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トリクルダウンと「関心の輪」「影響の輪」

投資というと、真っ先に思い浮かぶのは
何だろうか?
やはり株式?
それとも債権?
あるいはゴールド?
ひょっとして土地?

私自身は、20年来投資信託ほぼ一択。
当時、自分なりに漁って読んだ本からの
学びで、

株式トレーディングに時間をかけるのは勿体ないし、リスクも高い
時間を味方に付けるべきで、10年単位で考えたらインデックス投資が堅い

ということで、インデックスと呼ばれる
日経平均連動型の投資信託に余裕資金を
全部突っ込みつつ、
毎月毎月一定額を積み立てる形で
さわかみ投信というインデックス型に
近い投資信託にお願いし始めた。

さわかみ投信は、当時まだできて間もない
ながらも、伝説のトレーダーと言われた
澤上篤人さん(創業社長・当時)が
メディアでもかなり取り上げられていた
記憶がある。
「長期投資」を標榜し、
「自分が応援したいと思える会社の株を
買い、長い間持ち続ける」
というポリシーを貫かれている。
今に至るまでずっとお世話になっており、
ほったらかしにもかかわらず順調に
資産として育ってくれているのが
有り難い。

そんなさわかみ投信と、非常に近しい
理念、いや更にそれを徹底させたと
言ってよいかもしれない考え方で、
一世を風靡した投資信託がある。
それが、鎌倉投信だ。
さわかみ投信から遅れること10年弱、
「いい会社」に投資するという考え
で、「結い2101」という商品を販売
している。
この商品で、2013年に
R&Iファンド大賞 最優秀ファンド賞
(投資信託/国内株式部門)を受賞
したという実力派である。
詳しくは、企業サイトを読んで
いただければと思う。

この、志高き投信会社を立ち上げた
のが、新井和宏さん。
今は、eumoという新しい通貨、
「共感コミュニティ通貨」を作る
という野心的な試みをされている。

新井さんのお話を昨日お聞きする
機会に恵まれた際、彼が述べていた
ことのうちのひとつ、それが、

トリクルダウンは起こらない

という話だった。
実は、「トリクルダウン」という言葉、
「トリプルダウン」と聞き間違えて、
「三つ落ちるって何だろう?」と
思ったのはここだけの話。。。

何度か出て来てようやく、
アベノミクスの論拠だの何だので話題に
なった話だと思い至る。
念のため、すぐにググって定義を確認。
トリクルダウン(仮説)とは、

富めるものが富めば、貧しいものにも自然に富が滴(したた)り落ちる

とする考え方。
しかし、あくまで理論上、理屈上の
話であり、実証はされていないという
ことのようだ。
OECD(経済協力開発機構)の実証研究
では、否定的な見解も出ている様子。

新井さんも、このOECDの見解と同様、
富める者は益々富み、貧しい層がその
おこぼれに預かることはない、そう
確信しているようだった。

正直なところ、トリクルダウン仮説が
正しいのか、あり得ない話なのか、
諸説あってどれが正しいのか判断する
術を持たない。
分かるのは、貧富の差という社会的な
課題が厳然として存在しているという
事実。

貧富の差を解消するということは、
基本的には正しい方向だろう。
社会がより安定した方に向かうと
思われるからだ。
ただ、そのために個人で何ができる
かと問われれば、課題の大きさに
呆然自失とならざるを得ない。

度々取り上げている『7つの習慣』
第1の習慣「主体性を発揮する」で、
「関心の輪」と「影響の輪」という
話がある。
貧富の差という社会課題に「関心」を
持ったとしても、自分がその課題の
解決に「影響」を及ぼせる力がない
うちはどうしようもない。
まずは、「影響の輪」の中にある、
つまり自分でできることを粛々と
行いながら、その影響力の及ぶ範囲
を広げていく。
そうやって、外郭にある「関心の輪」
の大きさに近付けていくしかない。

トリクルダウンの話を聞いて、そんな
ことを考えたのであった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。