり、「リーダーシップ」を発揮する
立場でもあるわけだが、これからは
より一層「リーダーシップ」が問われる
時代になる
のではないか、そういう
主張が最近読んだ本でなされていた。

『管理職失格』
という、一瞬恐怖をあおるような
タイトルであるが、
実際読んでみれば分かる通り、
この不確実性の時代に管理職がどんな
考え方で組織を成功へと導いていく
べきか、新しいリーダー像を呈示

しようとする、至極前向きな内容の
本である。

著者は、東京大学教授の柳川範之さんと、
経営共創基盤のマネージングディレクター
である木村尚敬さん

お二人の対談がメインコンテンツである。

木村さんは、たまたま高校のバスケット
ボール部の先輩であり、勝手にメンター
視させてもらっている存在。
『ダークサイドスキル』という日経から
出ている本を含め、すっかりベストセラー
作家である。

日本の大企業の実情を踏まえた内容と
なっており、外資系企業や、中小企業に
勤めるビジネスパーソンにはやや
当てはまらないかも、という部分も
あるが、リーダーシップやマネジメント
に関する本質的な議論に関しては
大小問わず当てはまる
ところだ。

特に、「マネジメント」の定義に
関わる話で、Manageとは
「管理する」のではなく、
「成果を出すために何とかする、
どうにかする」というニュアンス
だ、
という話は、全く同じ議論をつい
最近も他の場所でしたところだった
ため、「やっぱりそうなんだ」と
深く納得。

また、「管理職」はプレイング
マネジャーであれ!
という主張も
この時代背景にあって、至極納得
のいく話である。
いざというときは、ふんぞり返って
指示を出しているだけでは誰も後を
付いてこない、自らリードして、
背中を見せて、第一線でバリバリ
対応できる戦闘力を持たねば
ならない、というメッセージは
しっかり胸に刻んでおきたい。

日本の大企業に勤めている
30代から40代の管理職には
特におすすめの本である。

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