呼吸するように、無意識に動ける状態を作る

各界のプロフェッショナルの方の話
というのは、本当に学ぶべきことが
多い。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
『情熱大陸』
『ガイアの夜明け』
『カンブリア宮殿』
といったドキュメンタリー番組には、
様々なプロフェッショナルが登場する。
彼らの生き様は、概して素晴らしく
カッコいい。
「魂が震える」ように感じることも
多く、別の言葉では「しびれる」とも
表現できるかもしれない。

何かを学ぶなら、やはり一流のプロ
から学ぶのが良いと思っている。
プロでしか到達しえない「高み」を
経験している彼らの口から語られる
ことは、やはり重みが違う。

中には、「言語化」が苦手で、うまく
その到達点を人に伝えきれない人も
いるかもしれないが、確率論的には
やはりプロから学ぶ方が得るものが
多いだろうと思っている。

マーケティングのセミナーを4月から
続けて来て、早や9か月。
元々、人前で話すことは嫌いではない。
「いかに分かりやすく人に伝えるか」
ということを意識して、実際にそれが
できたときの達成感は、何物にも
代えがたいものがある。

受講生の皆さんからも、それなりに
高評価をいただけているので、
自信にもなっている。
それでも、やはり
「もっと上手に伝えたい」
「もっと滑舌良くしたい」
という思いがあったし、長く話すと声が
かすれて来るという問題も気になって
いた。

そんな折、6月から9月まで学んでいた
EMSというオンラインスクールの
つながりで、元北海道テレビの局アナ
からディレクターまで歴任された
プロフェッショナルに、話し方を
教わるチャンスに恵まれた。

そのプロとは、五十嵐いおりさん。
11月から12月にかけて、全3回の講座を
受講させてもらい、話し方の基礎を
鍛えてもらった。

実際に習った重要ポイントは、
たった二つ。
しかし、そのたった二つが難しい。
そのポイントをこともなげに自在に
操り、見事な美声を披露しては、
私たち生徒を導いてくれるレッスン
だった。

プロは、レベルの高いテクニックを
本当に「こともなげに」サラッと
やってのける。
まるで、普段の息づかいと同じように。

「ここは、こうやって」
「次に、ここを意識して」
「それから、ここを動かして」
などといちいち頭の中で考えながら
では、ぎごちない動きになる。
脊髄反射の如く、頭で考えるまでも
なく、自然とできるようになるには、
もちろん相当な修練が必要。
幸い、淡々粛々と継続することは
得意なので、教わった話し方を自然に
実践できるようになるまで頑張る
こととする。

先日眺めていた『致知』に、
麻布十番のたいやきの名店、
「浪花家総本店」の四代目店主、
神戸将守さんが寄稿されていた。
父親であり先代の守一さんは、あの
大ヒット曲『およげ!たいやきくん』
の歌詞に出て来る「みせのおじさん」
のモデルだ。

元々店を継ぐ気がなかったが、
先代が指をケガしたのをきっかけに
お店を切り盛りせざるを得なくなり、
職人気質で何も自ら教えてくれない
父親のテクニックを見よう見まねで
身に付けていったという回想が
書かれていた。

それなりに形になるまで、3年間、
90万個はたいやきを焼いたという
将守さん。
その言葉を少し引用させて頂く。

おいしいたいやきを焼くために、特別なコツや意識は必要ありません。呼吸するときに「何cc吸って何cc吐こう」といちいち考える人はいないでしょう。それと同じで、考えているうちはできない。

プロフェッショナルの共通点を
見せられ、自分もそうなるまで
続けるようにと背中を押された
気分になったのであった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。