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アメリカ小売現場の最新事情

丁度一週間前の日経MJに、
「奔流 eビジネス」
というシリーズものの記事が
掲載されていた。

流通ウォッチャーの村山らむね氏が、
アメリカの物流/小売現場における
最新事情を視察して来た様子
を、
記事としてまとめてくれている。

消費者としてコロナ後の現場を体験
した結果、印象的だったこととして
以下の3つが挙がっていた。

1.デジタルトランスフォーメーション(DX)の多様な利用目的
2.ローテク
3.人工知能(AI)やロボットと一緒に働く現場

1.DXの多様な利用目的

アプリで注文し、店の駐車場で商品を
受け取る「カーブサイドピックアップ」
と呼ばれるサービスが、かなり普及して
いるそうだ。

特にウォルマートでよく使われる傾向が
強いらしいのだが、その理由が、単に
「便利」だからというのを超えていて、
興味深い。

なんと、IT企業のレイオフ増加に伴い、
従来高級スーパーで買い物していた客が
低価格がウリのウォルマートに流れて
いる
そうなのだ。
彼らにとっては、そこで買い物を
することが恥ずかしい
という理由で、
このサービスが重宝しているらしい。

ご近所さんとウォルマートでバッタリ、
なんてことが、自身のプライドに障る
ということなのだろう。

加えて、店舗内の治安に不安があると
いう要素もあるようだ。
日本は、アメリカのトレンドを数年
遅れで追いかける傾向
にあることが
多いが、店舗の治安悪化については
是非とも追いかけないでいて欲しい
ものである。


2.ローテク

1.でDX、3.でAI/ロボットが
出て来たが、その逆を行くトレンド
即ちほとんど最新技術を使っていない
お店もある。

その一例として挙がっていたのが、
高級スーパーのトレーダー・ジョーズ
快活に働く店舗スタッフの面々と
会話しながら買い物するのが楽しみ、
というファン顧客を獲得
している様子
なのだ。

誰も彼もがデジタルへと舵を切る中で、
逆張りの戦略を成功させている手腕は
お見事である。

日本だと、例えば赤坂アークヒルズに
店舗を出した福島屋あたりは、
似たような戦略でもって成功している
スーパーだと言えなくもない。

しかし、トレーダー・ジョーズほど
大規模に成功しているところは、
日本企業では未だ見当たらないのが
少々残念である。


3.AIやロボットと一緒に働く現場

最後は、小売ではなく物流倉庫での
体験談
のようだが、倉庫内ロボット
導入した結果、96人で作業していた
内容が25人で足りる
ようになって、
作業員は仕事が奪われる不安から
なのか、解雇せずとも自然と辞めて
いった
との事例が紹介されていた。

もちろん日本でも、AIやロボットの
店頭利用は既に始まっている。
最近よく見かけるのは、業務用の
ルンバ
とでも言うべき、巨大な
ロボット掃除機

人のいない時間帯に一通りフロアを
キレイにしてくれるのは、
時間のロスも減って便利この上ない。

いわゆる「3K」作業を、ロボットが
文句も言わずに効率的にこなして
くれるというのは、人間にとって
本当に有り難いことである。


DXやAI/ロボットに絡むトレンドは、
今後益々加速的に広がっていく
ことが
容易に予測されるところ。

身近な店舗を定点観測しつつ、
興味深い現場の噂などがあれば、
積極的に視察に訪れたいものだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。